
家の「カーポート」が壊れることは珍しくありません。
しかし、壊れたまま放置するとさまざまなリスクがあるため、早めに対処する必要があります。
ここでは、カーポートが壊れる原因や修理費用の相場についてご紹介します。
家のカーポートが壊れる原因
住宅に設置されるカーポートは、スチールやアルミなど金属の骨組みに、ポリカーボネートやFRP製(プラスチックにガラス繊維などを混ぜたもの)のパネルを組み合わせています。
カーポートは強度の高い素材でできているため、頻繁に壊れるものではありませんが、さまざまな要因が耐久性に影響を与えます。
代表的な原因を把握しておきましょう。
強風や積雪による影響
カーポートの屋根は、パネルが専用の金具で固定されています。
古いタイプや手作りしたものは「傘釘」と呼ばれる釘を使って固定されることもあります。
パネルや金具にも強度はありますが、台風などで強風にあおられると、金具が緩んでパネルが外れることがあります。
特に劣化が進んでいると、金具が腐食していたり、金具の周りのパネルが割れたりして、場合によっては飛ばされることもあるでしょう。
また、積雪による重みでカーポートが壊れてしまうことも。
特に屋根が水平なタイプでは、雪が下に流れ落ちず、ダイレクトに雪の重みが加わってしまいます。
そのため、雪がよく降る地域では、屋根に勾配をつけたものや、雪の重みに耐えられるカーポートがよく選ばれます。
潮風や湿気による影響
「海の近くにあるカーポートはさびやすい」という話を耳にしたことはないでしょうか。
海の近くは潮風が吹くため、塩分によって金属製の支柱や骨組みがさびやすくなります。
塩分による腐食は少しずつ劣化が進み、メーカーが設定している耐久年数よりも早く寿命を迎えてしまいます。
そのため、海の近くに設置するなら、アルミやステンレスなど、さびに強い素材を用いたカーポートを選ぶ必要があります。
湿気が多い地域で使用する場合も同様です。
湿気はカビの原因になり、金属の骨組みを少しずつ腐食させる恐れがあります。
経年劣化
カーポートの屋根に使われるポリカーボネートは、紫外線や熱に強く、耐久性が高いため、10~15年程度は使用できるといわれています。
ただ、経年による劣化は必ず発生するため、少しずつ当初の性能は失われます。
気候などの外的な影響をより受けやすくなるといえるでしょう。
また、劣化するのはポリカーボネートの屋根だけではありません。
金属製の支柱やコンクリート基礎なども劣化は進みます。
支柱や基礎が劣化すると、カーポート自体の重量を支えられず、倒壊する恐れもあります。
不適切な施工
正しく施工が行われているカーポートなら、多少のことで壊れることはありません。
一方、不適切な施工が行われていた場合、パネルの剥がれや支柱の傾きなど、さまざまなトラブルを招く恐れがあります。
たとえば、支柱が地中深くに固定されずに浅く固定されている、コンクリートで固定されていないなど、基礎工事が正しく行われていないケースでは支柱が傾きやすくなります。
多くのカーポートは、メーカー指定の基礎工事を行うことが推奨されています。
それを無視して安易な基礎工事をしてしまうと、本来の強度を出せず、カーポートの傾きや沈みなどを引き起こしかねません。
カーポートの設置は、正しい知識と技術で行われる必要があります。
素人や経験の乏しい業者が施工すると、こうしたトラブルが起きる可能性があるので注意しましょう。
修理が可能な状態とは
カーポートの屋根は、複数枚のパネルが組み合わさっています。
そのため、数枚が剥がれた程度なら、新たにパネルを張り替えれば問題ありません。
パネルに穴があいたり割れたりするケースでも、その部分のパネルだけを交換可能です。
パネルだけでなく、パネルを押さえる枠が曲がってしまったり、雨樋(あまどい)が破損したりすることもありますが、パーツのみの交換が可能です。
ただし、メーカーの部品が廃盤になっていると、全体での交換が必要になります。
基本的に、屋根部分に関するトラブルなら修理が可能なため、該当する場合は新設ではなく修理・補修を検討してみましょう。
修理が難しい状態とは
支柱が折れた、酷く曲がった、といった状態だと修理は難しいでしょう。
支柱は基礎の中に埋まっているため、1本だけを交換するのは非常に困難です。
仮に交換するとしても、多額の費用が発生する可能性があります。
また、屋根のパネルがすべて剥がれた、割れた、変色したといった状態だと、耐用年数を超えている可能性があります。
ポリカーボネート製のパネルは高強度のため、簡単に剥がれたり破損したりすることはありません。
それにもかかわらず破損した状態になるのは、パネルが寿命を迎えていると考えられます。
このケースでは、パネルだけでなく支柱や基礎なども劣化が進んでいるため、修理ではなく、撤去したうえで新たなカーポートを設置するほうが現実的といえるでしょう。
早めの対策をおすすめする理由
修理や新設したほうがいいカーポートをそのまま放置すると、さまざまなトラブルの原因になります。
ここでは、考えられるトラブルやリスクをピックアップしました。
車が傷つく恐れがある
パネルが寿命を迎えている場合は、パネルが割れたり落下したりする恐れがあります。
車の屋根やボンネットなどに落ちて、愛車が傷ついてしまうかもしれません。
支柱や基礎が劣化しているケースでは、カーポートそのものが倒壊するリスクも考えられます。
劣化している状態に地震や台風などの強い衝撃が加わることで、車を巻き込む倒壊のリスクは増していきます。
車両保険に加入していなければ、修理費用をすべて自腹で支払う必要もあります。
パネルが飛散する恐れがある
劣化したパネルが強風にあおられて破損し、破片が飛散する恐れもあります。
地域の景観を損ねるだけでなく、ご近所の家や車などに破片がぶつかる可能性もあり、人に当たってけがを負わせてしまうこともあるかもしれません。
場合によっては損害賠償の責任が発生するため、破損したパネルは早急に対処したほうがよいでしょう。
カーポートが倒壊する恐れがある
基礎や支柱の劣化が進んでいるカーポートは、地震や台風などで倒壊するリスクが高まります。
愛車を傷つけるだけでなく、通行人を巻き込んでしまうかもしれません。
相手に重い障害を負わせる事故や、死亡事故を引き起こす危険性もあります。
損害賠償の責任が発生することもあるため、劣化したカーポートを放置するのは非常に重大なリスクであると認識しておきましょう。
カーポートの修理はDIYでもできる?
メーカーが販売しているカーポートなら、パネルのみの購入ができるので、部分的な修理はDIYでも可能でしょう。
ただ、交換の枚数が多くなると、きれいに施工するには技術が必要です。
スムーズに交換できない、すぐに剥がれてしまう、といった事態になるかもしれません。
修理をDIYで行うにしても、高所での作業となるため、転落してけがをするリスクがあります。
作業中にパネルが風で飛ばされてしまったり、割れてしまったりすることも想定し、業者への依頼も選択肢に入れておくとよいでしょう。
また、カーポートの新設を素人が行うのも現実的ではありません。
もともとエクステリア工事に携わっていた方は例外ですが、古いカーポートを撤去したり、新しく基礎工事をしたりする知識や技術がない場合は難しいと考えておきましょう。
撤去と新設はプロの業者への依頼をおすすめします。
カーポートの修理にかかる費用の相場
パネルの交換を業者に依頼する場合、材料費と工賃を含め、1枚あたり13,000円~、パネルを固定する枠の交換は15,000円程度が相場です。
修理が難しいケースでは、古いカーポートの撤去が20,000円~、全体を新設する場合は150,000円~が相場で、駐車スペースにコンクリートを入れる場合は300,000円以上かかります。
修理費用は、どこのメーカーか、片側2本柱タイプか両側4本柱タイプか、スチール製かアルミ製か、1台用か複数台用か、などによって大きく異なります。
ここでご紹介しているのはあくまで目安と考え、まずは業者に見積もりを出してもらうことが大切です。
業者に依頼するときは複数の見積もりを
カーポートの施工をしてもらう業者によっても、最終的な修理の費用はさまざまです。
そのため、複数の業者に見積もり依頼をして、価格を比較してから選びましょう。
また、最終的な価格だけでなく、作業や工事内容も細かくチェックするのがおすすめです。
「安いと思って選んだら、基礎工事が簡易的なものだった」「アフターフォローがなかった」といったケースも考えられます。
1社にしか見積もりを依頼しないケースでは、価格や工事内容の比較対象がないため、悪質な業者に気付けない可能性があります。
必ず複数の業者から見積もりをとり、提示された価格が適正ものか判断するようにしましょう。
カーポートの修理には火災保険の利用も
住宅にかけられている火災保険は、火災による被害だけでなく、風災や雪害なども補償対象であることが多く、カーポートが壊れた原因次第では、火災保険を使って修理を行うことが可能です。
ただ、保険の内容によってはカーポートが補償対象外のケースもあるため、契約内容をよく確認することをおすすめします。
なお、火災保険を使ってカーポートの修理を行っても、その後の保険料が上がることはありません。
ただし、カーポートの破損による車の修理で車両保険を利用した場合は、保険料が増額する可能性があります。
結果的に損をすることもあるため、修理代と保険料を比較し、ご自身の家計の負担を考慮してから判断しましょう。
まとめ
家のカーポートは、強風や台風、雪、地震など、あらゆることが原因で壊れる可能性があります。
劣化が進んで修理が必要なカーポートを放置しておくと、トラブルのもとにもなるため早めに対処しましょう。
DIYについては、けがのリスクや仕上がりに問題が生じる可能性があるため基本的にはおすすめしません。
複数の業者から修理費用の見積もりをとったうえで比較検討し、適正な価格で施工してくれる専門業者へ依頼するようにしましょう。

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