
車の性能やデザイン性を高める役割を持つホイール。
とても頑丈で耐久年数も長いパーツですが、日頃のメンテナンスを怠ると早期に交換が必要になることもあります。
今回は、そんなタイヤのホイールについて詳しくまとめました。
INDEX
ホイールの役割とは?
ホイールとは、おもにスチールやアルミ合金などから作られた車輪状のパーツで、タイヤを装着するための金属部分のことを言います。
普段はタイヤの影に隠れてしまいがちな存在ですが、実は重要な役割を担っています。
1.車の性能を高める
ホイールは、車軸(車の車輪を取り付けるための軸)から発せられた力をタイヤに伝える役割を担っています。
ホイールがないと車軸からの力がタイヤに伝わりません。
それによりタイヤが空回りする、走行や停止ができないなど、車としての機能を著しく低下させてしまいます。
ホイールは素材を変更するだけでも車の性能を高めたり、乗り心地を改善したりできる重要なパーツです。
タイヤと同様、車体・乗員・荷物などの重さを支えるなど、実は大事な役割も担っています。
2.車のデザイン性を高める
ホイールはデザイン性を高めるための重要なパーツのひとつと言えます。
既存のホイールをアフターパーツのアルミホイールに交換するだけでも、オリジナリティを表現できます。
さらにインチアップ(ホイールを大きくすること)を行えば、大幅にデザイン性をアップできるでしょう。
ホイールの種類
一口にホイールと言っても、素材・構造・製法・デザインなどによる違いがあり、様々な種類のものが存在します。
ここでは「素材」「構造」「デザイン」の3つのカテゴリーに分けて、ホイールの種類を紹介していきます。
素材の種類
まずホイールを購入する際に、皆さんが一番気にするポイントは「素材」ではないでしょうか。
先述した通り、車のホイールはおもにスチールやアルミ合金などで作られています。
ほかにも、あまり一般的ではありませんが、マグネシウムやカーボンなど別の素材で作られたホイールもいくつか存在します。
スチール製ホイール(鉄製ホイール)
スチール製のホイールは、車を購入した際についているノーマルホイールです。
純正のホイールのほとんどは、スチール製と言ってよいでしょう。
特徴は価格が安く耐久性に優れていることです。
その一方で、別素材のホイールと比べて重量があり、放熱性も低いため、ブレーキ熱を蓄積しやすいといったマイナス面もあります。
さらにデザインの種類も限られるため、足回りをオシャレにしたい人には向きません。
デザインには特にこだわらず、安くて丈夫なホイールを探している人にはおすすめです。
しかし、スチール製ホイールだからと言って、必ずしもデザイン性を諦めなくてはならないわけではありません。
ホイールキャップと呼ばれるカバーを装着すれば、車の足回りのオシャレは十分にできるのです。
ホイールキャップには、ボルト・ナット・ハブ部分の錆を防止するという実用性もあります。
ドレスアップと錆つき防止の観点から、スチール製ホイールにホイールキャップを装着する人は多くいるのです。
アルミ製ホイール
アルミ製ホイールはデザイン性に富んだものが多く、車の足回りをドレスアップしたい人に最適です。
車を購入する際に純正ホイールからカスタムチェンジする場合は、このアルミ製ホイールに変えるのが一般的でしょう。
特徴は、スチール製に比べ硬度が高く頑丈で、放熱性に優れていることです。
さらに加工がしやすいため、デザインの種類が豊富にあります。
スチール製に比べて価格がやや高い傾向にあるのが難点ですが、多少、費用が高くても足回りのドレスアップにこだわりたい人にはおすすめです。
マグネシウム製ホイール
マグネシウム合金から作られた非常に軽いホイールです。
加工が難しく大変高額なため、一般の乗用車にはほとんど使われていません。
おもに「ポルシェ」や「フェラーリ」のような高級車がマグネシウム製を採用しています。
マグネシウム製の最大の特徴は、何と言ってもその軽さです。
ホイールを軽量化することによって加速性能やブレーキ性能といった車の性能を向上させています。
カーボン製ホイール
カーボンファイバーから作られた非常に軽いホイールです。
これまで紹介してきた中でも最も軽量でありながら、頑強で腐食しないという特徴を持つ最強のホイールです。
カーボンの加工には非常に高度な技術が必要なため、現時点でカーボン製を純正ホイールとして採用している車はほとんどありません。
今後カーボンの加工技術が向上し、カーボン製が量産されるようになれば、手頃な価格で手に入るようになるかもしれませんね。
構造の種類
ホイールの構造は3種類に分かれています。
次は、それぞれの構造がどんな特徴を持っているのか見てみましょう。
1ピースホイール
「1ピースホイール」とは、その名の通り、1つのパーツからホイールを作る構造のことを言います。
1ピースホイールは、リムとディスク部分が一体化しているため、さまざまな構造形式があるホイールの中で最も硬度が高く、コストパフォーマンスに優れています。
純正ホイールのほとんどは、この1ピースホイールの構造を採用しています。
2ピースホイール
「2ピースホイール」とは、リムとディスクそれぞれ別のパーツを繋いで一体化させる構造のことを言います。
ディスク部分を単体で加工できるので、ミリ単位のインセット設定(リム幅の中心部分から取り付け面を調整すること)が可能です。
このタイプは、アルミ製ホイールに多く使われています。
3ピースホイール
3ピースホイールは、2つのリムと1つのディスクか作られる構造のことを言います。
デザイン性に優れているため、3つのホイールの中で最もドレスアップホイールに適しています。
一方、製造工程が複雑なため価格が高額なところが難点です。
デザインの種類
足回りの見た目を重視する人にとって、ホイールデザインは重要でしょう。
ここでは、おもなデザインを4つ紹介します。
スポークデザイン
「スポークデザイン」は、一般的なホイールに採用されています。
車輪の中心から外周にかけて太めのスポーク(車輪を構成する部品)が放射状に伸びています。
メッシュデザイン
「メッシュデザイン」は、細いスポークが編み目のようにデザインされていて、ラグジュアリーな印象のホイールです。
ディッシュデザイン
「ディッシュデザイン」は、ディスクが皿のように平坦です。
車を大きく見せたり強い存在感をアピールしたりするのに向いています。
フィンデザイン
「フィンデザイン」は、スポークデザインと同様の形状ですが、スポークが細く、本数が多いのが特徴です。
エレガントな印象があるため、高級感やスタイリッシュさを演出したい時に選ぶとよいでしょう。
ホイールの寿命
ホイールの寿命は、運転の仕方や車が走る環境によって異なりますが、スチール製では数十年、アルミ製にいたっては理論上は50年も持つと言われています。
アルミもスチールも硬度が高く耐久性に優れていることから、きちんと手入れをしていれば半永久的に使えると思ってよいでしょう。
しかし中には例外もあります。
舗装されていない凹凸道や悪路を走ることが多い、海の近くに住んでいる、雪国に住んでいるなどの場合は、ホイールにキズが付いたり錆びたりして耐久年数が短くなってしまいます。
ちなみにスチール製は、錆が出ると内部まであっという間に浸食してしまうので注意が必要です。
定期的な点検と研磨、必要であれば交換など、専門の業者に相談してメンテナンスをしておくとよいでしょう。
ホイール交換のメリット・デメリット
ここまでホイールについて説明してきましたが、最後はホイール交換をするうえでのメリットとデメリットについて説明します。
メリット
純正のホイールを社外品のホイールに交換する最大のメリットは、車の性能が向上することです。
バネ下重量(車の下に付いている様々なパーツの重量)を軽くすることによって、燃費や加速性能が向上します。
タイヤの機能を最大限に引き出すには、ホイールの性能を高めることが重要なのです。
さらに、先述したように、ホイールには車の外観をグレードアップさせるファッション的な要素もあります。
純正のホイールからデザイン性の高い社外品のホイールに交換することで、車の見た目も格段にアップするのです。
デメリット
ホイール交換のデメリットは、粗悪なものに手を出してしまうと車の性能を低下させてしまうことです。
安いホイールの全てに当てはまるわけではありませんが、安価で売られているホイールの中には真円度が高く、バランスが悪いものもあります。
その結果、車が真っすぐに走らない、走行中に異音がするなどの不調を招きます。
また、有名なホイールでも中古で売られているものには注意しましょう。
ゆがみやキズがある場合があります。
ホイールの交換にかかる費用の目安
ホイールの交換費用は、1本あたり1,000円~5,000円程度(ホイールの大きさによって変動)が相場と言われています。
ただし、交換費用とは作業工賃のことを指すので、ホイール本体の購入費用は別途かかります。
ホイールの本体価格はピンキリですが、安いもので1本あたり5,000円程度、高いものでは1本あたり200,000円以上するものもあります。
一番安い作業工賃と本体価格で計算した場合、だいたい1本6,000円で交換が出来ます。
ホイール交換ができるのは、ディーラーまたはタイヤ専門店、ガソリンスタンドなどです。
自分でも交換できますが、キズを付けたり、間違った取り外し方で使い物にならなくなったりする場合もあります。
少しでも不安がある場合には専門知識を持ったプロに任せるのが無難と言えます。
まとめ
ホイールはメンテナンスや扱い方次第では、非常に長く使い続けられるパーツです。
一方で、素材によってはキズや錆に弱く、耐久年数以下でも交換を余儀なくされるケースもあります。
日常的な点検やメンテナンスは、ドライバー自身でしっかり行いましょう。
そしてキズや不調が出た場合は、しっかりとした知識を持つ専門業者、車のスペシャリストに任せることが大切です。

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