
車同士の交通事故で被害に遭った場合、車の修理代はどこまで請求できるのか気になりますよね。
修理する車のパーツによっても相場は違います。
想定されるケースごとに請求額について解説しますので参考にしてください。
交通事故の被害者は修理代を受け取ることができる
あまり考えたくはありませんが、運転中は後ろの車から衝突されるなど、交通事故に遭ってしまう可能性があります。
物損事故だけでなく、ケガを負ってしまう人身事故も車が損傷していれば、修理代を受け取ることができます。
ただし、過失割合によって請求額は変わるので注意が必要です。
また損傷した車のパーツによっても変化します。
ここでは修理代の相場やパーツごとの修理費用について解説します。
交通事故の多くは示談で解決
交通事故の多くは、当事者間の合意による示談交渉で解決がなされます。
当事者それぞれの過失や損害賠償額について、納得いく形で決着をつける方法です。
話し合いで決まった損害賠償金を「示談金」と呼び、治療費や慰謝料、車の修理代などが相当します。
損害賠償金は示談成立後に支払われ、成立後に他の損害が見つかっても追加請求はできないので、示談交渉は慎重に行うことが必要です。
示談で解決できない場合は、調停や裁判による訴訟が行われます。
調停は簡易裁判所が指導し、調停委員を加えて話し合いをします。
調停でも解決しなければ、訴訟による裁判になります。
車の修理代の相場は?
示談による損害賠償金のうち、修理代の金額は修理工場の見積額をもとに、保険会社と協議した上で金額を最終決定します。
この時点で、見積額より下がる場合も少なくありません。
修理代の相場は車種や損傷レベルによりますが、一般的に約10~50万円です。
過失割合により減額されることも
交通事故では加害者と被害者それぞれの責任の割合を示す過失割合があります。
走行中の事故の場合、事故の大小に関わらず「加害者:被害者=10:0」となることはまれです。
被害者側にも一定の過失割合が認められるケースが多いことに注意してください。
過失割合は当事者、または保険会社の代理人の話し合いで決められ、過去の判例を参考にします。
被害者の過失割合は加害者に請求する金額から減額され、過失相殺されます。
修理費用が20万円だとしても、被害者の過失割合が2割あれば、16万円に減額され、残りの4万円は自己負担になります。
また、破損した車種の市場価格も影響し、過失割合が低くても、結果として相手より修理代を多く負担しなければならないこともあります。
もらい事故は修理代を全額請求できる
「赤信号で停車中に追突された」や、「駐車していた車にぶつけられた」など、「もらい事故」で加害者側に100%の過失が認められる場合は、過失相殺の対象になりません。
修理費用はすべて相手に請求できます。
車のパーツで変わる修理代の相場
車の修理費用は損傷部位によって変わり、高額になることがあります。
場合によっては修理するのか、または買い替えなどを検討するのか判断を迫られることも。
修理代の相場より高額になりがちなパーツについて解説します。
エンジン交換修理
車の心臓部であるエンジンの修理費用は約50万円~90万円と高く、エンジン自体を載せ替えるケースが多いです。
特に高級車やハイブリッドエンジン車、外車は高額になるので、新車に買い替えた方がよい場合もあります。
フレーム交換修理
車の骨格となるフレームの修理費用は約10万円~100万円と金額が幅広く、車種によっては高額になります。
新車の買い替えも視野に入れて見積もりを取るようにしましょう。
バンパー交換修理
バンパーは損傷レベルによって修理か交換を選ぶことになります。
小さなキズや凹みであれば、板金・塗装修理で済み、費用は約1万円~5万円が目安です。
バンパーの損傷がひどく、交換する場合の目安は約5万円~20万円です。
高級車や外車はさらに高額になります。
ドア交換修理
ドアの損傷は板金修理で対応できるケースもありますが、交通事故による損傷は内部に及んでいることが考えられるので、ドア交換が推奨されています。
交換費用は通常約10万円ですが、外車だと部品の取り寄せなど輸送費も上乗せされ、数十万円かかる場合があります。
古い車でも修理代はもらえる?
年数の経った低年式の車が事故に遭った場合、はたして修理代を請求できるのか不安になります。
これらも条件を満たせば、修理代や補償を受け取れます。
時価0円以外は補償がある
あまりに年式が古く時価が0円であれば、修理代や買い替え費用を支払ってもらうことはできません。
一方、時価がつくのであれば、相当分を買い替え費用として受け取れます。
時価と修理代の低い方で支払う
物損事故の賠償金は、修理費用と車の時価のどちらか低い額が支払われます。
低年式車は時価が低く、希少なパーツなどが必要になり修理費用が高くなる傾向があるので、その車の時価で支払われるケースがほとんどです。
交通事故の示談で修理代がもらえないケース
これまで交通事故の被害者は過失割合があったとしても、車の修理代をもらえることを説明しました。
しかし、次のようなケースでは修理代の請求はできません。
全損の場合
交通事故で受けた車の損傷が大きく、全損となれば修理代を受け取ることはできません。
全損には「損傷が甚大で、修理しようがない場合」と、「修理可能でも車の時価より費用が高額になる場合」の大きく2つがあります。
2つ目のケースは時価より高い修理費用の支払いは合理的ではないため、修理代の全額が支払われません。
全損の賠償金は買替費用
ただ、車が全損すると交通事故の賠償を受けられないということではありません。
車が全損すると使用できなくなり、時価相当額の損害が発生します。
中古車の相場を参考にしながら、時価相当額を計算し、これを賠償金として受け取れます。
この賠償金は「車両の買替諸費用」とされますが、新車の買い替えではなく、あくまで乗れなくなった車の時価相当の補償金です。
買替諸費用には廃車費用、リサイクル費用、登録費用、車庫証明費用、登録手続きや車庫証明の代行費用、納車費用、自動車取得税、未経過分の自動車重量税なども含まれます。
過失割合が高くなる場合
全損でなくても、被害者の過失割合が高くなると過失相殺により、修理代がわずかしか残らないこともあります。
仮に修理費用が30万円で過失割合が9割だとすると、1割の3万円のみしか支払われません。
自身での修理代の負担額に直結するので、過失割合には注意してください。
相手の車の修理代を負担するケースとは
車同士の交通事故では、被害者と加害者双方の車が破損するケースが多いです。
次に挙げるケースは、被害者が相手の車の修理代を支払うことになるので注意しましょう。
被害者に過失割合がある
まず、これは「被害者に過失割合がある」ことが前提になります。
過失割合が多少でもあれば、損傷した加害者の車を修理する費用負担が生じます。
修理費用が40万円で、被害者の過失割合が2割なら、費用負担は8万円です。
対物賠償責任保険に未加入の場合
実際は被害者の多くが対物賠償責任保険に加入し、相手の物損を保険会社が負担するため、被害者が修理費用を直接支払うことはありません。
また、双方に過失があると、互いに損害額を支払い、手間がかかるので、保険会社が相互で決済し、被害者が負担する金額が清算されます。
ただし、被害者に過失割合があり、対物賠償責任保険に加入していない場合は、修理代を自己負担しなければなりません。
そのような事態を避けるためにも、車を所有し運転する場合には、対人賠償と対物賠償の保険には必ず加入するようにしておきましょう。
修理費用を有利にできる2つの特約
任意保険の特約には、交通事故の修理費用を増額してくれるものが2つあります。
1つ目は「対物超過補償特約」です。
一般的に保険で支払われる修理費用は、車の時価相当までという原則がありますが、特約付きだと時価額を超えても差額を補償してもらえます。
補償額は差額の8割ほどで、上限が50万円までとなっていますが、相手が特約付き保険に加入していれば、修理費用が時価額を超えていても、修理費用を請求できる可能性があります。
また、自分も特約をつけていれば、破損した相手の車が古い高級車やクラシックカーだった場合、補償額が引き上がり、示談が成立しやすいので覚えておきましょう。
2つ目は「車両新価特約」で、全損や修理費用が新車価格の半額以上になった際、実際の買い替え費用を受け取れます。
修理するときも新車価格いっぱいの補償を受け取れるので、万一の場合に備えられます。
修理代はいつもらえる?
自分の車が破損してしまい、早く修理したいときは修理代の支払いがいつになるのかが気になるところです。
交通事故の解決までの期間は、事故の状況や損傷の程度、ケガの有無などによって大きく影響を受けます。
示談で解決できても、修理費用をもらえるのは交渉が成立してからです。
示談成立までの流れ
交通事故の示談はまず、被害者と加害者がそれぞれの保険会社に連絡するところから始まります。
被害者は修理工場に車を持ち込み、修理の見積りをしてもらいます。
保険会社の調整員が加わって協議し、修理費用を決定します。
それ以外の損害額や過失割合を決定し、被害者と加害者の双方が納得すれば示談が成立します。
以上のステップに最低1ヶ月~2ヶ月はかかり、その後に修理費用を受け取れます。
早期に示談を成立させることがポイント
示談が成立してすぐにお金が受け取れるわけではありません。
修理代の評価損や過失割合について話がまとまらなければ、示談成立までさらに時間がかかります。
修理代をなるべく早く受け取るためには、スムーズに示談成立に促すことが必要です。
修理代を確実にもらうためには?
修理工場は損傷した車の修理代を見積り、保険会社と最終的な金額を調整し、決定します。
また、損傷した車が修理可能かどうかも判断するので、修理工場は大変重要な役割があります。
交通事故で車の修理代を請求するときは、交通事故対応の経験豊富な修理工場に依頼することがポイントです。
自分だけでなく、相手側や保険会社などにもしっかり説明してくれる修理工場であれば、トラブルを未然に防ぐこともできるので、車を持ち込む際はそのあたりもチェックしましょう。
まとめ
交通事故はある日突然やって来てしまうもの。
万一事故に遭ってしまうと、車の修理費用はどのくらい補償してもらえるのか分からずに不安になることもあるでしょう。
修理に関することはプロに依頼するのが一番です。
交通事故対応の実績が豊富な修理工場であれば、修理費用の協議で保険会社に適切な指摘ができる期待も持てます。
交通事故の車の修理は信頼できる自動車整備工場に依頼するようにしましょう。

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