屋根の色選びは、意外と考えるべき点が多くあります。
色によって耐久力や熱の影響の受け方などが異なるからです。
ここでは、屋根の色選びをする上で大切なことをまとめています。
色選びの参考にしてください。
INDEX
屋根の色選びのコツ・考え方
この項目では、屋根の色を決める上で気を付けるべきことについて解説します。
遮熱性
屋根に明るい色と暗い色を塗るのとでは「遮熱効果」が異なります。
色によって遮熱効果が異なることを「日光反射率」といい、屋根の色選びでも気にしたい点です。
色ごとの遮熱効果の例を挙げると、屋根が白い場合は日射反射率が100%に近く、屋根が黒い場合は熱を吸収するためほぼ0%に。
白は日光を最も反射し、黒は熱を吸収する性質があります。
塗る色によって屋根の温度が変化することです。
屋根に暗い色を使うと日光の影響を受けやすく、室温が上がりやすくなります。
室温が上がるとその分冷房を使う頻度も上がるため、電気代もより多くかかるでしょう。
そのため白に近い明るい色を選んだ方が高遮熱性となり、冷房の電気代も節約できるため経済的なメリットは大きいと言えます。
色褪せしやすい色は避ける
色褪せする原因は、日光からの紫外線の影響や水や酸素などの化学変化によるものです。
色褪せは自然の影響で必ず起きることなので、色の寿命の長くするためにもできるだけ色褪せしにくい色を選びましょう。
色褪せしやすいのは赤や黄などの鮮やかな原色で、白や青などは色褪せしにくいです。
しかし、同じ黄色系統でも黄土色は色褪せにくいという特徴があります。
白の場合は褪せにくいものの汚れが目立ちやすいという点に留意しましょう。
黒も色褪せしにくい部類に入りますが、光沢のツヤ感がなくなると色褪せて見えやすいです。
また、黒は熱を吸収するため住宅の温度上昇に繋がります。
色褪せを防ぐために、耐用年数の長い塗料や「ラジカル制御塗料」などを選ぶのもおすすめです。
屋根以外の外壁・付帯部との相性
住宅で塗装する場所は屋根だけではありません。
外壁や付帯部である「雨どい」「破風板」「雨戸」などとの色の組み合わせを考えて決めることをおすすめします。
屋根の色だけこだわって、ほかの部分と色の相性が悪ければ、どんなによい色でも違和感が出てしまいます。
相性のよい色の組み合わせを考えるのは大変ですが、定番の組み合わせで考えると思いつきやすいでしょう。
たとえば濃い色と薄い色を組み合わせて、同系統の色で統一感を演出するのはどうでしょうか。
見た目に統一感が出ておしゃれに見えます。
また、全体の色数は3色までにするとバランスがよいです。
色数が多いとバランスをとるのが難しく雑多な印象になりがちです。
住宅環境との調和や景観ガイドラインに配慮
住んでいる場所にもよりますが、自宅の周りにはほかの人の住宅があることが多いはずです。
その場合は近隣住宅の色との調和を考慮して決めるようにしましょう。
たとえば周囲の住宅がブラウンやグレーなど落ち着いた色で塗装されているのに、自宅の屋根を赤などの派手な色で塗ってしまうケース。
悪い意味で目立ってしまうかもしれません。
近隣住民からのクレームがくる場合もあるので、住宅環境との調和を考えることは大切です。
地域によっては景観ガイドラインが定められており、使用できる色が制限されている場合があります。
色を決める前に自治体の公式サイトを確認する、問い合わせするなどして事前に確認しておくとよいでしょう。
多くの人が選ぶ人気の色
遮熱効果が高いのは白系ですが、人気の色は落ち着きのあるダーク系やグレー、黒などの暗色が多いです。
実用性で考えると遮熱効果が高い白系統の色が人気になってもよさそうなものですが、聞けば納得する選ばれない理由もあります。
それは白系は明るいがゆえに目立ってしまうことや、前述の通り汚れやすいという点。
周りの人の目を気にして落ち着きのある色を選ぶ人が多いため、明るい色よりも暗色系がよく選ばれています。
ですが、せっかく塗装するなら遮熱性が高い色を選びたいという方もいらっしゃるでしょう。
その場合は中間色とされるグレー系を選ぶのがおすすめです。
明るすぎず暗すぎず適度な遮熱効果もあります。
ライトグレーやライトブラウンも明るい色の中では選ばれることが多いので、塗装する色の候補として検討してみてください。
イメージと仕上がりの差に注意
塗装において、頭で思い描くイメージと実際の仕上がりには差が生まれることが多い理由を説明します。
希望の色を100%完璧に再現するのは難しい
色を選ぶとき、色見本などのサンプルを見ながら決めることが多いはずです。
塗ったあとの仕上がりは見本に近いものになると思っている方が多いですが、実際にはそうはいきません。
色の見本があるからといって仕上がりも見本通りの色になることはあまりないです。
見本通りにならない理由は、色の見え方や塗料の性質が関係しています。
そもそも色は光の当たり方や面積、周囲の色の反射、素材の質感などの影響を受けてその時々で見え方が変わるものです。
さらに、塗料も塗りたてと乾いたあとでは若干色味が変化します。
色はさまざまな影響を受けやすいのです。
イメージ通りの色に仕上がることに期待しすぎると少しがっかりする可能性があるので注意してください。
イメージと仕上がりの落差をなくすためにできることのひとつは、電気の明かりで色を見ないことです。
色見本などのサンプルを見るときは、太陽光の下で見る方が実際の仕上がりに近い感じで見られます。
色面積効果を考慮する
色は面積によって見え方が変化します。
色の面積が小さいと暗く見え、大きいと明るく見えるのです。
色を決めるときは小さい色見本を参考にして決めることがほとんどですから、選ぶ時点から面積効果を考慮する必要があります。
仕上がりとの差をなくすためにも、小さいサンプルだけでなく面積の大きいものに塗られたサンプルも確認しましょう。
屋根の色選びを失敗しないためにやっておきたいこと
この項目では、屋根の塗装でできるだけ納得のいく仕上がりにするためにできることをご紹介します。
カラーシミュレーションをする
カラーシミュレーションとは、自宅に似ているモデルを使い、屋根や外壁の色を変えたときの見た目や組み合わせを確認できるツールです。
主に業者やメーカーのサイトでツールが公開されており、無料で使えます。
いくつか色のサンプルがツール上で用意されており、色を選ぶと住宅モデルの屋根や外壁の色が変化。
どんな色にするかいろいろ試して考えたい場合や、外壁と屋根の色がマッチしているかを確認するために活用することが多いです。
シミュレーションで仮の完成形を確認しておくとよりイメージを掴みやすくなります。
ただこの方法には注意する点が。
それは、シミュレーション結果をそのまま塗装で再現できるわけではないことです。
色は光の加減や素材、天気などさまざまな影響を受けます。
ツールはあくまでも業者とのイメージ共有のために使われることがほとんどでしょう。
選んだ色に近い実物の屋根を見る
もし、自分の中でどの色にするかある程度イメージが固まっているなら、希望する色に近い屋根の住宅を探してみてください。
実際に建てられている住宅の屋根を参考にすることで、仕上がりがどんな感じになるのかを把握でき、イメージとの落差を少なくできます。
実際に塗装された屋根を見て創造と違うように感じたら、ほかの色に変えるという判断も可能です。
試し塗りしてもらい確認する
屋根材や板などに希望する色を実際に塗ってもらうことが試し塗りです。
実際に色を塗ってもらって目で確認し、必要であれば色の微調整をしてもらいます。
試し塗りをすることで、イメージする色と実際に仕上がった色との差ができにくくなります。
試し塗りをしてもらう場合は、ある程度まとまった量の塗料を使う必要があるため有料になる可能性が。
とはいえ実際の色のイメージを把握するには有用な手段ですので、試す価値は十分にあるといえるでしょう。
DIYと業者による屋根塗装の比較
屋根の塗装をDIYで行うことは不可能ではありません。
ですが、高所での作業になるため、落下などのリスクが高く安全上の観点から未経験の方にはおすすめできません。
また屋根の塗装はやり方によって塗装後の耐久力や見た目に差が出るため、素人が塗ると満足のいく仕上がりにならない可能性があります。
大抵の場合は、休日などの空き時間に作業を進めることになるはずですから、完成までにかなりの日数を要することを覚悟する必要があるでしょう。
失敗や手間、危険性を考えると、業者に依頼する方が無難ではないでしょうか。
費用面で比較した場合、DIYで必要な道具を一式そろえるとなるとかなりの金額になってしまいます。
中でも一番高額になるのが「足場代」です。
足場を組むのには資格がいるため、足場業者からレンタルして組み立ててもらう必要があります。
足場の費用は少なくとも十万円からです。
DIYで一番節約できる費用は人件費で、数十万円の節約が可能。
その代わり日数と仕上がりが犠牲になるため、仕上がりのよさと時間を優先するなら業者に頼った方が早いです。
業者に依頼する場合に意識したいこと
業者に依頼する場合は、自分がイメージしている色がどんなものかできるだけ具体的に説明する必要があります。
イメージの伝達が不十分なまま塗装が始まると、思っていた色と違う仕上がりになる可能性が高いです。
余計な失敗をしないためにも、業者とのイメージ共有に時間をかけるようにしましょう。
伝え方の例を挙げると、白や青、グレーという単語だけでは業者に色のイメージが十分に伝わりません。
白色ならどんな白なのかという部分を掘り下げて説明する必要があります。
たとえば赤っぽい白や黄色みがかった白、少し青みがあって明るさを抑えた白など具体的に説明するとイメージがよく伝わります。
うまく説明できない場合や業者との認識の差を埋めたい場合は、写真や色見本を持っていって見せるのも効果的。
業者と依頼者の間でイメージ共有が不足していると作業がやり直しになります。
お互いが認識している色に食い違いがないか、イメージのすり合わせは入念に行うようにしましょう。
まとめ
屋根の色を選ぶ際は日光の影響を受けにくく、色褪せにくい色にするのがおすすめです。
たとえば黄土色は日光の熱の影響を軽減し、色褪せもしにくい傾向があります。
また色を選ぶ際は自分の好みだけでなく、住宅環境との兼ね合いも考えてみましょう。
屋根の塗装はDIYでもできなくはないですが、出来栄えを重要視するのであれば業者に任せるほうが無難です。
依頼する際は色のイメージを具体的に説明し、業者と認識のすれ違いがないように時間をかけて話し合いをすることが大切です。
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