
空き巣の手口として有名なサムターン回し。これを防ぐためには、防犯性能の高いサムターンに交換する必要があります。
しかし、“サムターンの交換方法が分からない”と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。今回は、サムターンの交換方法を紹介します。
交換費用の目安や交換前の準備なども紹介するので、参考にしてください。
この記事で分かること
サムターン交換をDIYする前の準備
なるべく安く済ませるために自分で交換する方を選択した人もいるでしょう。その場合、事前に準備すべきことがあります。
ここでは、交換前にやるべき準備について説明しますね。
サムターン交換前のチェックポイント
サムターンの交換前に、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 現在取りつけてあるシリンダーに対応しているか
- メーカー名を確認する
- 型番を確認する
- ドアの厚みを確認する
サムターンは、シリンダーによって取りつけ不可なものもあります。新しいシリンダーを購入する場合は、必ず “現在取りつけてあるシリンダーに対応しているか”確認しましょう。
分からない場合は、ドアの側面にある金属板(フロントプレート)に刻印されている“メーカー名”を確認してください。
それと同じメーカーのサムターンを交換すれば、基本失敗しません。ただ、「MIWA」など有名メーカーのサムターンは型番がたくさんあります。
メーカー名のみならず、型番もしっかりチェックしましょう。また、サムターンの種類によっては、ドアの厚みの情報も必要な場合があります。こちらも測っておいてください。
「サムターンとは何なのか」についてや、サムターンの種類を詳しく解説している記事もありますので、本記事と合わせてお読みください。
サムターン交換に必要な道具を用意する
サムターン交換に最低限必要な道具は以下の通りです。
- 新しいサムターン
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
プラスドライバーとマイナスドライバーは100円ショップやホームセンターなどで安く手に入れられます。
サムターン交換では、数種類のプラスネジを外す必要があります。そのため、プラスドライバーはサイズの違うものをいくつか用意しておくとスムーズに作業できます。
作業を楽にしたい人は、電動ドライバーを購入しましょう。
あると便利なもの
新しいサムターンとドライバーがあればサムターン交換できますが、さらに以下の道具があると便利です。
- 軍手
- メジャーまたは定規
- ビスを保管するためのトレイ
軍手はグリップ付きのものだと滑りづらく、作業が楽になります。
適切なサムターンを選ぶにはドアの厚みなどを測る必要がありますので、手持ちにない場合はメジャーや定規も用意しておきましょう。
また、サムターン交換では細かい部品を扱うことになります。ビスなどを一時的においておく小皿があると、部品をなくしづらくなるため便利です。
これらの道具はすでに家にあるものでも構いません。作業をスムーズにするために、なるべく揃えておきましょう。
基本的なサムターン交換の手順
サムターン交換の方法はメーカーごとに若干異なりますが、おおまかな流れは同じです。
基本的なサムターン交換の手順は、まず古いサムターンを取り外し、それから新しいサムターンを取り付けます。
まずはサムターン交換の基本的な手順を把握しておきましょう。
サムターンの外し方
- ドアを開けてドアストッパーで固定する
- サムターンのつまみを回して台座のネジを取り外す
- サムターンの中にある2本のネジを取り外す
- ドア側面にあるフロントプレートのネジを外して金属板を取り外す
- フロントプレートの内側にあるピンのうちサムターン側のピンを引き抜く
ピンを引き抜くと同時にサムターン本体が外れます。そのまま引き抜くとサムターンが落下してしまうため、サムターンを支えながらピンを抜きましょう。
サムターンの取り付け方
- 古いサムターンを外した穴へ新しいサムターンを垂直に取り付ける
- フロントプレートを被せてビス止めする
- サムターンの中をネジ止めする
- サムターンの台座をドアにネジ止めする
新しいサムターンの取り付け方は、基本的に取り外したときの工程を逆に行います。
新しいサムターンを取り付けたら、サムターンのつまみやかんぬきがスムーズに動くかチェックしましょう。
【メーカー別】サムターン交換の手順
メーカーによってサムターンの交換方法は少し異なります。有名なメーカー別に交換方法を順序立てて説明するので、参考にしてください。
MIWA
MIWA製のサムターンは、以下の手順で交換します。
- フロントのビスとフロントプレートを外す
- サムターン側にある2本のピンとサムターンを外す(ピンを抜くとサムターンも同時に外れるので、必ずサムターンを支えながらピンを引き抜く)
- 逆の手順で新しいサムターンを取りつける
- 動作確認を行い、問題なければ交換完了
GOAL
GOAL製のサムターンは、以下の手順で交換します。
- ドアを開ける(このままの状態で交換作業を行う)
- サムターンを回すと現れる中央の小さなビスを取り外す
- サムターンのツマミを取り外す
- サムターンの中にある大きめのビスを取り外す
- フロント部分にあるビスとフロントプレートを取り外す
- フロントプレートの内部にある2本の金属棒のうち、部屋内側の金属棒を引き抜く
- サムターンのカラーを取り外す
- 逆の手順で新しいサムターンを取りつける
- 動作確認を行い、問題なければ交換完了
トステム(現LIXIL)
トステムのサムターンは、固定式・脱着式・脱着タイプの鍵式と3タイプあります。
サムターンの種類にあわせて、正しい手順で取り付けましょう。固定式サムターンの交換手順
まずは、“固定式サムターン”の交換方法から説明しますね。
- 鍵についている2つのビスとサムターンを取り外す
- シリンダーも取り外す
- 逆の手順で新しいサムターンをはめ込む
脱着式サムターンの交換手順
次は、“脱着式サムターン”の交換方法です。
- 室内側のサムターンの下部にある金属を上に押し込み、サムターンを外す
- 引っ張りながらカバーを外す(外しにくい場合は、下部にある切り欠き穴にマイナスドライバーを入れてもち上げる)
- カバーを取ると現れる2本のビスとシリンダーを取り外す
- 逆の手順で新しいサムターンをはめ込む
脱着タイプの鍵式サムターンの交換手順
最後に“脱着タイプの鍵式サムターン”の交換方法を説明します。
- 室内側サムターンの下にある金属を上に押し込み、キーを抜く
- 横にある切り欠き部分にマイナスドライバーを入れ、カバーを取り外す
- カバーを取ると現れる2つのビスとシリンダーを取り外す
- 逆の手順で新しいサムターンをはめ込む
サムターン交換後に確認したいチェックポイント
サムターンを交換した後は、つまみや鍵を回す動作確認を行いましょう。
ドアノブの動作確認やサムターンキーの脱着確認なども必要です。ここでは、そのようなサムターン交換後にやるべきチェック事項を説明します。
つまみの動作確認
つまみを数回回し、引っ掛かりや開閉のしづらさがないか確認しましょう。解錠・施錠がやりにくい場合は、ビスを強く締めすぎている可能性があります。
ドライバーを使って少し緩めましょう。
鍵を回すときの動作確認
サムターンの取りつけ具合は、鍵穴がある室内側のシリンダーの動作にも影響を与える場合があります。鍵穴にキーを差し込み、問題なく動くか確認しましょう。
合わせて、ドア側面にある“デッドボルト(かんぬき)”の飛び出し具合や引っ込み具合なども確認してください。
ドアノブの動作確認
サムターンやシリンダーのみの交換であれば、ドアノブに与える影響は少ないとされています。
しかし、セルフ交換の経験が浅い人の場合、プレートや部品のズレで影響を与えている可能性があります。
念のため、ドアノブを数回動かし、側面の“ラッチボルト”(三角形のボルト)がスムーズに出入りするか確認しましょう。
サムターンキーの脱着と動作確認
室内側のつまみを取り出せるタイプの場合、取りつけの仕方によってはつまみの脱着が難しくなります。
そのため、サムターンキーの動作確認のみならず、しっかり脱着できるかも確認しましょう。
サムターンカバーの脱着確認
サムターン回しの対策として、サムターンカバーと呼ばれるグッズがあります。古いサムターンカバーは、新しいサムターンで正常に機能しない場合があるので注意しましょう。
正常に機能しない場合は、新しいカバーを購入してください。
サムターンの交換費用の目安
サムターンの交換費用は、防犯性能の高さや、自分で交換する場合と業者に依頼する場合で異なります。
サムターンの防犯性能などケース別に、交換費用の目安を下表にまとめました。
標準サムターン | 防犯サムターン | |
---|---|---|
自分で交換する場合 | 1,300円~3,000円 | 3,500円~10,000円 |
鍵業者に依頼する場合 | 10,000円~20,000円 | 20,000円~40,000円 |
ここでは、自分で交換する場合と業者に依頼する場合にわけて、サムターン交換費用の目安を解説します。
DIYで交換する場合の費用
- 一般的なサムターン:1,300円~3,000円
- 防犯サムターン:3,500円~10,000円
自分で交換する場合にかかる費用は、サムターンの部品代と工具代です。一般的な性能のサムターンを選ぶのであれば、大体2,000円前後で購入できます。
購入する場所によっては、1,000円台前半で購入できるでしょう。
ただし、安いサムターンはサムターン回し対策されていない傾向があります。防犯性能をアップさせたい人は、サムターンカバーのような補強アイテムも購入しましょう。
防犯性能の高いサムターンは、3,500円〜10,000円程度で購入できますよ。
鍵業者に依頼する場合の費用
- 一般的なサムターン:10,000円~20,000円
- 防犯サムターン:20,000円~40,000円
鍵業者に依頼した場合の交換費用の目安は、1万円〜4万円です。料金の目安に幅があるのは、業者によってオプション料金や作業料金などが異なるからです。
鍵業者の鍵猿を例に、具体的な交換費用の内訳を見てみましょう。
作業料 | 部品代 | 合計 | |
---|---|---|---|
ピンシリンダー錠 ディスクシリンダー錠 |
11,000円~ | 5,500~11,000円 | 16,500円~ |
ディンプル錠 | 11,000円~ | 16,500~27,500 | 27,500円~ |
サムターン交換の作業料は、サムターンの交換難易度や関連部品の劣化・損傷状態などでも変動します。そのため、こちらで紹介した交換費用はあくまで一例です。
正確な鍵交換費用を知りたい場合は、業者に見積もりを出してもらってください。複数社から見積もりを出して貰えば、それらを比較するだけで大体相場が分かります。
鍵交換費用については、以下の記事でも紹介しています。
サムターン交換が難しい場合は「カギ110番」に依頼しよう

出典:カギ110番
カギ110番とは、顧客満足度・到着スピード・価格満足度・ご利用シェア率で4冠を獲得したプロの鍵屋です。
カギ110番の特徴は、最短5分で現場に駆けつけてくれること。365日24時間対応なのもうれしいポイントですね。
鍵の在庫が10万個以上あるのもカギ110番の強みです。ディスクキーやディンプルキーなど、難しい鍵の交換にも対応してくれますよ。
カギ110番はお客様目線のサービス提供を心がけている企業です。追加費用不要の明朗会計に加えて、作業前に必ず見積もりを提示してくれるので安心して任せられますよ。
サムターン交換の費用
残念ながら、サムターン交換費用としての記載はありませんでした。通常の玄関の鍵の費用は下記の通りです。
- 玄関の鍵作成 11,000円~
- 玄関の鍵開け 8,800円~
- 玄関の鍵修理 8,800円~
- 玄関の鍵交換 12,100円~
サムターンの部品代は錠前より安いので、概ね上記程度か少し安い程度だと想定しておくといいでしょう。
見積もりは無料なので一度相談してみることをおすすめします。
鍵交換を依頼する流れ
カギ110番の口コミ・評判についても紹介している記事もあります。ぜひ参考にしてください。
サムターン交換でよくある失敗事例
サムターン交換に必要な道具ややり方を知ったため、いよいよ交換作業に取りかかろうと考えている人もいるでしょう。
その前に、よくある失敗事例を把握しておきましょう。これを知っているだけで、失敗する確率を下げられるからです。それでは、サムターン交換でよくある失敗事例を紹介します。
こういった失敗を防ぐには、鍵業者への依頼がおすすめです。DIYするよりも費用はかかりますが、専門の鍵業者による施工ならセキュリティ性能が下がるリスクもありません。
防犯性能を重視したい方や、DIYに自信のない方は、鍵業者へ依頼してサムターン交換しましょう。
部品をなくした
部品についているビスやピンは非常に小さいアイテムです。風で吹き飛ばされる場合があるので注意しましょう。
部品を紛失した場合、新たに購入しなければいけません。他の物で代用すると、鍵のセキュリティ性能が大きく下がる可能性があります。
ネジ、ビスなどの細かい部品は、作業中保管できるトレイを用意しておくと良いでしょう。
部品をつけ忘れた
部品のつけ忘れは、注意力が散漫な人に時々見られる事例です。鍵の部品は、しっかり固定されているからこそ防犯に役立ちます。
ビスとピン、どちらもつけ忘れないようにひとつひとつ確認しながら作業しましょう。
ビスの穴を潰した
サイズの合わないドライバーでプラスネジを回すと、上滑りしてビスの山が削られる場合があります。これを“ビスの穴を潰した”と言います。
回転力が強い電動式ドライバーでも起こりやすいトラブルなので注意してください。
また、力が強い男性でも起こりやすいトラブルです。余裕があれば、サイズが違う複数本のプラスドライバーを用意しておきましょう。
サムターン回し対策に効果的なおすすめの防犯サムターン
セキュリティ性能の高いサムターンに交換することは、防犯対策として非常に有効です。
サムターン交換するときは、防犯性の高いサムターンを選ぶことでサムターン回しなどの被害を防げます。
サムターン回しは、ドアの隙間などから特殊工具を差し込みサムターンを回す手口ですが、防犯サムターンはつまみが回りづらく、簡単に開錠できません。
ここでは、防犯サムターンの種類ごとの特徴や、おすすめのサムターンを紹介します。
脱着式サムターン
商品名 | メーカー | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|
ND2Sシリーズ | 美和ロック | 4,070円~6,765円 | 扉が開いていないと取り外せない特殊なネジ止め方式 |
お出かけサムターン | LIXIL | 6,380円 | 引き戸にも取り付けられる |
交換用脱着サムターン | TKK AP | 4,840円 | サムターンカバー付属 |
脱着式サムターンは、つまみを着け外しできるサムターンを指します。サムターン回しで狙われるつまみ自体を取り外せるため、高い防犯性能が期待できます。
防犯サムターンの中でも種類が多く、様々なメーカーが販売しています。サイズ展開も豊富なので、取り付けるシリンダーを選ばないというメリットがあります。
空転式サムターン
商品名 | メーカー | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|
TME型防犯サムターン | GOAL | 4,620円 | つまみを引っ張ると空転モードに切り替えられる |
TMB型防犯サムターン | GOAL | 4,180 円 | 常に空転モードでサムターン回しがほぼ不可能 |
空転式サムターンは、「空転モード」という機能が搭載されています。空転モードでは常にくるくるとつまみが回ってしまうため、サムターン回しの工具がかかっても開錠できません。
空転式サムターンには、つまみを引っ張ることで空転モードのオンオフを切り替えられるものと、常に空転モードのものがあります。
どちらもセキュリティ性能が非常に高いサムターンですが、都度操作が必要なのでそれが面倒に感じないという人におすすめです。
スイッチ式サムターン
商品名 | メーカー | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|
スイッチ式防犯サムターン B5 | 美和ロック | 3,300円~6,380円 | 普通のサムターンと同じ感覚で使いやすい |
スイッチ式サムターンは、つまみの上下にあるスイッチを押し込んだ状態でのみサムターンを回せます。
通常のサムターンを同じようにつまみを握り込むだけでスイッチを押せるため、違和感が少なく、自然な操作感で使えます。
サムターン回しの工具で上下のスイッチを押すことは非常に難しいため、防犯性能と使用感の良さが両立したサムターンです。
サムターンの交換方法まとめ
- 交換費用の目安は、自分で交換する場合“2,000円〜1万円”、業者に依頼する場合“1万円〜4万円
- 交換する前に“サムターンがシリンダーに対応しているか”を必ず確認する
- サムターンを交換した後は、つまみやドアノブなど、さまざまな箇所の動作確認を行う
- 「自分で交換するのは不安」「鍵の防犯性を下げたくない」などと考えている人はプロの鍵屋に依頼しよう
サムターンを自分で交換すれば部品代しかかかりません。一般的な種類であれば2,000円前後、防犯性能の高いものを選ぶのであれば3,000円〜1万円で交換できます。
しかし、自分で交換するのが不安な人もいるでしょう。家を守る大切なセキュリティなので、プロにお願いしたいと考えている人もいるはずです。
そのような人は、鍵業者に依頼しましょう。1万円〜4万円ほどで対応してもらえます。
おすすめの鍵屋は、顧客満足度・到着スピード・価格満足度・ご利用シェア率で4冠を獲得した“カギ110番”です。