車検で必要な光軸調整って?ディーラーやカー用品店で対応を比較

車検で必要な光軸調整って?ディーラーやカー用品店で対応を比較

車のヘッドライトの光軸調整は、夜間の安全運転のために大変重要です。
この記事では、光軸がズレる原因やチェック方法、修理の依頼先、費用の相場について解説していきます。
ぜひ愛車をメンテナンスする際の参考にしてください。

車のヘッドライトの光軸調整とは

車の運転中に対向車のヘッドライトがまぶしいと感じることがありますが、これは、対向車のヘッドライトがしっかり調整されていないことが原因かもしれません。
「光軸調整」とは、ヘッドライトの光の照射方向を正常な角度に修正することです。

光軸調整は、夜間運転の安全確保に役立ちます。
車のヘッドライトの光軸が正しく調整されていないと、車検を通らないので、まずはその重要性をしっかりと理解しておきましょう。

ハイビームとロービーム

ヘッドライトには「走行用前照灯(ハイビーム)」と、「すれ違い用前照灯(ロービーム)」の2種類があります。
ハイビームは遠く100m先まで、ロービームは40m先まで障害物を視認できなければなりません。
夜間走行では、基本的にはハイビームを使いますが、対向車とすれ違う際はロービームに切り替えます。

ロービームは、ハイビームを点灯した際の上向きの光がカットされているものと考えるといいでしょう。
このカットされた部分と、ロービームが実際に照らす範囲の境界線のことをカットオフラインと呼びます。

カットオフラインの位置は、ヘッドライトの地上高よりも下になるのが正常です。
通常は、光が10m進むごとに、カットオフラインが10cm下がるよう、約1%下向きに調整されています。

光軸はズレることが多い

光軸はかんたんにズレてしまうので注意が必要です。
段差に乗り上げてしまったり、重い荷物を積んだりしただけでも狂ってしまうことがあります。
また、タイヤやサスペンションの劣化によりズレが生じることもあります。

2006年以降に製造された車には、ダイヤル式の光軸調整装置「レベライザー」の設置が義務付けられていますが、これはあくまで応急処置です。
常にズレている状態なら、しっかりメンテナンスをしなければなりません。

光軸がズレたままの走行は危険

光軸がズレた状態で車を走らせると、ロービームにしていても対向車のドライバーの目をくらませてしまう可能性があります。
また、自身も車の前方や足元の安全を十分に確認できないまま運転することになるので、ズレ方次第では光が散乱し、にじんだようなまぶしい光になることもあり、大変危険です。

光軸調整の不備で車検不合格も

以前は、ヘッドライトの車検の基準はハイビームでしたが、2015年からはロービームが検査対象になりました。
これが適切に調整されていない車が増えたことが、この変更の理由です。
車検では、以前は光の向きを合わせればOKでしたが、現在はカットオフラインの起点の位置をしっかり調整する必要があります。

ハイビームとロービームは、それぞれ個別に調整しなければなりません。
これまではユーザー車検で難なく合格していても、検査方法が変更されたことで不合格になるケースが増えています。
ユーザー車検に臨む方は、必ずこの点を押さえておきましょう。

光軸調整が必要になる主なケース

では、車のヘッドライトの光軸調整が必要になるケースについてご紹介します。
次のようなケースでは、自動車整備工場に作業を依頼したほうがよいでしょう。

外部の強い衝撃によるズレ

先述したように、事故などで車に強い衝撃が加わると、ライトの位置がズレてしまう場合があります。
たとえ車の外観に大きな損傷がなかったとしても、小さな軽自動車でさえ600kgの重さがあるので、それなりのダメージはあるはずです。
事故に限らず、車止めに乗り上げたり、駐車場のフェンスにバンパーをぶつけたりした場合は、念のためチェックしておきましょう。

ヘッドライトのバルブやバーナー交換

ヘッドライトの光源は「ハロゲン」「ディスチャージ」「LED」の3種類があり、車種により使用する光源が異なります。
安く、手軽に交換できるハロゲン、明るく消費電力が小さいディスチャージ、寿命が長いLED、とそれそれに長所があるので、選ぶ際に考慮するとよいでしょう。

自分の好みでヘッドライトを交換することも可能ですが、交換する際は必ず光軸調整しましょう。
ディスチャージとLEDはかなり明るくなるので、それだけ対向車のドライバーに与える影響も大きくなります。
そのため安全面を考え、ヘッドライトを交換するなら光軸調整は必ず行う必要があります。

光軸をセルフチェックする方法

車の光軸調整が必要かどうか、チェックするかんたんな方法があります。
ヘッドライトの交換をしたあとの光軸調整にも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

自分の身体にヘッドライトを照らす

光軸がズレていないか確認するには、自分の身体にヘッドライトを照らし、ラインの位置を把握します。
その状態で後ろに移動し、カットオフラインの位置がどれだけ移動するかをチェックします。

カットオフラインは通常、下方向に移動するはずですが、上方向に5cm以上ズレるようなら、光軸調整が必要です。
ヘッドライト交換は、光軸調整の必要性をチェックする絶好のタイミングなので、この方法でセルフチェックしてみましょう。

車の光軸調整はどこに依頼する?

車の光軸調整はどこに依頼すればよいのでしょうか?
車検をユーザー車検で行う方は、選択肢を間違うと車検に通らない可能性もあるので、業者選びはとても大切です。

断られる確率が高いディーラー

自動車メーカーと契約しているディーラーは、メンテナンスも行っています。
通常、このようなディーラーでは、ディーラー車検につながることを期待して、さまざまなメンテナンスをすすんで請け負ってくれるでしょう。

ただし、ユーザー車検を受けるための細かい整備を依頼しても、かなりの確率で断られます。
売り上げや利益率が小さいことに加え、光軸調整のみで車全体のコンディションを把握することは不可能なので、後々のクレームを避けるために引き受けないのです。

車検整備可能なカー用品店

指定工場で車検整備も行っている大手のカー用品店なら、多くの場合ヘッドライトの光軸調整に対応してくれます。
「オートバックス」や「イエローハット」などは工賃も安いので、ユーザー車検を考えているなら、カー用品店を利用するとよいでしょう。

ユーザー車検の前後ならテスター屋も利用可能

「テスター屋」とは、ユーザー車検前に車体のチェックが可能な民間の予備検査場のことです。
本番の車検と同じ検査項目で不調箇所をチェックできます。
ヘッドライトの光量などもここで検査、調整可能です。

テスター屋は、ユーザー車検の前だけではなく、車検を受けたあとの不合格箇所の調整にも利用できます。
ただし、基本的に検査と調整を行うだけの業者なので、部品交換や修理には対応していません。
修理が必要な場合は、別途、修理・整備工場に依頼します。

車の光軸調整の工賃はどのくらい?

修理の依頼先が分かったところで、気になるのは光軸調整の工賃です。
目安となる相場料金をご紹介します。

オートバックスのヘッドライト光軸調整

「オートバックス」には、車検や法定点検ができる指定・認証工場があり、自動車検査員や自動車整備士が多く在籍しています。
車検不合格の場合も見積もり無料で即対応。部品交換や修理も可能です。

「オートバックス」は、整備項目ごとに料金を明示していて、店舗にもよりますが、ヘッドライト光軸調整は片側1,100円~。
整備保証付きなので安心です。
オートバックスで車検を受けると、その後1年間、パンクによるタイヤ交換が無料になるなどの保証が付いてきます。

その他の整備工場の相場

「イエローハット」などの大手カー用品店の整備工場でも、光軸調整の工賃は、車種により2,000~3,000円ほどです。
社外品など、調整に手間がかかる場合は、少し高額になりますが、それでもほとんどの場合、数千円が相場。
テスター屋を利用する場合でも1,000~3,000円ほどと考えておけばよいでしょう。

光軸調整は自分でもできる?

光軸は自分で調整することも可能です。
ここからはDIYで光軸調整する方法と注意点についてご紹介します。

ライト交換や光軸調整をDIYで行う方法

「マスキングテープ」と「プラスドライバー」を用意し、車を傾斜のない、壁やシャッターのある場所に移動させます。
壁から3m離れたところに車をとめ、壁をロービームで照らし、ヘッドライト両側のカットオフラインの起点を、マスキングテープでマーキング。
ここでヘッドライトを交換します。

交換後、再びロービームで壁を照らし、ラインの起点の位置に差があれば、光軸調整を行います。
調整ネジは2つあり、1つが上下、もう1つが左右の調整用です。
実際にネジを動かして確認してください。

正しい整備が安全の第一条件

光軸調整は、いくつか工具があればできるので、ご紹介したようにDIYも可能です。
しかし、作業がうまくいかずにユーザー車検で不合格になるケースも少なくありません。
自動車は、正しく整備することで初めて、その安全性が保たれるので、DIYを行う際はその点についてしっかり考えてから行いましょう。

光軸調整のみならプロでも数千円

光軸調整の工賃は、プロに作業を依頼したとしてもリーズナブルです。
節約のために自分で手間と時間をかけて光軸調整を行っても、車検に通らなければ、結局、整備工場に持ち込むことになります。
それならはじめからプロに依頼したほうがよいでしょう。

まとめ

車のヘッドライトの光軸はズレやすいので、普段からセルフチェックしておきましょう。
特にヘッドライトをLEDなどに交換したときは、必ず光軸調整を行ってください。

修理業者を探すなら、多くの整備工場や修理業者が登録している比較サイトを利用するとよいでしょう。
自宅近くの整備工場を手軽に検索できて便利です。

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