荷物を積みすぎるとよくない?車重と燃費の関係を詳しく解説

荷物を積みすぎるとよくない?車重と燃費の関係を詳しく解説

今回は「車の燃費を上げたい方」に向けて「車重と燃費の関係性」について詳しく解説します。
また「バネ下を軽量化する方法」や「燃費向上につながる運転方法」などもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

燃費に影響が出るのは何kgから?

車が重くなればなるほど車の燃費が悪化するということは、車好きな人なら誰でも知っていることだと思われます。
では、具体的に何kg程度の重さが加わると燃費に影響を及ぼすのでしょうか。
まずは、車重と燃費の関係性について見ていきましょう。

プラス50kg程度までは大差なし

車重が車の燃費に関係しているとはいっても、50kg程度までの増加であればそこまで心配することはありません。
もちろん多少なりとも影響はしますが、普通に車を運転している分には50kg程度までの増加で燃費悪化を実感することはまずないでしょう。

自動車情報誌「ベストカー」Web編集部が2.4Lの「エスティマ」を使って行った実験によると、1人乗車時の燃費が1Lあたり7.6kmでした。
それに対し2人乗車時(プラス62kg)の燃費は1Lあたり7.5kmと、大きな差は出ないことが確かめられました。

出典:エスティマで実証実験!燃費を気にしたきゃ数値より荷物を下せ!!

ただしわずかですが0.1kmの差は生じているため、気になる人は車重を減らす努力をするとよいかもしれません。

プラス110kgで影響が出始める

「ECCJ(一般財団法人省エネルギーセンター)」が2Lのセダンを使って行った実験。
車重が110kg増加すると一般道で3.4%、高速道路で3.3%、郊外で5.4%燃費は悪化することがわかりました。

出典:ECC省エネルギーセンター

この実験結果から「55kgの人が2人乗車しただけで燃費に影響する」とわかります。
ただし、この実験では車に積んでいる荷物の重さなどは考慮していないため、荷物を積んだ車ではさらなる燃費悪化が予想されます。

また、車重が270kg増加した際は一般道で8.3%、高速道路で6.2%、郊外で10.6%と著しく燃費が悪化することもわかりました。
ここまで大きく差が出ると「大人数を乗せる車の場合」や「荷物量や運転の仕方」まで気にする必要がありそうです。

車重の軽量化で得られる4つのメリット

車重を軽くすることでさまざまなメリットが期待できます。
ここでは、車重の軽量化によって得られる主なメリットを4つご紹介します。

1.燃費がよくなる

車重を軽くすることで得られる最大のメリットは、先述した通り燃費が向上することです。
重たい荷物を持ちながら歩くよりも身軽なほうが長い距離を歩けるのと同じように、車も重たい荷物を積まないほうがより長く走れます。

車重が重いと走行以外にも余分なエネルギーを使ってしまい、車重が軽いときと比べて短い距離しか走行できません。
さらに、多く燃料を使うため燃費の悪い車になってしまいます。
そのため車重を軽量化することは、燃費向上に大きな効果があるといえます。

2.性能が向上する

車重を軽量化することで車自体の性能を大きく向上できます。
車重が軽くなればその分のエネルギーをほかの機能に効率的に伝えられるため、ブレーキの効きや加速がよくなります。
また直進からの移行時に重要な旋回性能や、運転のしやすさに影響するハンドリング性能も向上。

旋回性能やハンドリング性能が向上することで、コーナリングがスムーズになりハンドルの入力能力も上がります。
このように車重の軽量化は、車を速く走らせる以外にもさまざまな性能に影響します。

3.パーツが長持ちする

車重の軽量化には燃費や性能を向上させるだけでなく、バネ下パーツを長持ちさせる効果もあります。
「バネ下」とは主にブレーキやタイヤ、ホイールのこと。

転がってくるボールを受け止めるとき、そのボールが重たければ受け止めるために大きな力がかかります。
逆にボールが軽ければ小さな力で受け止めることが可能。
これと同様に車も重たければ重たいほど止まるときに力が必要となり、その力が大きいほどバネ下パーツの消耗も早くなります。

車を軽量化してパーツの消耗を抑えられれば、修理や交換などの頻度が減りコストパフォーマンス向上につながります。

4.衝突安全性が高まる

車重が軽いと衝突時に受ける衝撃力は減少します。
自損事故や単独の衝突など、対車ではない事故では車重は軽いほうが圧倒的に安全です。

これは運動エネルギーの法則によるもの。
壁やガードレールなどの固定されたものに動いているもの(車)がぶつかった場合、後者の重量がそのまま跳ね返ってくることに由来します。
ただし、これはあくまでも固定されたものにぶつかった場合。

対車での事故や正面衝突事故など、動いているもの同士がぶつかった場合は重量の大きいほうが安全性は高まります。
そういう意味では、車重の軽量化は対車事故における安全性を損ねるデメリットも持ち合わせています。

燃費をよくするには運転方法も重要

燃費向上には、車重軽量化とあわせて運転方法の見直しも重要です。
では、具体的にどのような運転をすれば燃費向上につながるのでしょうか。
ここでは燃費をよくする運転のコツをご紹介します。

急な動きは極力しない

「急発進」「急加速」「急ブレーキ」など、急な動きをするときに車は大きなエネルギーを使います。
この3つの動きを頻繁に行っていると、燃費が悪化する原因になるので緊急時を除いて極力しないように心がけましょう。

アクセルは適度に踏む

急な動きがよくないからといってゆっくりすぎる運転も燃費の悪化を招きます。
アクセルを適度に踏みながら、大体50~60km/h程度を維持するようにしてください。
またアクセルのベタ踏みはエンジンの回転数を上げてしまうため、坂道などトルクが必要な場面以外では控えましょう。

速度を出しすぎない

高速道路などでは80km/h以上の速度で走行することを義務付けられていますが、ここであまり速度を出しすぎると空気抵抗を受けてしまい燃費が悪くなります。
燃費を気にするなら、大体80~90km/hの間で走行するようにしてください。

ガソリンの量に気をつける

燃費を抑えるにはガソリンの量にも気をつける必要があります。
ガソリンを給油する際つい満タンにしたくなりますが、ガソリンを満タンにすると車が重たくなるという点には要注意。

先述した通り車が重たくなると燃費の悪化につながります。
よって燃費を気にする場合は、こまめに少しずつ給油するのがおすすめです。

タイヤの空気圧を適度に高める

タイヤ空気圧の低下で「転がり抵抗」が起こり、エネルギーを無駄に消費してしまいます。
そうなる前に、タイヤの空気圧をこまめに点検し適度に高めておくことが大切です。
タイヤの空気圧点検は、ガソリンスタンドなどに行けば無料で行ってくれるためぜひ試してみてください。

車重を軽くするためにできること

車重を軽くすることで得られるメリットがわかったところで、次は軽量化のためにできることを紹介します。

不要な荷物を降ろす

今すぐにでもできるのが、不要な荷物を車から降ろすことです。
車のトランクを物置代わりに使っている人は意外と多いのではないでしょうか。
とくにスポーツをされている人は、ゴルフ用品や野球道具などが車に積みっぱなしにならないよう注意しましょう。

また洗車グッズやアウトドア用のイス、机なども車重を増やす原因になるため積み込んだままにしないでください。
トランクはいつも空にしておき、買い物した荷物を置けるようにするのがベストです。

バネ下重量を見直す

「バネ下1kgの軽量化は、車体を10kg軽量化するのと同等の効果がある」という言葉をご存知でしょうか。
この数値は実際に証明されたものではありませんが、バネ下の軽量化にはそれくらい大きな効果があるという意味で使われています。

実際にバネ下の軽量化によるパフォーマンス向上は実証されており、多くのメーカーが軽量化に取り組んでいます。
バネ下の軽量化でいちばん効果的なのが、ホイールとタイヤの交換です。
今より軽いものに取り換えれば簡単に軽量化することが可能です。

バネ下重量の軽量化にはデメリットも

メリットばかりのように感じられるバネ下重量の軽量化ですが、実はデメリットもあります。
それは軽量化しすぎることによって「サスペンション」のバランスが崩れてしまうという問題。

サスペンションは本来、バネ下の重さを想定して設計されています。
そのため、バネ下重量がサスペンションの想定している重さより軽くなりすぎるとバランスが崩れて乗り心地に影響。

またホイールやタイヤが軽すぎると、道路から受ける衝撃を吸収しきれず車体の振動がそのままドライバーに伝わってしまう点も、デメリットといえます。

燃費や性能を考えるとバネ下重量の軽量化はメリットが大きいですが、乗り心地を優先する場合には必ずしもよいことばかりではありません。
その点を踏まえて軽量化すべきかどうか検討しましょう。

自分では難しいと思ったら専門業者に相談する

ホイールやタイヤの交換は自分でもできないことはありません。
ただ工具の扱いに慣れていない場合、ケガをしたり時間がかかったりすること恐れも。
自分で交換する自信がない方は専門業者に相談することをおすすめします。

タイヤ交換を行っている業者は「カーディーラー」「タイヤ専門店」「カー用品店」「ガソリンスタンド」「自動車整備工場」などさまざまで、それぞれ特徴や費用も異なります。
中には持ち込みタイヤ不可の業者もいるため、事前によく調べてから依頼しましょう。

まとめ

今回は車重と燃費の関係について詳しく解説しました。
車の重さが走行に関係することはわかっていても、荷物や人の重さが燃費に関係していることまでは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。

下バネ重量の見直しはすぐにはできませんが、積んでいる荷物を減らすことは今すぐにでもできます。
車の走りが遅くなったと感じている人は、一度トランク内を確認し無駄なものを載せていないかチェックしてみてください。

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