
車のインパネに表示される「エアバッグ警告灯」。
文字通りエアバッグに関する警告灯ですが「どのような意味があるのか」「点灯時どのような行動をとればいいのか」わからない方も多いでしょう。
本記事ではその疑問を解決するため、エアバッグ警告灯が点灯する仕組みなどについて詳しく解説します。
エアバッグ警告灯とは
自動車に装備されているエアバッグは、ドライバーやナビシートに座る同乗者を守るために存在します。
車が正面衝突のような事故を起こした場合、ハンドルやダッシュボードに頭をぶつけてしまい重症を負ったり死亡してしまうこともあります。
エアバッグはこのような事故が発生したときに膨らむ風船のようなもので、ドライバーや同乗者の衝撃をやわらげるために搭載。
なお初めて登場したのは1974年のアメリカで、GM車が自社の車に搭載し話題となりました。
「エアバッグ警告灯」は、インパネに表示される警告灯の一種です。
車のインパネには、空気圧警告灯やエンジン警告灯などさまざまなランプが点灯するよう設計。
その中にはもちろんエアバッグに関する警告灯も含まれます。
今や車のエアバッグは、ドライバーや同乗者を守るための大切な装備として認識されています。
重要なシステムと位置付けられているため、何かしらの異常を検知したときランプを点灯させてドライバーへ知らせているのです。
ランプが点く原因
現在ではさまざまな車種にエアバッグが搭載され、ランプ点灯のシステムも採用されています。
ただ頻繁に点灯するものではないため、点いているのを見たことがない方も多いのではないでしょうか。
ここではまず何が原因で点灯するのかを見ていきましょう。
電気系統の不具合
車に使用されているパーツの中には電気を動力として稼働するものが多々あります。
そのためエンジンルームにはバッテリーが設置され、電気系統を伝ってさまざまなところへ電気を運んでいるのです。
エアバッグも電気信号が送られることで作動。
そのため電気系統になんらかの不具合が生じ、エアバッグに影響を与えてしまうときに警告灯が点灯することがあります。
「電気配線が断線している」「コネクターが故障している」など原因はさまざまなことが考えられるでしょう。
場合によっては車の頭脳でもあるコンピューターが異常をきたしているのかもしれません。
センサーの不具合
エアバッグは衝突したときの衝撃をセンサーが検知することで作動します。
この「サテライトセンサー」に不具合が生じてしまうと、衝撃を検知できず作動しなくなるため警告を発することがあるのです。
サテライトセンサーは、衝突が起きたとき0.003秒ほどで衝撃を検知。
非常に精密なパーツであるため「些細なことで不具合が生じる」「故障する」といったことは十分考えられるでしょう。
バッテリー容量が足りない
電力を必要とするパーツのために電気を貯蔵し充電しているのが「バッテリー」です。
バッテリー上がりは車のトラブルの中でもメジャーな部類に入るため、多くの方がご存知でしょう。
エアバッグの作動にもバッテリーは大きく関わっています。
上述のサテライトセンサーはもちろん、バッグが開くシステムも電力がないことには成り立ちません。
そのためバッテリー容量が不足してしまうと、正常な作動ができなくなり結果としてランプが表示されることも。
容量不足になる原因は多々挙げられますが、電力を消費するカー用品の過剰装備やバッテリーの劣化などが代表的です。
プリテンショナーの不具合
車のシートベルトを一気に強い力で引っ張るとしばしば固定されることがあります。
強い衝撃によりベルトが伸びようとしたとき、固定して動かなくさせるのが「プリテンショナー」の役割。
プリテンショナーがあるおかげで、正面衝突のような事故が起きてもドライバーの体はシートに固定されます。
衝突時にベルトが伸びてしまうと体がハンドルにぶつかったり、フロントガラスを突き破って外に投げ出されたりしてしまうのです。
車のエアバッグは、あくまでシートベルトの働きを補助する「補助拘束装置」と位置付けられています。
シートベルトのプリテンショナーがきちんと作動しないとエアバッグの効果も薄れてしまうため、不具合が起きたときにエアバッグランプが表示されるのです。
放置してしまうリスク
ランプが表示されているにもかかわらずそのまま放置して乗り続けると、いったいどうなってしまうのでしょうか。
点検や修理を行わず乗り続けた場合は下記のようなリスクが生じる恐れがあります。
事故時に正しく作動しない
ドライバーや同乗者の身を衝撃から守ってくれるシステムですが、それはあくまで正常に作動した場合の話です。
もしなんらかの不具合が発生して正常な作動ができない状態になっていると、事故に遭ったときダイレクトにダメージを受けてしまう恐れが。
とくに「ハイスピードで前方を走る車に衝突した」「標識や電柱などにぶつかった」などのケースでは命に関わるかもしれません。
シートベルトをしていても体が大きく前方に動いてしまい、ハンドルやガラスに頭をぶつけてしまう可能性も。
あくまで万が一のために搭載されているシステムですが、それがいつ訪れるかは誰にもわかりません。
「ある日突然大きな事故に巻き込まれる」といったことは十分考えられます。
警告を無視したばかりにシステムが作動せず、大ケガを負ってしまうと後悔してもしきれないでしょう。
車検に通らない
安全に車を利用するため所有者には「車検」が義務付けられています。
車検を受けずに公道を走行させるのは違法であり、道路運送車両法違反に問われる恐れも。
車検に通らない理由はさまざまなことが考えられますが、エアバッグのランプ表示は確実に問題視されます。
重要なシステムに警告を促すものであるため、これが点灯したままの状態ではまず間違いなく車検には受からないでしょう。
逆に点灯しないのも問題です。
車検では電源をオンにしたとき、エンジンを始動させたときのタイミングでチェックが行われます。
このときランプがまったく点灯しない場合も、なんらかの不具合があると判断され車検には通りません。
修理代が高額になる可能性
ランプが点灯するのは何かしらシステムに不具合が生じているからです。
それを無視して走行を続けてしまうと、システムに関連するさまざまなパーツに悪影響を及ぼす可能性も。
場合によっては初期症状の段階では数万円で済んだはずの修理代が、無理に乗り続けた結果十数万円に跳ね上がってしまうことも考えられます。
症状が悪化したあとではどうしても修理代が高くなりがちです。
初期症状のうちに修理を行うことで修理代を大きく抑えられるかもしれません。
業者に相談すること
エアバッグが作動するシステムは複雑であるため、何の知識や技術も持たない素人がどうこうできるものではありません。
そのためランプが点灯しているのを確認したのなら、できるだけ早い段階で専門業者へ相談することをおすすめします。
業者へ相談もせず無視して乗り続けてしまうと、ここで紹介したようなとんでもない目に遭ってしまうかもしれません。
自分はもちろん大切な家族や友人、恋人を傷つけることとなる可能性も。
なるべく早めに相談することを心がけましょう。
エアバッグの修理費用は?
一般的には10万~30万円程度といわれていますが、これは実際にエアバッグが開いたときにかかる費用です。
車種によって金額が変わることも覚えておきましょう。
ランプが点灯するケースにおける修理費用ですが、原因によって金額が大きく変化。
ただエアバッグのシステムにはさまざまな高額部品が使用されているため、修理費用が高くなりやすいのは事実です。
場合によってはいくつものパーツを交換する必要性もあり、思いのほか高額な修理代を請求されてしまうこともあります。
業者の選び方
車の修理や整備、カスタマイズなどを行っている専門業者ならエアバッグ警告灯に関する修理も請け負ってもらえます。
ここでは、業者を選ぶときのポイントをいくつかまとめました。
営業期間
長く営業している業者ならそれに伴う知識量やノウハウ、技術力が期待できます。
難しい修理であっても対応してもらえると考えられるため、ひとつの基準として営業している期間をチェックしてみましょう。
業者のサイトや公式サイトに、設立日や創業日などが記載されているはずです。
会社概要について記載されているページを確認してください。
症状を丁寧に説明してくれる
車のシステムは素人にはわかりづらいものです。
とくにエアバッグのような複雑すぎるシステムは、説明されてもなかなか理解できません。
そのため業者によってはクライアントへの説明が疎かになってしまうケースも。
これでは愛車が今現在どのような状態なのか、どのような修理を行うのかもわからず不安になってしまうでしょう。
素人のクライアントにもわかりやすく丁寧に説明してくれるような業者なら、安心して依頼できるのではないでしょうか。
相見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取り、金額や修理内容などを比較する方法が「相見積もり」。
引越しやリフォームなどさまざまなシーンで活用されており、相場や適正価格を知るのにベストな方法といえます。
業者によって修理にかかる費用は大きく異なります。
会社の規模や抱える従業員の数、部品の調達費用などによって上下してしまうのです。
相見積もりを取れば提出してもらった見積書の金額を比較しながら選べるため、費用を抑えることにもつながります。
高額な修理代をむしり取ろうとする悪質な業者に騙されるリスクも回避できるでしょう。
できれば3社ほどから見積もりを取ることをおすすめします。
まとめ
エアバッグ警告灯が点灯するのは「電気系統やセンサーなどによる異常」「プリテンショナーの不具合」「バッテリー容量不足」などが主な原因です。
これを放置してしまうといざ事故に遭ったときエアバッグが作動せず、命に関わる恐れもあります。
車検にも通らないため、警告灯が点灯したのならできるだけ早いタイミングで専門業者に相談してください。

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