賃貸住宅で水漏れが起こった場合、基本的には管理会社や大家さんが対処をしてくれます。賃貸物件の所有者は管理会社や大家さんなので、勝手に修理するのは控えましょう。
自然故障か、明らかな過失かによってどちらが責任を負うかが変わるため、どのような原因で修理が必要になったのかを明らかにしてください。
簡単な修理なら1万円程度で済みますが、便座本体を交換する場合は30万円近くかかることもあります。トイレの故障はできるだけ放置しないようにしましょう。
今回は、賃貸住宅のトイレで水漏れした場合の対処法や、修理費用を解説するので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
賃貸のトイレが水漏れしたときにまずすべきこと
まず、トイレが水漏れしたときにすぐするべき行動を紹介します。
水漏れの被害やトラブルを防ぐためにも、ひとつずつ冷静に行いましょう。
賃貸のトイレが水漏れしたときにまずすべきこと
1.止水栓を閉める
トイレから水漏れしたときは、最初に止水栓を閉めましょう。
止水栓とは、便器への水の供給を調節する栓のことです。止水栓を閉めれば当面の水漏れは防げます。
トイレの止水栓は、壁や床の給水管と接続する部分に設置されています。マイナスドライバーやレンチを使って右に回すと、簡単に閉められます。
止水栓が見当たらないときや、固くて回らないときは、水道の元栓を閉めてください。無理に回すと、配管を壊してしまう恐れがあるので注意しましょう。
2.水漏れした床を拭き取る
止水栓を閉めたら、水漏れした床をタオルや雑巾で拭き取りましょう。
床が濡れたままだと、どこから水漏れしているのか確認しづらくなってしまいます。
床へのダメージや、水漏れ被害が階下まで広がることを防ぐためにも、すぐ拭き取ることが大切です。
床を拭いたあとは、乾いたタオルや雑巾を敷き詰め、トイレの窓を開けて湿気がたまらないようにするとよいでしょう。
3.水漏れ箇所と原因を確認する
応急処置が終わったら、水漏れ箇所と原因を確認しましょう。水漏れが起きやすい箇所と原因は下記の通りです。
トイレの水漏れ箇所 | 原因 |
---|---|
トイレタンク | ボールタップ・フロートバルブの不具合 |
止水栓 | パッキンの劣化やナットの緩み |
便器と床の間 | 便器のひび割れ・破損 パッキン(フランジパテ)の劣化 |
ウォシュレット | ウォシュレットや接続部の故障 ノズルの目詰まり |
水漏れの箇所がわかっていると、管理会社や修理業者にも正確に情報を伝えられます。
また、修理の緊急性を判断するためにも、できる範囲で原因を特定しておきましょう。
4.管理会社に連絡する
水漏れが発生したときは、できるだけ迅速に管理会社または大家さんに連絡することが重要です。
管理会社によっては修理業者と提携している場合があり、迅速に修理してもらえることもあります。
管理会社や大家さんに連絡するときは、以下の事項をなるべく詳細に伝えましょう。
- 水漏れが発生した日時
- 水漏れの原因と症状
- 現在の状況
水漏れ箇所や原因、いつから水漏れをしているかなどを簡単に答えられれば、やり取りもスムーズに進みます。
5.賃貸契約書を確認する
応急処置が済んで状況が落ち着いたら、冷静に賃貸契約書を確認しましょう。
賃貸契約書には、トイレなどの設備故障に関する取り決めが記載されています。
修理業者への連絡・修理費用の負担などは、基本的に管理会社が負担する場合がほとんどです。
しかし、中には特約により設備の修繕は借主が負担すべきと記載されている場合があるので、忘れずに確認しましょう。
取り決めに従わず、自己判断で修理などを行った場合、損害賠償請求をされる場合があります。
賃貸でトイレが水漏れしたらどこに連絡する?
賃貸物件のトイレが水漏れしてしまうと、「どこに連絡すればいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
すぐに修理業者を呼びたくなることもあるかと思いますが、その前に連絡する順序を確認しましょう。
賃貸のトイレが水漏れしたときの連絡先
管理会社や大家さんへすぐに報告する
賃貸契約書を確認し、自分で修理可能な範囲で無ければ、管理会社・大家さんへ連絡をしましょう。
賃貸の場合、トイレのような物件の設備は基本的に管理会社や大家さんが修理しないといけません。
連絡する際は、水漏れの被害状況をすぐに答えられるようにしておきましょう。
その後の対応は契約内容や貸主側の判断によっても異なりますが、自然故障であれば多くの場合で修理業者を手配してもらえます。
管理会社や大家さんへの連絡先は、契約書類に記載されています。日頃から確認しておくようにしましょう。
加入しているサポートサービスに相談する
賃貸物件と同時に24時間対応のサポートサービスなどへ加入していた場合、こういったサービスも利用できます。
24時間対応サービスだと、深夜や早朝といった管理会社に連絡できない時間でも水漏れ修理をしてもらえます。
ただし、物件と同時に契約したサービスでは、修理費用や細かなサポート内容を比較して選べません。
また、そもそもサポートサービス自体に加入していないという場合も多く、利用できるケースは限られています。
サポートサービスを利用したいときは、まず加入状況を確認し、他社と費用やサービス内容を比較して納得したら連絡しましょう。
緊急時には自分で業者に修理依頼する
水漏れの程度によっては、緊急に修理しないと被害が拡大してしまうケースがあります。
管理会社の対応を待てないほどの緊急時は、自分で業者に修理を依頼しましょう。
通常、賃貸物件の設備は管理会社や大家さんの判断下でしか修理できません。
しかし、2020年に施工された改正民法第607条の2(賃借人による修繕)で、緊急時は自分で修理しても良いことになりました。
(賃借人による修繕)
第607条の2 賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
二 急迫の事情があるとき。
引用元:e-GOV
自分で修理業者に依頼する場合は、修理内容や見積書、領収書などを発行してもらうようにしましょう。
これは、「修理費用を誰が払うのか」といった問題を協議するときに重要な書類です。
賃貸のトイレ水漏れ修理費用は誰が負担するのか
賃貸でトイレが水漏れしたとき、気になるのは修理費用です。自分で負担しなければいけないのか、不安に思うことも多いのではないでしょうか。
結論から述べると、基本的に賃貸のトイレ修理は貸主(管理会社や大家さん)が負担します。しかし、一部のケースでは例外もあるため、注意しましょう。
ここでは、賃貸のトイレ修理費用について、貸主負担になるケースと借主負担になるケースをそれぞれ詳しく解説します。
借主負担になるケース
トイレを故意や過失で壊してしまった場合や、自分で修理しようとして水漏れした場合は、借主が修理費用を負担しなければなりません。
賃貸人による修繕等についての民法606条では、次のように定められています。
第606条 1.賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
引用元:e-GOV
この「賃借人の責めに帰すべき事由」という但し書きに注意が必要です。
これは、借主の故意や過失によって故障した場合、貸主は借主に修理費用を請求できるという意味です。
また、契約書に設備修理に関する特約がある場合も、借主が修理費用を負担しなければなりません。
トラブルを防ぐためにも、契約書の内容はしっかりと確認しておきましょう。
貸主負担になるケース
貸主は賃貸物件の設備を修理する義務があるため、賃貸物件の設備が故障したときの修理費用は貸主が負担します。
原則として、トイレを普通に使っていたのに水漏れしてしまったときや、経年劣化による故障であれば、貸主が修理しなければなりません。
また、水漏れしたことを伝えても修理をしてくれない場合、自分で行った修理費用も貸主に請求できます。
これは、「緊急時には自分で業者に修理依頼する」で紹介した改正民法第607条の第1項で定められています。
賃貸の水漏れで起こりうるトラブルと対処法
賃貸住宅での水漏れは、発見次第すぐに対処をしなければ、思わぬ被害やトラブルが起きてしまいます。
特に起こりやすい4つのトラブルとその対処法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
賃貸の水漏れで起こりうるトラブルと対処法
管理会社の対応が遅い・直してくれない
管理会社・大家さんに修理を依頼したにも関わらず、必要な修理が行われなかった場合は、入居者が自分で修理を行えます。
ただし、民法第607条の2 「賃借人による修繕」によると、管理会社・大家さんに事前に通知を行い、急迫の事情に限った話なので、注意してください。
出典:e-GOV
水漏れした床から階下に被害が出てしまう
トイレの水漏れが2階以上で起こった場合、床を濡れたまま放置しているいと階下にまで被害が及んでしまう恐れがあります。
場合によっては、修理費用や賠償責任などが発生し大きなトラブルとなるので、早めに水漏れを解消しましょう。
床に広がった水はすぐに拭き取り、乾いたタオルを敷くなどの応急処置が効果的です。しかし、あくまでも一時的な処置なので、できるだけ早く水漏れの原因を修理しましょう。
修理費用が高額になってしまう
水漏れの被害状況によっては、修理費用が高額になってしまうでしょう。
ですが、加入している火災保険や賠償責任保険によっては、補償の対象になる場合があります。
補償を受ける場合、現地調査を行うのが一般的です。修理業者に依頼する前に、契約内容の確認と保険会社への連絡を行うのがよいでしょう。
「修理の相場はどれくらい?」という疑問は、トイレ修理の料金相場を症状別・メーカー別に紹介している記事で解決します。
ぜひあわせてお読みください。
水道代の負担が大きくなってしまう
水漏れで大量の水が流れてしまうと、高額な水道代を請求されてしまう場合があります。
賃貸物件の場合、発生箇所や原因によって誰が水漏れ時の水道代を負担するか異なります。
貸主と借主のどちらが水道代を負担するのか、水漏れ発生箇所と原因ごとにまとめました。
借主が負担 | 貸主が負担 | |
---|---|---|
発生箇所 | 蛇口から先 | 蛇口までの給水管 壁や床の中など発見が難しい場所 |
原因 | 蛇口の開けっ放し 故意や過失による破損 |
経年劣化 使用者や使用方法に過失がない破損 |
上記の表で貸主が負担に当てはまる場合でも、契約内容によっては自分で水道代を支払わなければいけません。
水道代を負担することになっても、見えない場所の給水管から水漏れしていたり、適切に使用していたなら、減額・返金を受けられる場合があります。
減額・返金するときは、使用している水道局に申請書を発行してもらいましょう。このとき、修理業者の記入欄が設けられている場合があります。
また、地域によって減額・返金の条件や提出書類が異なるため、詳しくは自治体や水道局に問い合わせてください。
水漏れ時の水道代については、トイレ水漏れで水道代が高額になったときの対照法を解説している記事もあります。
あわせてご覧ください。
賃貸でトイレが水漏れしたときの修理費用相場
貸主、借主どちらが修理費用を負担することになったとしても、修理費用の相場は変わりません。トイレ修理費用は水漏れの原因や症状・水漏れ箇所によって変わります。
ここでは主な修理費用の相場を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
症状 | 料金相場 |
---|---|
軽度トイレつまり | 4,000~10,000円 |
トイレ配管つまり・水漏れ | 8,000円~16,000円 |
トイレタンクの水漏れ | 8,000円~16,000円 |
ウォシュレットからの水漏れ | 30,000~100,000円 |
便器・タンク交換 | 50,000~300,000円 |
最短15分で駆けつけてくれるオススメ修理業者
出典:水の救急隊
水の救急隊は、24時間365日受付ている修理業者です。管理会社と連絡の取りづらい早朝や深夜、休日でも、最短15分で到着してくれる頼もしさが魅力といえるでしょう。
作業担当者が全国的にそれぞれのエリアを巡回しているため、受付後すぐに作業担当者を手配してくれます。
水の救急隊は、創業21年、累計50万件という確かな実績を持っており、「今すぐにトイレを修理したいけど信頼できる業者が良い」というニーズを満たしてくれます。
トイレ水漏れの修理費用
水の救急隊の修理費用は、基本料金市立5,500円(税込)~となっています。水漏れ箇所や症状ごとに、基本料金を表にまとめました。
水漏れの箇所・症状 | 基本料金(税込) |
---|---|
止水栓からの水漏れ | 5,500円~ |
給水管など配管からの水漏れ | 5,500円~ |
床と便器の間から水漏れ | 5,500円~ |
ウォシュレットから水漏れ | 5,500円~ |
基本料金のほか、作業に応じて「工賃」「部品代」などの費用がかかります。
水の救急隊では、訪問から見積りまでを無料で行ってくれます。見積もりを見て修理するかを決めて良いので、作業を行わなかった場合は費用が発生しません。
見積もりに納得してから依頼できるため、修理費が高すぎてしまうといった心配は無用です。
水漏れ修理を依頼する流れ
水の救急隊には、電話とWenサイトから修理を依頼できます。
急ぎの場合は、フリーダイヤルまで電話をかけたほうがスムーズに依頼できるでしょう。
依頼の手順をまとめましたので、参考にしてください。
自分でできるトイレ水漏れの直し方
水漏れの原因によっては、自分で修理できる場合があります。
ここでは、症状ごとに、自分でできる水漏れの直し方をまとめました。
自分でできるトイレ水漏れの直し方
ただし、無理に自分で直そうとすると、余計悪化してしまう場合があります。
修理は慎重に行い、難しいと感じたら専門業者に依頼するようにしましょう。
自分で修理できるか心配な方は、トイレの修理は自分でできるのか解説した記事が参考になります。
こちらももチェックしてみてください。
トイレの床がじわじわ水漏れしている場合
トイレの床にじわじわ水漏れが染み出しているときは、主に2つの原因が考えられます。
- 便器の破損や設置不良
- 排水管接続部(フランジ)の劣化
このうちどちらかが原因だと、自分で直すことはできません。早急に管理会社または大家さんへ連絡しましょう。
自分で直せない原因のほか、単純にトイレが結露して床が濡れているといったことも考えられます。
便器全体が濡れていたり、夏場や冬場のトイレ内部と外気温の差が激しいときにだけ起こる場合は、結露の可能性も疑ってみましょう。単に結露しているだけなら、トイレをこまめに換気するだけで防げる場合があります。
「より詳しく自分でできる対処法を知りたい」という方は、トイレ床にじわじわ水漏れしたときの対処について解説した記事もあります。
こちらもあわせてご覧ください。
タンクから水漏れしている場合
トイレの中からポタポタと音がしているときは、内部の「浮き玉」や「ボールタップ」という部品が故障しています。
いずれも、止水栓を止めてから新しい部品へ交換しましょう。浮き玉はチェーンを取り外すだけで簡単に交換できます。
ボールタップを交換するときは、給水管とボールタップをつなぐナットを緩めてください。ボールタップを付け替えてから、再びナットを締めます。
トイレのタンクと便器の間から水漏れしている場合は、密接パッキンという部品の劣化が原因です。密接パッキンの交換は難しく、自分での修理はおすすめできません。
トイレタンクの修理や部品にかかる費用は、トイレタンクの水漏れ料金に関する記事で詳しく解説しています。
本記事とあわせてご覧ください。
水がチョロチョロと止まらない場合
トイレの水がチョロチョロと止まらないときは、タンク内部のパーツ故障だと考えられます。
タンクの中を確認し、部品が破損していたり外れていないか確認してみましょう。
最も目につきやすい浮き玉やボールタップが原因であれば、「タンクから水漏れしている場合」と同じ方法で修理できます。
他には、タンク中央にある「オーバーフロー管」、タンク底部にある「フロートバルブ」といった部品が故障している可能性もあります。
オーバーフロー管とフロートバルブは交換する難易度が高く、また入手性も低いため、業者に修理依頼したほうが良いでしょう。
修理代が気になる方は、トイレからチョロチョロ水漏れしたときの直し方と修理代相場を解説した記事で費用感を把握してください。
給水管や止水栓から水漏れしている場合
給水管や止水栓からの水漏れは、ナットの緩みやパッキンの劣化が主な原因です。
ナットが緩んでいる場合は、レンチやポンププライヤーなどの工具でナットを右回りに締めましょう。
パッキンが劣化している場合、新しいパッキンに交換する必要があります。新しいパッキンは、古いものと同じサイズを用意してください。
水道の元栓を閉めてからナットを外し、パッキンを交換します。交換できたらナットを締め、元栓を開きましょう。
ナットの締め直しやパッキンの交換をしても水漏れが止まらない場合、別の原因が考えられます。その際は、業者に修理を依頼しましょう。
止水栓の水漏れが起きたとき自分でできることについてより詳しく知りたい方は、トイレの止水栓の水漏れについて解説した記事もあります。
あわせてお読みください。
まとめ
今回は、賃貸住宅のトイレが水漏れが起きた場合の対処法をまとめました。
賃貸住宅で水漏れが発生したら、賃貸契約書の確認や、管理会社・大家さんに確認をしましょう。
また、軽微な水漏れの場合は、自分で修理をする場合もあります。修理が難しい場合は水の救急隊の様な修理業者へ依頼しましょう。
「おすすめのトイレ修理業者についてもっと知りたい」という方は、トイレつまり・修理におすすめの業者6選を解説した記事が参考になります。
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