
自動車の「オルタネーター」がどのような役割を担っているかご存じでしょうか。
ここでは、オルタネーターの役割や交換の目安、寿命のチェック方法などをご紹介します。
オルタネーターとは
自動車に搭載されている発電機のことです。
といっても、オルタネーターが単体で電力を生み出すわけではありません。
オルタネーターは、車のエンジンと連動することで、電気を生み出せます。
オルタネーターによって生み出された電力は、エアコンやカーステレオ、パワーウィンドウなど、さまざまな部分で使用されます。
自動車にはたくさんの電装パーツがあるため、オルタネーターなしでは、ライトもパワーウィンドウも使えません。
ただ、ここで「エンジンを停めていてもパワーウィンドウやライトはつくよね?」と疑問を感じた方も、いるのではないでしょうか。
その通りなのですが、これは車に搭載されているバッテリーのおかげです。
バッテリーには電気が充電されているため、エンジンを始動していないときでも、パワーウィンドウやライトがつけられます。
しかし、エンジンをかけないままライトをつけっぱなしにしたり、音楽を聴いていたりすると、バッテリー上がりを起こします。
つまり、オルタネーターは電装系で使用する電力を生み出すだけでなく、バッテリーの充電器としての役割も担っているのです。
バッテリーだけでは、車の電装系をフルで使うには不十分なのです。
オルタネーターの寿命は?
車にはたくさんの消耗品が使われています。
ブレーキパッドや油脂類、電球、プラグなど、数多くの消耗品で成り立っています。
オルタネーターは長持ちするパーツのひとつですが、それでも寿命はあります。
寿命の目安と、チェック方法を理解しておきましょう。
10~20万kmが目安
新車なのか中古なのか、国産か外車なのかによって異なりますが、だいたいこれくらいが目安です。
年式が新しい車種で、新車購入したものなら20万kmほど持つといわれていますが、古い車なら10万km程度といわれています。
これはあくまで目安で、自動車を使用する環境下やドライバーの運転の仕方などでも、変わります。
そのため同じ年式、車種であっても、オルタネーターの寿命が変わることは珍しくありません。
寿命のチェック方法
2000年以降に生産された車で、定期的にディーラーや整備工場で点検を受けているのなら、特に必要はありません。
ただ、2000年以前に生産された車は、オルタネーターの寿命は短い傾向があります。
心配なときは、ここでご紹介する方法でチェックしてみましょう。
必要なのは、オルタネーターチェッカーです。
ホームセンターやカー用品店などで扱われており、バッテリーやオルタネーターの状態をチェックできます。
1,000~2,000円程度で販売されているので、ひとつ持っておくと便利かもしれません。
シガーソケットに接続するタイプと、バッテリーにつないでチェックする製品がありますが、どちらでも点検できます。
接続して点灯したランプの種類や色で、電圧の強さを確認します。
製品によって確認方法が異なるので、説明書をよく読んで使用しましょう。
故障時に起きやすい症状
オルタネーターが故障した、劣化して不具合を起こしたとなると、さまざまな症状が現れます。
代表的な症状を理解しておくと、スムーズな対処ができるでしょう。
電装系が不具合を起こす
車の電力を司るオルタネーターが故障すると、電装系へダイレクトに影響を与えます。
走行中にヘッドライトが消えたり、ウインカーが付かなくなったりします。
また、メーターのバックパネルが消灯する、カーステレオで音楽を流せない、といった症状が見られることもあります。
車にはバッテリーが搭載されていますが、オルタネーターが故障していると充電ができません。
壊れたまま走り続けていると、電装系どころかエンジンが停止する場合もあります。
バッテリー警告灯が点灯
メーターパネルに、バッテリーマークの警告灯が表示されることがあります。
赤く点灯するため、いかにも警告といった印象を受ける表示灯です。
実際このランプが表示されるということは、バッテリーやオルタネーターに、何かしらの異常があることを示しています。
警告灯が点灯する原因として、ファンベルト切れや配線のショートなどが挙げられます。
コンビネーションメーターが不具合を起こしても、表示されることがありますが、オルタネーターが故障したときも点灯します。
多くの場合、オルタネーターが点灯したときは、オルタネーターの故障かファンベルト切れが原因です。
エンジンがかからない
ガス欠やエンジンブローなど、エンジンがかからない理由はさまざまです。
ただ、ガソリンも十分入っていて昨日まで普通に走行できていたのなら、オルタネーターの故障が考えられます。
車のエンジンを始動するには、電力が必要です。
バッテリーに充電分がまだ残っていればかかりますが、オルタネーターが壊れていると充電できないため、やがて停まります。
充電はできない、しかもバッテリーも空となれば、もうエンジンはかかりません。
交換にかかる費用
交換には、部品代と工賃がかかります。
オルタネーター本体が必要なので、ディーラーや整備工場に取り寄せてもらい、整備士に交換してもらいます。
オルタネーターは車種によって価格が異なりますが、5~10万円くらいで手に入るでしょう。
中古なら、1~5万円くらいで手に入るかもしれません。
工賃もどこに依頼するかで変わりますが、1~2万円が相場です。
なお、オルタネーターと併せてバッテリーも交換するのなら、当然その費用もかかります。
乗用車なら1~4万円程度かかるため、痛い出費であることは間違いありません。
セルフでの交換も可能
オルタネーターは、ディーラーや整備工場などで交換してもらうのが一般的です。
ただ、1~2万円の工賃を支払うのがもったいない、と考える方も少なくないでしょう。
オルタネーターの交換はセルフでも可能なため、自分でやってみたい方はチャレンジしてみるとよいかもしれません。
この場合なら、部品代だけで交換できます。
ただ、今まで一度も車のメンテナンスやチューニングなどをしたことがない方は、難しいかもしれません。
何とか本体を取り外すことはできても、取り付けができないこともあります。
また、オルタネーターの交換中に、ほかのパーツに衝撃を加えてしまったり、外さなくていいものを外してしまったりすると大変です。
最悪の場合、交換したのにきちんと作動してくれない、といったことも考えられます。
必要最低限の費用で交換できるのは魅力的ですが、さまざまなリスクを背負うことは覚えておきましょう。
セルフで交換するのなら、しっかりと手順ややり方を調べてから行いましょう。
オルタネーターの調達方法
「どうしても自分でオルタネーターを交換したい」といった場合、まずは本体を手に入れなくてはなりません。
調達するにはいくつかの方法があります。
整備工場などで取り寄せ
使用されているオルタネーターは、車種によって異なります。
どれを購入していいのかわからないのなら、まずは整備工場で見てもらい、取り寄せてもらうほうが確実です。
この場合、取り寄せてもらったオルタネーターの費用に、整備工場の利益も多少上乗せされることがほとんどです。
工場での交換作業を勧められることもありますが、すべてをお任せするほうが余計な手間もかからず、時間も節約できます。
ネットで購入する
車のパーツを、ネット通販しているショップはたくさんあります。
パーツ専門店や、大手通販サイトでも販売されているので、少しでも安く手に入れたい場合はインターネット上でリサーチしてみましょう。
ネットオークションを利用する方法もあります。
ネットオークションでも、オルタネーターのような車のパーツは扱われています。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
ただ、ネットオークションに出品されている中古品は、状態がよくわからないものが多いため注意が必要です。
また、間違って落札したのに返品に応じてもらえない、といったトラブルも起こりえます。
オークションを利用するときは、信頼できる相手かどうかを見極め、間違いのない品を落札してください。
解体屋で手に入れる
自動車の解体を行っている工場には、スクラップされたたくさんの車があります。
愛車と同じ車種の車両があれば、オルタネーターだけ手に入れられる可能性があります。
特に、古い車種でなかなか合うオルタネーターが見つからないといったケースでは、解体屋で見つけられる可能性があります。
またかなり状態のよいものが見つかる可能性も、少なくありません。
ただお店によっては、自分で取り外すようにいわれたり、取り外しを依頼すると、料金を請求されたりすることがあります。
そもそも、取り外した部品を販売していないこともあるので、注意が必要です。
パーツの着脱に知識を持っている方なら、探してみるのもよいでしょう。
自信がないならプロに任せる
セルフで交換すると、うまく作動しなかったり、走行中にボルトがゆるんで外れたり、といったリスクが考えられます。
その結果、また同じオルタネーターを購入して交換しなくてはならない、といったことになる場合もあります。
自信がないのなら、最初からプロに任せたほうが安心です。
工賃はかかるものの、間違いのない安全・安心の交換作業をしてもらえます。
工賃が気になるのなら、事前に見積もりをもらっておけば安心できるでしょう。
二度手間や追加で費用が掛かることを考えれば、専門業者への依頼が確実です。
まとめ
オルタネーターは、そう簡単に壊れるパーツではありませんが、故障や不具合を起こすことはあります。
運転中に、怪しい兆候が確認できたときは、オルタネーターの故障も疑ってみましょう。
セルフでの交換も可能ですが、おすすめはプロへの依頼です。
もしくは、中古品で安くオルタネーターを手に入れ、作業だけ依頼するのもよいかもしれません。
お世話になっている業者がいれば、一度相談してみましょう。

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