
車検に通らない車にはそれなりの理由があるのです。
そこで、今回は車検に落ちてしまう原因を紹介します。
車検を落とさないためにできることや落ちたときの対処法もあわせて解説しますので、1回でのクリアを目指しましょう。
車検に通らない車によくある特徴
実際のところどのような車が車検に通らないのでしょうか。
さまざまなケースが考えられますが、ここでは車検に通らない車の主な特徴を紹介します。
ライト類の不具合
車にはヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなどさまざまなライトが装備されています。
「暗い道を照らす」「ブレーキを踏んだことを後続車に伝える」など、重要な役割を担っているためこれに不具合があると車検に通りません。
具体的には動作不良を起こしているケースが挙げられます。
スイッチを操作しても点灯しない場合、車検には通りません。
また「ヘッドライトがひび割れている」「くすんでいる」などの状態でも落ちてしまうことが多いです。
ひび割れやくすみがあると十分な光量を確保できません。
安全性を脅かす恐れもあるため、指摘されてしまいます。
オイル漏れ
エンジンオイルやブレーキフルード、ミッションオイルなど車にはさまざまなオイルが使用されていますが、これらが漏れているとまず受かりません。
車の故障を招くだけでなく、自身や周囲の安全性を脅かしてしまうからです。
たとえばエンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や冷却のために必要です。
これに漏れが生じてしまうとオイル量の不足により、エンジンを十分に冷却できません。
結果オーバーヒートを引き起こし、焼き付いてしまうリスクもあります。
ブレーキフルードの漏れも同様に重大な事故につながる恐れがあるため、まず間違いなく指摘されるでしょう。
タイヤの摩耗
エンジンの動力を路面に伝えるタイヤは、ゴムを主な素材としています。
走行すればするほどすり減り徐々に本来のグリップ力を失っていくため、車検では厳しくチェックされます。
具体的には残りの溝が1.6mm以下だと車検に通りません。
スリップサインが露出している場合、1.6mm以下になっている可能性があるため要注意。
溝の深さが少なくなるとグリップ力が低下するだけでなく、雨天走行時のリスクも高まります。
排水性能が低下し「ハイドロプレーニング現象」を引き起こす恐れがあります。
マフラーに穴が開いている
車体下部に装備されているマフラーは、排気のために必要なパーツです。
車体下部にあることから路面のギャップなどで衝撃を受けやすく、穴が開いてしまうことも。
とくにマフラーがサビている場合は、穴の開くリスクがより顕著です。
穴が開くと排気音も大きくなり、近接排気騒音の基準を超えてしまうことがあります。
また「近接排気騒音」の基準値をクリアしていても、排ガス濃度が原因で落ちることもあるため注意しましょう。
マフラーの穴は修理できるケースも多いため、まずは修理を検討してみましょう。
修理がムリならマフラーだけ交換することも1つの手です。
ホーンの不具合
「ホーン」とは、クラクションのことです。
警告音を発するための装置で、基本的にどんな車種にもデフォルトで搭載されています。
ホーンも安全に関わる装置のため、不具合が生じていると車検に通りません。
「スイッチを押しても鳴らない」「音が小さすぎる」といったケースでは、高い確率で落とされます。
不具合が生じる理由として考えられるのは、電気配線の断線やヒューズ切れなどが挙げられます。
車検を受ける前にホーンの不具合が確認できているのなら、修理を済ませておきましょう。
またホーン音が規定の基準値より高いケースや、音色が変化する社外品に交換している場合なども車検に落ちてしまうため注意してください。
ガラスへのステッカー・フィルム
後部座席サイドやリアガラスにスモークフィルムを貼るならまだしも、運転席や助手席サイドに貼るのは違反です。
かなり薄いフィルムなら問題ないケースもありますが、70%以上の透過率を確保できていなくてはなりません。
またステッカーチューンの一環としてフロントガラスにステッカーを貼る方も多いですが、これもNGです。
ドライバーの視界を妨げると判断され車検に通りません。
これらの問題を指摘されたときは、該当箇所のフィルムやステッカーを剥がせばクリアできます。
1回でクリアを目指すのなら、持ち込む前に剥がしておきましょう。
車高が低い
最近では少なくなりましたが、かつては「シャコタン」と呼ばれる極端に車高を下げたカスタムカーが流行していました。
現在でもサーキットや峠などを走るスポーツカーは、重心を下げてコーナリング時の安定を図るため車高を落とすことがあります。
車高はタイヤ接地面からエアロ、バンパーなどの下端まで9cmの距離がなくてはなりません。
これ以下になってしまうと車検に通らないため注意が必要です。
車高調で車高を調整しているのなら、検査を受ける前に高くしておけば問題ありません。
車高調搭載車ならセルフで車高を変えられます。
またこちらも近年では稀なケースですが、スプリングをカットして車高を下げる人も。
この場合は、最低地上高9cmをクリアできていれば通してもらえることが多いです。
ただ、検査官によって対応は変わることがあるため注意しましょう。
その他、違法な改造
上記でご紹介したこと以外にも検査官に「違法改造」と判断されると、車検に通してもらえません。
たとえば、フェンダーからタイヤのサイドがはみ出ているようなカスタマイズは違法改造です。
また歩行者に被害を及ぼすと考えられるパーツの取り付けも、違法改造と見なされることが多いため注意しましょう。
人にぶつかったときケガを負わせてしまうような尖ったパーツや保安基準を満たさない大きなエアロ、ウイングなども指摘される可能性が高いです。
車検に落ちないためには?
できることなら車検には1回で受かりたいものです。
スムーズにクリアできるよう、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
日ごろから点検をする
整備不良で不合格となってしまうケースもあります。
日ごろからこまめな点検やメンテナンスを行っていれば、整備不良になることは少ないでしょう。
エンジンオイルやブレーキフルード、冷却水は十分な量が維持されているか、タイヤの摩耗具合や空気圧はどうかといったことを点検してください。
必要なものをきちんと揃える
車検を受ける際にはさまざまな書類が必要です。
業者に依頼する場合「車検証」のほか「自動車損害賠償責任保険証明書」「自動車税納税証明書」「認印」などを用意しておきましょう。
ユーザー車検で持ち込むのなら、さらに必要書類が増えるため注意を要します。
「ユーザー車検」の場合は、上記の書類とは別に「自動車検査票」「自動車重量税納付書」「継続検査申請書」「定期点検整備記録簿」などを揃えなくてはなりません。
書類の不備があるとそもそも検査を受けられません。
とくにユーザー車検の場合は、必要書類を漏れなく揃えておきましょう。
車検に落ちたときの対処法
どんなにしっかり準備したつもりでも落ちてしまうことはあります。
では、このようなときはどう対処すればよいのでしょうか。
いくつか対処法をご紹介します。
あらためて車検を受け直す
当日なら、指摘された箇所を改善して再検査が受けられます。
最大3回まで受けられるため、指摘箇所をすぐに改善できるのならなるべくその日のうちに再検査を受けましょう。
当日3回までの再検査なら別途費用はかかりません。
3回すべて落ちたとなると、別の日にあらためて検査を受ける必要があります。
このケースでは、また一から申請を行い手数料も支払わなくてはなりません。
売却や廃車を検討する
年式の古い車やコンディションが著しく悪い車両の場合、なかなか車検に受からないことも考えられます。
メンテナンス費用や修理費用などが高くつく恐れもあるため、何度も車検に落ちるのなら売却や廃車も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
中古車買い取りを専門に行っている業者もいるため、まずは査定を受けてみましょう。
なるべく高く売ることを考えたら、複数の業者に査定をしてもらうことがおすすめです。
複数社で査定をしてもらい、もっとも高値をつけてくれたところへ売却しましょう。
インターネット上には、無料で複数の業者へ一括査定を依頼できるサイトもあります。
このようなサービスを利用するのもよいかもしれません。
車検に通らない車はリスクが多い
車のシステムやパーツなどに不具合が生じているケースでは、違反切符を切られてしまう恐れがあります。
違反点数が加算され、罰金の納付義務も生じるため注意しましょう。
もっと恐ろしいのは事故を起こしてしまうリスク。
たとえばタイヤやブレーキなどの足回りに不具合が生じていると、事故に直結する恐れもあります。
車検に通らない車はそもそもリスクが高すぎるため、日常的に使用するのはおすすめできません。
日ごろからきちんとメンテナンスを行い、安全に走行できる状態をキープすることが大切です。
業者に依頼すれば安心
車検前の点検から整備まですべて専門業者に任せれば安心です。
タイヤやオイル、冷却水などならセルフでもチェック可能ですが、それ以外の点検はプロに任せましょう。
専門業者に車検込み一式で依頼すれば、不具合を事前に改善したうえで検査ラインを通してもらえます。
業者へ車検を依頼するときの注意点ですが、依頼先によって費用が大きく変わります。
ディーラー車検とガソリンスタンドでは数万円の差が生じることも。
費用面が気になるなら、事前に最終的な費用の目安を確認しておきましょう。
詳細な見積もりを取っておけば安心できるかもしれません。
まとめ
車検に通らない状態で車を運転することには、さまざまなリスクがつきまといます。
愛車や自身の安全を確保するためにも常に車検に受かる状態を維持しましょう。
今回紹介したように、車検が通らないことにはそれなりの理由があります。
どのような車が車検に通らないのかを把握することで、事前に改善しやすくなるでしょう。

日本最大級の修理店情報サイト「最安修理ドットコム」に掲載しませんか?
最安修理ドットコムには以下の強みがあります!
- 掲載店舗数約2万店舗
- 修理サポート記事1,600本
- クチコミ数23万件超え
iPhoneをはじめとしたスマホやパソコン、車や時計、鍵や水まわり等あらゆる修理店情報を掲載しています。
掲載ご希望の修理店様はまずはお気軽にお問い合わせください。