プラグは、自動車に欠かせない重要なパーツのひとつです。
大切な愛車に長く乗り続けるためにも、プラグ交換のタイミングや、交換しないリスクなどを理解しておきましょう。
INDEX
プラグとは
車はエンジンによって動力を生み出しています。
空気と燃料からなる混合気を、エンジン内部で爆発させることで動力を生み出し、その動力が車輪に伝えられると車は動きます。
この混合気に点火し、爆発へと導く役割を果たしているのが、プラグです。
プラグは、正確には、「スパークプラグ」と呼びます。
点火プラグと呼ぶこともありますが、これは混合気に点火して爆発を起こすためのパーツだからです。
点火は、混合気が圧縮されたベストなタイミングで行われます。
爆発した混合気がピストンに作用することで、車の動力を生み出しています。
車のプラグの選び方
ホームセンターのカー用品コーナーやカー用品店では、数多くのプラグが販売されています。
誰でも一度は見かけたことがあるのではないでしょうか?
プラグといっても1種類ではなく、実にさまざまな商品が販売されています。
プラグ選びで大切なのは、車種にマッチしたものを選ぶことです。
合わないものを選んでしまうと、さまざまな不具合を起こしてしまい、愛車を傷めることになりかねません。
選び方はかんたんで、プラグメーカーが公表している適合表を見て、自分の車に合ったものを選ぶだけです。
プラグの箱には、品番が大きく書かれているので、間違うことはないでしょう。
車のプラグをチェックしよう
プラグは基本的に消耗品なので、適切なタイミングで交換しなくてはなりません。
また、まだ交換時期が来ていなくても、プラグに以下のような症状が見られたときは交換を考えたほうがよいでしょう。
先端部が黒い
カーボンが溜まると、先端が真っ黒になります。
プラグを外すとすぐに目につくので、かんたんにわかるはずです。
カーボンが溜まるとうまく点火できなくなり、失火の原因にもなるので、気がついたらすぐに交換しましょう。
また、電極部分にカーボンが溜まりすぎると、これに火がつき、プレイグニッションを起こすことがあります。
プレイグニッションは、本来とは異なるタイミングで混合気が爆発することを指し、より失火を招きやすくなるため、注意が必要です。
電極が溶ける
プレイグニッションのような異常燃焼が続いてしまうと、電極に強い負荷がかかり、電極部分が溶けてしまう場合があります。
こうなると本来のタイミングで点火が行われないため、シリンダー内で行われるはずの正常なプロセスも行われません。
ピストンなどのパーツがダメージを受ければ、エンジンが停止してしまう可能性もあるでしょう。
プラグを交換しないリスク
消耗品であるプラグを、長い間交換せずにいると、さまざまなリスクが生じます。
古いプラグを交換せずに使い続けても、百害あって一利なしです。
トラブルが発生しやすくなるだけなので、以下のような症状が出る前に交換しましょう。
燃費が悪くなる
「最近燃費が悪くなった気がする」と感じている場合、もしかしたらプラグが原因かもしれません。
プラグが不具合を起こしていると、正常に混合気への点火が行われないため失火が増え、エンジンの出力が低下してしまいます。
エンジンの出力が低下してしまうと、それを補うためにさらに燃料を使用することになるため、燃費が悪くなります。
そこまで年式の古い車ではないのに、あからさまに燃費が悪くなったと感じるようなら、プラグをチェックしたほうがよいでしょう。
なお、タイヤの空気圧不足なども燃費が悪くなる原因として考えられるので、こちらの状態も同時にチェックしておきましょう。
パワーが不足する
プラグの失火が続く状態では、エンジンは本来のパワーを生み出せません。
そのため、今までと同じようにアクセルを踏み込んでも、満足のいく加速が得られなくなります。
これは、平坦な道よりも、坂道のほうがわかりやすいかもしれません。
明らかにパワー不足を感じるようなら、プラグの状態を疑ってみましょう。
交換するだけで、本来のパワーが戻ることもあります。
エンジンがかかりにくい
エンジンがかかりにくい場合、バッテリーやオルタネーターの故障、ガス欠や、インジェクションの不具合などの可能性もありますが、まずはプラグを疑ってみましょう。
燃調が濃すぎる場合、プラグの点火部分が燃料で濡れてしまい、うまく火花が飛ばせなくなることがあります。
いわゆる、プラグかぶりと呼ばれる症状です。
ただ、最近の車はコンピューターで制御しているため、プラグかぶりは起こりにくくなっています。
プラグの先端にカーボンがたくさん溜まっていると漏電してしまい、うまく点火できない場合があります。
失火が増えてしまい、結果的にエンジンがかかりにくくなるのです。
比較的新しい車種でも、プラグが原因になる場合はあるので、エンジンがかかりにくいと感じたら、まずはプラグをチェックしましょう。
振動による影響
プラグの調子が悪く、ベストなタイミングで点火ができない状態では、エンジンに異常な振動が生じ、エンジンを支えるエンジンマウントや、周辺のパーツに悪影響が及ぶことがあります。
早い段階でプラグだけ交換していれば問題なかったものの、それをしなかったために余計な出費をしなければならなくなる可能性もあるので、やはり日頃からチェックを行うことが大切です。
プラグを交換するタイミング
エンジンオイルなどの油脂類と同様、プラグにも交換の目安となるタイミングがあります。
こまめに電極の状態をチェックすることは重要ですが、それと同時にタイミングも覚えておけば完璧です。
普通乗用車の場合は15,000~20,000㎞、軽自動車の場合は7,000~10,000㎞くらいを交換時期の目安と考えましょう。
これは、電極にニッケル合金を使用した一般的なプラグの場合です。
白金合金やイリジウムなどを電極に使用したタイプの場合は、100,000㎞程度まで交換の必要はないといわれています。
もちろん、費用はやや高くなりますが、長期間交換の必要がなくなるため、検討する価値はあるでしょう。
プラグを交換する流れとポイント
スパークプラグはセルフでの交換が可能です。
しかも、それほど難しい作業ではなく、その気になれば誰でも短時間で交換できます。
愛車のメンテナンスを自分でしたい方は、ぜひチャレンジしてみましょう。
1.必要なものをそろえる
プラグを取り外すためには、プラグレンチやマイナスドライバー、ラチェットレンチなどが必要です。
これらはホームセンターやカー用品店などで、1,000円程度で購入できます。
プラグにはサイズがあるので、工具もサイズに合わせて用意しましょう。
新たに交換するプラグも、カー用品店で同時に入手可能です。
購入前に、メーカーの適合表で品番をチェックしておきましょう。
2.プラグを外す
プラグを交換するファーストステップは、エンジンカバーの取り外しです。
ボルトで固定されていることが多いので、その場合はラチェットレンチを使用します。
エンジンカバーを外すと、4気筒エンジンなら4本、6気筒エンジンなら6本のプラグにつながるプラグキャップが見えてきます。
このキャップを外すとプラグが露出するので、プラグレンチを使って取り外しましょう。
なお、プラグを取り外す場合、レンチを回す方向は、左回りです。
右に回してしまうと、プラグを締めつけることになるので注意してください。
一応、プラグの先端の汚れや、電極の状態をチェックしておきましょう。
3.新たなプラグの取り付け
あらかじめ用意しておいた、新品のプラグをひとつずつ取り付けていきます。
プラグレンチにプラグをはめ込み、その状態でエンジンに差し込みましょう。
差し込んだら、外すときと反対、すなわち右にプラグを回して締めます。
あまり強く締めすぎると、プラグが壊れてしまうので、適度な強さで締めつけましょう。
すべての取り付けが終わったら、プラグキャップやイグニッションコイルと接続します。
終わったら、エンジンカバーをもと通りかぶせ、ボルトを締めて作業は終了です。
プラグ交換の費用
プラグそのものは、それほど高いものではありません。
1本500~1,000円程度で手に入れられます。
白金やイリジウムなどを使用したものは2,000~3,000円ほどと少々高価です。
愛車が4気筒の乗用車で、1本1,000円のプラグを選べばトータルで4,000円です。
工具も一緒に購入するなら、その費用も計算に入れる必要がありますが、DIYならかなりリーズナブルに交換できることがわかります。
なお、整備工場やガソリンスタンド、ディーラーなどへ作業を依頼すると、1本あたり1,000円ほどの工賃がかかります。
パーツ代と合わせて8,000円ほどになることが多いようです。
プロにプラグ交換を依頼するのもおすすめ
プラグの交換はそれほど難しい作業ではないので、がんばれば誰でも可能です。
ただ、車をいじるのが初めての方や、手先があまり器用ではない方は、最初からプロに作業を依頼したほうがいいでしょう。
シンプルな作業だとはいえ、エンジンの動力を生むための大切なパーツなので、完璧に取り付ける必要があります。
車いじりに慣れていない方が作業をすると、もしかしたら不完全な作業により、エンジンに不具合が発生することも考えられます。
腕に自信がない場合は無理せず、最初から整備工場やディーラー、ガソリンスタンドなどへ作業を依頼しましょう。
費用はかかりますが、そのほうが間違いありません。
まとめ
スパークプラグを交換せずに車に乗り続けると、エンジン性能の低下や不具合、トラブルの原因となる可能性があります。
定期的なチェックを行い、適切なタイミングで交換しましょう。
セルフ交換なら費用があまりかからないというメリットがありますが、腕に自信がないのなら、専門の業者へ依頼したほうが安心です。
長く愛車に乗り続けたいのなら、なおさらそのほうがおすすめです。
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