パソコンからビープ音・警告音が鳴り続ける原因!回数ごとの意味と対処法

パソコンからビープ音・警告音が鳴り続ける原因!回数ごとの意味と対処法

「ビープ(beep)音」とは、突然パソコンから聞こえる断続的な機械音のことです。ビープ音が鳴っている場合、何かしらの重大なエラーが発生している証拠なのでしっかりと対処しましょう。

当記事では、ビープ音が鳴る原因や対処法について詳しく解説しますね。

ビープ音とは?

パソコンの起動時や使用中に、突然「ブーッ、ブーッ」「ピッピッ」などの音が鳴り、びっくりした経験はありませんか?パソコンメーカーや機種によって、ブザーのような音だったり、機械的な電子音だったりします。

普段聞いたことがない音が急に鳴り出すと、このままパソコンが壊れるのではないかと、恐怖を感じる人もいるようです。この明らかにパソコンの動作音とは異なる規則的な音を「ビープ音」といいます。

ビープ音が鳴るのはなぜ?

BIOSとは、「Basic Input Output System(ベーシック・インプット・アウトプット・システム)」の略で、一般的なパソコンに搭載されているプログラムです。BIOSは、パソコンの命ともいえるマザーボード(基板)に直接記録されています。

そのため、パソコンの電源を入れるとHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)にインストールされているWindowsよりも先に、BIOSが起動します。正常時は、その後すぐにWindowsが起動するため、BIOSが起動したことにすら気づかないことがほとんどでしょう。

BIOSは、パソコン内部のCPUやメモリなどのハードウェアの状態を診断した上でWindowsを読み込みます。BIOSの診断の際に何か問題が見つかれば「ビープ音」を鳴らし続け警告を発するわけです。

つまり、BIOSが起動しないとビープ音すら鳴らず、パソコンのトラブルにも気が付けないのです。

ビープ音が鳴ったからといって、パソコンの寿命が訪れたというわけではありません。BIOSの警告に沿って適切な対処を行えば、また平常通りに使えるようになります。

自作PCのビープ音

ビープ音は、マザーボードに取り付けられた専用のスピーカーから発せられますよ。DELLやHPといった大手メーカー製のパソコンには、当然ビープ音のスピーカーが搭載されています。

しかしパソコンを自作した場合、大手製メーカー製のマザーボードを使用するとは限りませんよね。ビープ音用のスピーカーはマザーボードとセットで付いているわけではないため、自作した時は別途スピーカーを用意しましょう。

スピーカーを取り付けていないと、エラーが起きてもビープ音が出ないため注意してください。

ビープ音を変更する方法

ビープ音は設定で変更、もしくは消すことも可能です。いくつか種類があるので、自分にあったものを選ぶといいでしょう。

ただし、ビープ音は不具合を知らせる警告音のため、消すのはおすすめしません。Windows 10ユーザーであれば下記の手順で変更を行うことができます。

  • 「コントロールパネル」を開く
  • 「ハードウェアとサウンド」をクリック
  • 「サウンド」の下にある「システムサウンドの変更」を選択
  • 「プログラムイベント(E)」の「一般の警告音」をクリック
  • 「サウンド(S)」で好きな音を選択して適用
    (ビープ音を消したい場合は[なし]を選択)

ビープ音が鳴る回数ごとの意味・改善策

ビープ音は初めて聞くと驚かれるでしょうが、実は非常によくできたPCトラブルのお知らせツールです。断続的なビープ音の鳴り方のパターンによって、故障箇所やトラブルの原因を探ることができるよう、BIOSにプログラムされています。

使用言語の異なる世界中のユーザーに対して、音のパターンで変化をつけることにより故障箇所を知らせられるので、便利な方法といえます。メーカーによっては音の高低で変化を付けている場合もありますよ。

ビープ音のパターンは、BIOSの種類やメーカーごとに異なるため、取扱説明書やサポートページなどで各社の対応表を確認してください。それぞれのパターンの意味と原因が記載されているため、対処法が判断できるでしょう。

BIOSには、「Award BIOS」と「AMI BIOS」の2種類があります。それぞれビープ音の種類や意味合いが異なるので、表にて説明しますね。

Award BIOS

まずは、Award BIOSのビープ音についてまとめました。

音の種類と回数意味改善策
短音1回正常起動問題はありません。
短音2回設定エラー(COMS)COMSの設定に不具合がある場合は、初期化すると改善する可能性があります。
長音1回
短音1回
メインメモリ(DRAM)のエラー再起動やメモリの接続し直しを試しましょう。
長音1回
短音2回
グラフィックボード・モニターの接続エラーケーブルや接続状況などを確認しましょう。
長音1回
短音3回
グラフィックメモリーのエラーグラフィックメモリー自体の問題か、規定の場所に挿入されていない可能性があります。正しい場所に挿入されているか、1度確認しましょう。
高音の長音高熱状態パソコンが熱を持っているため、電源を切って冷やしたり、通気口の掃除をしたりして、適温にしましょう。
長音の連続メモリー接続エラー
装着エラー
何度かメモリーを再接続してみましょう。
短音の連続電源供給エラー電力が供給されていないので、コンセントや充電機器を確認してみましょう。
高音と低音の連続CPUの不備熱が持っていないかを確認し、CPUが規定の場所にあるかを確認しましょう。

AMI BIOS

次に、AMI BIOSのビープ音と原因、改善策について紹介します。

音の種類と回数意味改善策
長音1回正常起動問題はありません。
短音1回メモリーリフレッシュエラーメモリーの再接続や挿入し直し、挿入場所の確認をしましょう。
短音2回メモリーパリティエラーパリティエラーは静電気や磁気などで引き起こされることが多いです。メモリーの再接続や規定に挿入しているかを確認しましょう。
短音3回メモリーエラーメモリーの再接続や挿入位置の確認をしましょう。
短音4回システムタイマーのエラーマザーボードの汚れやホコリによって引き起こされていることが多いため、マザーボードを掃除しましょう。
短音5回CPUエラー原因として、異物の混入や過度の熱によって引き起こされていることが多いです。
長音2回設定エラー(CMOS)初期化することで状況が改善する可能性があります。
長音1回
短音2回
グラフィックボードのエラーグラフィックボードの接続に問題がある可能性が高いため、ケーブルや接続状況を確認しましょう。

また、AMI BIOSはビープ音が6回以上なることがあります。それぞれの意味合いと改善策も紹介します。

音の種類と回数意味改善策
短音6回GateA20エラー高熱やショート、キーボードの不具合など、さまざまな原因が考えられます。
短音7回CPU・マザーボードエラー原因の特定が難しいため、修理を依頼しましょう。
短音8回グラフィックメモリーエラーグラフィックメモリーが正しい位置に挿入されているかを確認しましょう。
短音9回BIOS ROMのチェックエラー初期化で修復できる可能性があります。
短音10回書き込み・読み込みエラー初期化で修復できる可能性があります。
長音1回
短音8回
モニターテストのエラーケーブルや接続状況などを確認しましょう。
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大手パソコンメーカーのビープ音

メーカーによってもビープ音の種類と意味が異なります。

ここでは、大手パソコンメーカーである「富士通」「Dell」「ASUS」のビープ音についてまとめています。

富士通

富士通が発売するパソコンのビープ音についてまとめました。

ここでは、富士通の FMV-D5255という機種を例として挙げています。

ビープ音の種類意味改善策/内容
1-2
(1回目のビープ音が長く続きます)
BIOS破損・マザーボードの故障マザーボードのボタン電池を放電し、BIOSをリセットします。その後、マザーボードを掃除しましょう。
1-1-1-1
1-3-3-1
1-3-3-2
1-3-4-1
1-3-4-3
1-4-1-1
4-3-4-3
メモリーのテストエラーメモリーの接続先とメモリースロットをクリーニングしましょう。あるいはメモリの置き換えもしましょう。
1-1-…
(長めになり続けます)
W630のカスタムメイドで選択したグラフィックカードに電源ケーブルが未接続状態電源ボタンを4秒以上押して電源を切って、グラフィックカードに電源ケーブルを接続します。その後、10秒以上待ってから電源を入れましょう。

Dell

次にDellのビープ音について、Inspironデスクトップを例に紹介します。

音の種類と回数意味改善策/内容
ビープ音1回マザーボード・BIOS ROMの障害初期化などで修復できる可能性があります。
ビープ音2回メモリーメモリーの再接続や挿入位置の確認をしましょう。
ビープ音3回マザーボード・チップセットチップセットエラー、Gate A20エラー、時刻機構テスト障害、キーボードコントローラの障害、スーパーI/Oチップの障害が原因として考えられます。
ビープ音4回メモリーメモリーの交換や再接続で、起動できるかを試しましょう。
ビープ音5回リアルタイムクロック電源の障害CMOSバッテリーを抜き差してみましょう。
ビープ音6回ビデオBIOS原因としてビデオカードかビデオチップの障害が挙げられます。
ビープ音7回CPUCPU自体に障害がある可能性があります。

ASUS

台湾のパソコンメーカーであるASUS製のパソコンのビープ音についてまとめてあります。

ビープ音の種類意味改善策/内容
短音1回正常起動問題はありません。
長音1回
短音2回
メモリ未検出メモリーの接続先とメモリースロットを掃除しましょう。あるいはメモリを置き換えましょう。
長音1回
短音3回
グラフィック機能未検出グラフィックメモリーが正しい場所にセットされているか確認しましょう。
長音4回CPU未サポートマザーボードに対応しているCPUかを確認しましょう。また、BIOSが古い可能性もあるので、BIOSを更新するか、対応したCPUを使いましょう。

ビープ音が鳴ったときの対処法

ビープ音が鳴るのは、CPUやメモリ、ディスクドライブなどのハードウェアに原因があるケースがほとんどです。

一般的に考えられる原因の多くは、「内部のホコリにより排熱がうまくできず熱が溜まる」「キーボードが詰まってキーのオン・オフが効かない」「メモリやグラフィックボードの装着異常」「マザーボードの故障」などです。

これらの対処法として、以下の作業を行うのが一般的とされています。対処法の効果がない場合は、一度パソコン修理のプロに相談してもよいかもしれません。

再起動してみる

まずはパソコンの再起動を試してみましょう。ビープ音に限らずパソコンの不具合は、再起動で改善されることが多いです。

普通に操作ができる場合は所定の操作で再起動を行えばいいのですが、不具合が原因でフリーズをしてる場合があります。キーボード操作もマウス操作も受け付けない場合は、電源ボタンを長押しして強制的に電源を切って再起動を試みてください。

マウスやキーボード、外付けHDDなどが原因の場合もあるので、周辺機器をすべて取り外して正常に起動するか確認してください。

放電作業を試してみる

パソコンは給電して使うため、長時間使っていると、本体内部に不要な電気が溜まってしまうことがあります。いわゆる「帯電」という状態です。

パソコン内の回路や部品などが帯電すると、動作が不安定になり電源が入らなかったり急にシャットダウンしたり、再起動を繰り返したりなどの症状が見られます。

このようなケースではビープ音は必ずしも鳴らないことがあるため、内部に溜まっている電気の放電作業が有効です。

帯電した電気を放出して逃がすことにより、動作の不調が改善されるケースが多く、パソコンメーカーでも放電作業を推奨しています。放電作業はメーカーにより、またはデスクトップかノートパソコンなどによっても放電の手順が異なることがあります。

必ず、メーカーの機種にあった正しい方法で、パソコンの放電作業を行ってください。同じメーカーのパソコンでも、放電処置を行う際に電源ボタンを長押ししたり、特定のキーをいくつか組み合わせて長押ししたりなど、操作指示に違いがあるためです。

基本的な作業内容は、パソコンの電源を切り周辺機器を取り外します。バッテリーや電源コードなども抜き取り、数分~数十分待てば放電が終わります。

その後取り外したものを接続しなおし、電源を入れてみましょう。帯電に原因があった場合は、これで正常に起動するはずです。

メモリの接触不良を解消する

ビープ音が出てしまう最も多い原因は、メモリの接触不良です。パソコン自体に問題がなくても、メモリが正しく挿入されていないとビープ音が鳴ります。

特にメモリの交換や増設をした後に起こりがちな現象です。一度パソコンをシャットダウンして、メモリを差し直してみましょう。

1.メモリの取り外しの準備

まずはメモリを取り外す準備をします。ケーブルや外付けHDDなどの外部機器をすべて外してください。

次にパソコンのカバーを外します。この時体の静電気は逃しておくため、一度壁を触るなどをしておくといいですよ。

外し方は取扱説明書を確認して、マザーボードなどメモリ以外の部分には触らないよう注意しましょう。

2.メモリを抜き差ししパソコンの起動

カバーを外したらエアダスターなどでパソコン内部を綺麗にしましょう。接触不良の原因がホコリの場合もあります。

次にメモリのロックを外し、一度本体からメモリを離します。再度、メモリを差し込む場合はロックがかかるまでしっかりと差し込みましょう。

その後は、先ほどと逆の手順でカバーやケーブルなどをつけていきます。準備が整ったら再起動してみましょう。

起動時にビープ音が鳴らず、システム画面から実装メモリの容量を確認できたら完了です。これでもビープ音が直らない場合は、メモリ自体が損傷している可能性があります。修理に出しましょう。

BIOSの初期化を行う

パソコンを起動したときにビープ音が鳴ったものの、BIOSの画面が表れただけで一向にWindowsが起動しない場合は、BIOSの不調が考えられます。ビープ音が鳴らずにBIOS画面が表示され、そのまま進まないこともあります。

放電作業を行っても不具合が改善しないときは、BIOSの設定を初期化してみましょう。初期化といっても、パソコンのデータを消去するわけではありません。BIOSの画面が表示されていない場合は、下記の手順で初期化します。

  1. パソコンの電源を入れ、メーカーロゴが表示されたらすぐにキーボードの[F2]キーを連打(メーカーや機種によって方法が異なる場合があるため要確認)
  2. 一番上に「Setup Utility」と書かれたBIOSの設定画面が表れたら、BIOSセットアップユーティリティの起動成功(Windowsが起動した場合は再起動する)
  3. [F9]を押して設定を初期化(購入時または工場出荷時の状態)する
  4. 「Load Optimized Defaults?(デフォルト値をロードする)」と尋ねられるので、キーボードの矢印キーを使って[Yes(はい)]を選択し、[Enter]を押す
  5. [F10]キーを押すと「Save configuration and reset?(変更を保存して終了する)」と表示されるので、[Yes(はい)]を選択し[Enter]を押す
  6. BIOSが初期化され、その後Windowsが正常に起動すれば作業完了

ビープ音の原因がわからないときに相談できる修理店

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ビープ音とともに現れる怪しげな詐欺警告に注意!

パソコン使用中に突然ビープ音が鳴り、「ウイルスに感染しました!」という画面が表示された場合、注意してください。警告画面にある電話番号に電話をするよう指示があったり、怪しげなURLのクリックを誘導したりする事例が報告されています。このようなケースは詐欺の可能性が高いです。

うっかり電話をしてしまうと、遠隔操作詐欺の被害に遭ってしまいます。このような場合は、ウイルス対策ソフトで駆除するか、パソコンをリカバリする必要があります。いずれにしろ、パソコンの重要データは日頃からバックアップしておくことをおすすめします。

まとめ

突然パソコン本体からビープ音が鳴り出しても、慌てる必要はありません。メモリの接触不良などが多くの原因です。再起動やメモリの差し直しなどを行えば直る場合がほとんどです。

しかし、対処法によっては操作が難しい場合もあります。そんなときは速やかにデータのバックアップを取り、パソコンの修理業者に依頼しましょう。

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