ハンドルマーク警告灯が点く意味は?乗り続けるリスクや対処法も解説

ハンドルマーク警告灯が点く意味は?乗り続けるリスクや対処法も解説

自動車の「インパネ」に「ハンドルマークの警告灯」が表示されたことはありませんか?
ランプが点灯することにどのような意味があるのか、放置するリスクや取るべき対処などについてまとめました。

ハンドルマークの警告灯とは?

車のインパネにはさまざまな警告灯が表示されます。
ハンドルマークもそのひとつですが、正式名称は「パワーステアリング警告灯」です。

ステアリングとはハンドルのことで、現在では電動の「パワーステアリング(以下パワステ)」が主流となりつつあります。
パワステが搭載されていなかった時代の車は、ハンドル操作が非常に重く切り返しもなかなかできませんでした。
パワステの登場によって現在のように楽な操舵ができるようになったのです。

パワーステアリング警告灯は、パワステになんらかの異常を検知したときに点灯します。
パワステには「電動モーター」や「センサー」などさまざまな部品が使用されていますが、それらに異常や不具合などが生じたときにハンドルのようなマークがインパネに表示されます。

自動車におけるハンドルは操作を司る非常に重要な部分であるため、異常を放置することは好ましくありません。
大きなトラブルに発展する可能性があるため、ランプを表示してドライバーに警告しています。

点灯する原因

電動パワステにはさまざまな部品が使用され、構造やシステムも複雑です。
そのため「どういった理由でランプが表示されるのか」という専門的な知識がなければ明確に断言することはできません。
確かなのは、パワステのシステムになんらかの異常が発生しているということです。

車種によっては、ランプの色でパワステの状態が区別されることもあります。
たとえば「黄色ならパワステによるサポート力が低下した状態」を示し「赤色なら完全に機能しなくなっている」といった具合です。

放置してしまうリスク

基本的な症状としてはパワステが効かなくなることがほとんどです。
パワステのサポート力が発揮されなくなり、いわゆる「重ステ」と呼ばれる状態になってしまいます。
では重ステの状態になることで、いったいどのようなリスクやデメリットが生じるのでしょうか。

操作性の低下

普段スムーズに車を操作して運転できるのはパワステのおかげといえます。
「右へ曲がりたいとき」「左折したいとき」「駐車場で切り返しをしたいとき」少ない力でスムーズに操作できるのは、パワステが機能しているからです。

パワステがなくなってしまうと操作性が著しく低下してしまいます。
たとえば何度も切り返しをしなくてはならない駐車場では、ハンドルが重すぎて曲がれなくなってしまうかもしれません。

走行中も今まで通りのタイミングで操作ができなくなる可能性があります。
「普段通りハンドルを切っても曲がってくれない」「進みたい方向へ進んでくれない」といったことが考えられるでしょう。

事故を起こす可能性

操作性が著しく低下してしまうため事故を起こしてしまう可能性があります。
ハンドルが重いせいで、曲がり切れずに中央分離帯や対向車に衝突してしまうかもしれません。

道路上でUターンしようとしたとき思った以上にハンドルが重くて時間がかかり、対向車と衝突してしまい命に関わる重大な事故につながる危険性もあります。

快適性が失われる

現代の自動車は、パワステのおかげで快適なドライブが可能です。
思い通りに運転できるのはパワステがあるからこそと言えるでしょう。

しかし、そのサポートを受けられないとなればとても快適なドライブなどできません。
曲がりたい方向へ曲がろうとするだけでも苦労してしまい、車を駐車するときも大変な労力を必要とします。

車検に通らない

もともとパワステが搭載されていない古い年式の車なら問題ありませんが、標準でパワステが搭載されている車は車検に通りません。
パワステが標準装備されている車は油圧式か電動式かにかかわらず、必ず動作しなければならないという保安基準が存在するためです。

「ハンドルが重くなるくらいで別に支障はないから受かるだろう」と思ってユーザー車検に持ち込み、不合格になるといったケースも少なくありません。
このようなケースでは、修理して再び車検を受けなくてはならないためまた費用がかかります。

修理費が高額になる可能性

早期に修理を行えば安く済むことが多いですが、症状が悪化してしまうとより高額な費用がかかるかもしれません。
電動パワステのシステムは複雑です。
不具合が1箇所だけに発生していたとしてもそのまま放置した場合、ほかの箇所も連鎖的に壊れてしまう可能性があります。

電動パワステの修理費

電動パワステの制御パーツは堅牢な作りのため壊れることは稀ですが、もし壊れてしまったら修理費は高額になってしまうケースが多いです。
とくにハンドル操作をアシストしている電動モーターは、パーツ代自体が高額なうえに修理内容も複雑なため、交換作業の工賃も高額になる傾向があります。

修理費用の目安としては以下の通りです。

  • 軽自動車
    作業料+部品代で10万円ほど
  • コンパクトカー
    作業料+部品代で12万円ほど
  • ミニバンミドルクラス
    作業料+部品代で15万円ほど

中古パーツやリビルド品を使う場合は、パーツ代を新品の6割から7割程度まで抑えられます。
技術代に関しては新品のパーツを使う場合と同じです。

点灯したらどうするべき?

ランプが点灯してもすぐに消えることがあります。
このようなケースでは少し様子を見たほうがよいでしょう。
なんらかの原因でセンサーが突発的に反応し、ランプが表示されただけかもしれません。

「ランプが表示されたまま消えず明らかに操作性が変わった」「違和感がある」といったケースでは、専門業者への相談が必要になります。

運転がしにくいと感じたのなら、安全なところへ車を停めたほうがよいかもしれません。
普段お世話になっている整備工場やロードサービスがあれば連絡し、車を引き取りに来てもらうと安心です。

とくに女性が高齢の方などは普段以上の力が必要となるため、重ステだとまともに運転ができないかもしれません。
友人や知人の男性に連絡して代わりに運転してもらうのもよいでしょう。

DIYでの修理はまずムリ

前述の通り、電動パワステは複雑な構造とシステムで成り立っています。
そのため車のカスタマイズが趣味の方でも、修理はほぼ不可能といえるでしょう。

高度に専門的な知識や技術を要する修理が必要であるため、素人にできることはありません。
無理に修理をしようとするとほかの部分を壊してしまう恐れもあります。
慣れない作業でけがをしてしまう恐れもあるため、DIYで何とかしようとは考えず素直に専門業者へ相談することをおすすめします。

修理や相談のできる業者

車の修理を請け負ってくれる業者なら、電動パワステの不具合に対応できることがほとんどです。
ここでは、こうしたケースにおける相談先や修理依頼先をいくつかピックアップしました。

ガソリンスタンド

給油でおなじみのガソリンスタンドには、整備士の資格をもつスタッフが在籍している店舗もあります。
このようなガソリンスタンドなら対応が可能かもしれません。

ただ電動パワステのシステムが故障した場合、パーツを交換しなければならないことがほとんどです。
そうしたパーツを常備しているスタンドは少ないので、すぐに修理してもらえないかもしれません。
応急処置や不具合の確認といった程度のことしかできないこともあります。

ディーラー

ディーラーから新車で購入したのであれば、ディーラーへの相談は有力な選択肢のひとつです。
ディーラーの営業所には整備工場が併設されていることも多いため、すぐにでも修理ができる可能性があります。

担当者が車を引き取りに来てくれるかもしれません。
こうしたサービスが充実しているのはディーラーの魅力です。
修理が完了するまで代車を貸してくれるケースもあります。

一方一般的な整備工場などに比べると、修理費用が高くつきやすいのはディーラーのデメリットといえるでしょう。
そのため費用面が気になる方にはおすすめできません。

整備工場

さまざまな車の車検や修理などに対応している整備工場なら、電動パワステの不具合にも対応してもらえることがほとんどです。
ディーラーのように車の引き取りや、代車の貸し出しなどをしているところも。

整備工場は修理が専門なので技術水準は高いですが、工場によって修理の質にバラつきがある点には注意が必要です。
事前に電話で問い合わせるなどサービスの内容を確認しておくとよいでしょう。

点灯したら早めに相談を

パワーステアリング警告灯が点灯した場合、個人でできることはほとんどありません。
早めに専門業者へ相談しましょう。

システムが故障していて修理が必要となったときは、まず見積もりをしてもらいましょう。
見積もりをしてもらわないことには修理にいくらかかるかわかりません。

また、見積もりはひとつの業者だけでなく複数社でとることが基本です。
同じ内容の修理であってもトータルでの費用は業者によって大きく変わるからです。

「A社では10万円で修理可能なのにB社では20万円かかる」といったケースもあります。
「お金よりも信頼できるところで修理をしてもらいたい」と考えるのなら話は変わりますが、なるべく安くあげたいのなら複数社から見積もりをとるのがおすすめです。

まずは相談して実際に車の状態をチェックしてもらいましょう。

まとめ

ハンドルマークやパワーステアリング警告灯が点灯したのなら、パワステ機構になんらかの不具合が発生している可能性があります。
走行はできますが、操作性や快適性に著しい影響を及ぼすことがあるため注意してください。

ランプが点灯していたり、いわゆる重ステ状態になった状態で運転を続けるのは危険です。
なるべく早めに業者へ相談しましょう。

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