
パソコンを使っていると、パソコン本体が熱くなることがあります。あまりにパソコンの温度が上がると、フリーズしたり強制終了したりといった不具合が起きるため、注意が必要です。
そうなる前に、パソコンの適温やパソコンの温度を下げる対策を知っておきましょう。
この記事で分かること
INDEX
CPUの適正温度は80℃未満
「パソコンの温度」は、多くの場合「CPUの温度」を指します。CPU温度が高くなりすぎると、熱暴走や故障、パフォーマンス低下を招くため、注意が必要です。
温度目安を確認し、パソコンが熱くなりすぎないようにしましょう。
CPU温度 | 温度の目安 |
---|---|
上限 | 約80℃ ※70℃で熱暴走することあり |
アイドル時 | 約40~50℃ |
CPU温度は、温度計を使っても正確には測れません。
CPUやHDD、GPUなど、一部のパーツの温度を知り足れば、パソコンに温度計測用のソフトウェアをインストールしてください。
熱暴走が疑われた時だけでなく、日常的にチェックしておくと不自然な温度上昇にも気づきやすくなります。
ちなみに、パソコンを使用する上で適正な室内温度は、10~35度くらいです。CPU温度以外にも、室内温度にも目を向けてください。
CPUの温度を下げるには?原因の別対処法
CPUは高度な計算や多くの処理を行っており、パソコンを使用する上で不可欠な装置です。
通常、CPUは熱に耐えうる仕組みになっていますが、使用状況や環境によっては熱がこもり、パソコンが異常に熱くなることがあります。
CPUに熱がこもると、処理速度が低下、熱暴走、フリーズの可能性が高まるため注意が必要です。
では、CPUに熱がこもってしまった場合、どのような方法で温度を下げるのでしょうか。ここでは原因や対処方法をご紹介します。
原因1:使用環境が良くない
まず最初に考えられるのが「使用環境が良くない」ことです。
デスクトップパソコン、ノートパソコンに限らず、パソコンの本体温度が上がるとCPU温度も上がります。
そのため、「どの場所でパソコンを使用するか」、「どのようにパソコンを使用するか」など、使用環境や状況も重要です。
ここでは、使用環境を改善するための、4つの対処法を紹介します。
対処法1:扇風機で風を当てる
パソコンの温度を下げるための対策としておすすめなのが、扇風機で物理的に風を送る方法です。PCケースに風を当てるだけでも温度は下がるため、即効性があります。
卓上や携帯用の小さな扇風機があるなら、パソコンの熱くなっている部分に向けて、ピンポイントで風を送ってください。
ただし、氷を近くに置いて冷気を送り込むのはやめましょう。溶けだした水分がパソコン内部に入り込むと、故障の原因になります。
対処法2:冷房をつける
室温を下げることも、パソコンの温度を下げるのに有効な方法です。エアコンの温度を下げると、パソコンに熱がこもりにくくなります。
ただし、風を当てたいからといってエアコンの真下に置くのは避けましょう。冷房中や除湿中に、ドレンホースの詰まりやエアコン内部の結露により、エアコンから水が出る場合があるからです。
パソコンは水に弱いため、エアコンから万が一水が漏れても問題ない位置に置いてください。
対処法3:パソコンの置き場所を変える
パソコンは直射日光が当たったり、暖房器具の温風が当たったりするなど、温度が高くなりそうな場所でのパソコン利用は控えましょう。
どうしても場所を移動できない場合は、室内温度を下げてください。
また、ファンの排気口に物を置かないことも重要です。排気口付近に物が置かれていると、上手く風が排出できずに熱がこもってしまいますよ。
対処法4:パソコンの底部を持ち上げる
ノートパソコン限定となりますが、パソコン本体を少し持ち上げる方法も有効です。本体と机の間に本などをはさみ、底部を斜めに持ち上げます。
ノートパソコンの底部には通気口があることが多く、通常の置き方だと机に熱気がぶつかり、排熱効率がよくありません。
通気口付近に風の通り道を作ると、底部に熱がこもりにくくなります。 専用のスタンドも市販されているので、購入も検討してください。
原因2.CPUやパソコンの負荷が大きい
「CPUやパソコンに対する負荷が重すぎる」ことも考えられます。パソコンの使い方によっては、CPUやパソコン自体に非常に重い負荷をかけてしまい、それが原因で熱を帯びる場合があります。
こうした状況を改善するためには、パソコンに負荷をかけている原因を特定し、対処することが必要です。ここでは4つの対処法を紹介します。
対処法1:同時に使用するアプリを減らす
同時に使用するアプリが多いと、パソコンに負担がかかってしまいます。処理が追い付かず、パソコンの温度が上昇してしまうのです。
そのため、作業中に使用していないアプリや作業を終えたアプリは、都度閉じることをおすすめします。
アプリやブラウザを閉じると、パソコンの計算処理を行うCPUへの負担が軽くなり、パソコンの動きもスムーズになるのでおすすめです。
対処法2:定期的に再起動する
パソコンを長時間使用してしまうと、CPUやその他のメモリに負荷がかかります。そのため、定期的にシャットダウンや再起動をし、パソコンやCPUをリセットすることが重要です。
リセットすると負荷が軽くなり、パソコンの温度上昇を抑えられます。
対処法3:不要なデータ・アプリを整理・削除する
パソコン内のデータやアプリが多いと負担がかかり、ハードディスクの容量がいっぱいになります。容量の少なさが原因で、パソコンに熱がこもってしまうのです。
ハードディスクの容量をなるべく少なくするために、使用しなくなったデータやアプリは削除しましょう。
残しておきたいデータが多くあるのであれば、USBなどにデータを移行してください。
対処法4:パソコンを省電力モードにする
パソコンを省電力モードにするのもおすすめです。発生する熱が少なくなるため、温度が上がりにくくなります。
設定によっては処理能力が落ちたり、モニタの輝度が下がったりなどデメリットがあるので、状況次第で使い分けてください。
原因3.冷却装置の汚れ・故障
3つ目の原因として考えられるのが、「冷却装置の汚れ・故障」です。
冷却装置の掃除や交換で対処できるので、ぜひ試してみてください。ここでは3つの方法をご紹介します。
対処法1:ファンやCPUクーラーを掃除する
ファンやCPUクーラーは、パソコンの内部に溜まった熱を外部へ放出する役目を果たします。
しかし、そのファンやクーラーの排出口が汚れていたり、ホコリがたまっていたりすると、上手く熱を外部へ放出できません。
その結果、CPUに熱がこもりパソコンの温度が高くなってしまいます。 定期的にファンやCPUクーラーを掃除し、パソコン内部に熱が籠らないようにすることが重要です。
対処法2:CPUクーラーを交換する
CPUクーラーが上手く働いていない可能性もあります。CPUクーラーを取り付けている留め具が外れている場合は、熱を外部放出できず内部に熱がこもる場合があります。
そのような不具合を解消するために、CPUクーラーを交換することも必要です。
CPUクーラーには、トップエアフロー型やサイドエアフロー型などの型番があり、サイズや取付方法が異なります。ご自身が利用されているパソコンに合ったCPUクーラーを購入し、取り付けをしましょう。
対処法3:ホコリを掃除する
デスクトップパソコンの場合、ホコリがたまるとケース内部の通気性が悪くなります。通気性の悪さが原因で内部に熱がたまり、CPUなどの熱が下がらなくなるのです。
このような事態を防ぐためにも、本体ケースの蓋を開け、中のホコリを掃除してください。ホコリがなくなるだけで、内部の温度が10℃下がることもありますよ。
ほこりは、エアダスターやOA用のハタキなどで掃除できます。数分で済むので、少なくとも年に1度はケースの蓋を開けてみましょう。
ノートパソコンの場合は、通気口付近にホコリがたまっていないか確認し、できる範囲でホコリを取り除いてください。
原因4.CPUグリスの効果切れ
CPUグリスとは、CPUとCPUクーラーのヒートシンクの間に塗るもので、密着度を上げる潤滑剤の一種です。CPUに直接塗布できます。
CPUグリスは、CPUクーラーのヒートシンクに熱を伝達できるため、冷却機能も持ち合わせているのが特徴です。
パソコンを購入した当初はCPUグリスが塗られていますが、使用するにつれてCPUグリスは減っていきます。これに伴い、パソコンも熱が上がりやすくなるのです。
ではどのようにすれば、効率的にCPUグリスの効果を持続させられるのでしょうか。
CPUグリスを塗ろう
CPUグリスは、放っておくと固まったり、乾いたりします。CPUグリスの効果が切れると、冷却機能が上手く働かなくなり、CPUが熱を溜めてしまうのです。
CPUに熱は周りの機器にも影響を及ぼす危険性があるので、CPUグリスは定期的に塗っておきましょう。
グリスは市販されているものの、塗布時にはパソコンの部品を取り外さなければならず、初心者には難易度が高いです。
パソコンの故障にも繋がるため、高価なものほど熱伝導率がよく、高い効果が期待できます。
【危険】CPUの温度が上がるとどうなる?
本体が熱くなりすぎると、パソコンの熱暴走が起こります。
熱暴走が起きると、パソコン内部の回路自体が焼け、最悪の場合故障してしまうので注意しなければなりません。
そこでここでは、CPUの温度が高くなるとどうなるのか、4つの事例を紹介します。
熱暴走は、内部の通気性を確保しにくいノートパソコンで発生しやすいです。ノートパソコンを日常的に使用する方は、よくチェックしておきましょう。
突然シャットダウンする
パソコンが熱くなると、CPU(中央演算処理装置)が動作を停止し、自動的にシャットダウンするよう作られています。
作業中のデータを保存する猶予もなく、突然パソコンの電源が切れてしまう場合もあるため、こまめなバックアップは必須です。
大切なデータを失わないためにも、パソコンの温度は適温に保つのが大切ですよ。
電源が入らなくなる
高温の状態でパソコンの電源を入れようとしても、うまくいかないことがあります。特に強制的にシャットダウンした後は、温度が下がらないと電源が入りません。
また突然のシャットダウンを繰り返した結果、パーツやデータがダメージを受けて、パソコンが故障してしまう場合もあります。
パソコンの処理能力が低下する
パソコンは、熱暴走すると処理能力が低下します。特にCPUが複雑な処理をすればするほど、熱が下がりにくく処理能力は低下するので、覚えておきましょう。
このような場合は、パソコンの動作が重くなったり、ブルースクリーンになったりします。パソコンがフリーズして動かなくなることもあります。
パーツの寿命が短くなる
CPUに限らず、PCのパーツのほとんどは熱に弱いです。
特に半導体は熱に弱く、高温になるほどパフォーマンスが落ちます。場合によっては、誤作動を起こす場合もあるので、注意してください。
高熱によって、はんだ付けされている部分が溶け出すこともあります。固定されていた部分が緩くなり、接触不良を起こします。
そうなると部品の交換や、パソコンそのものの買い換えが必要になります。 パーツが壊れる前に、熱暴走の対策をしましょう。
発火する
最悪のケースは、パソコンの発火です。 パソコンが熱暴走し続けると、内部でショートが起こります。このときパーツの周囲にほこりがたまっていると、ホコリに引火して発火するのです。
まれなケースとはいえ、気をつけるに越したことはありません。
不具合が続くならパソコン修理のプロに相談

出典:PCホスピタル
「自分でできる対処方法を試してみたけれど、一向に熱が下がらない」「何度も不具合が発生する」というときは、パソコントラブルのプロに相談してみましょう。
「PCホスピタル」は、年中無休&最短即日で全国対応しているパソコントラブル解決サービスです。 持込修理・出張修理・宅配修理に対応しており、24時間WEBでの受付も可能なので、いざという時はすぐに相談してみましょう。
修理依頼の流れ
- まずはフリーダイヤル・WEBで相談
※電話受付時間 9:00~21:00(年中無休) - パソコンで困っている内容を伝える
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- 希望の日時を伝えて訪問日時を決める
- 予約当日に現地で診断・見積り
- 見積り了承後に修理
PCホスピタルの口コミ・評判や料金体系について、詳しく解説している記事もあります。併せて参考にしてください。
CPUの温度が上がる前に!事前にできる対策4選
CPUには冷却ファンがついており、ある程度の熱を発散するようになっていますが、それだけでは足りない場合もあります。
そこでここでは、パソコンの温度を下げる方法を4つご紹介します。
パソコンを周りから離して設置する
デスクトップパソコンの場合、パソコン本体周辺に物がない状態にしましょう。 パソコン本体の背面や側面には通気口があるため、物で遮られると排熱できず高温になります。
パソコン本体を壁際に設置することは多いですが、排熱の観点からはあまり理想的ではありません。 通気性のいい場所に移動するか、隙間を空けて置くようにしましょう。
また、日光を当てないためにも、窓際には設置しないようにしてください。 家の外側と接している壁も、日光で熱をためこみやすいので、避けたほうが無難です。
同様のことは、ノートパソコンにも言えます。机の上を整理し、窓際で使わないようにしましょう。
PCケースを足元に置く
デスクトップ型を使用している場合、PCケースを床に近い高さに置きましょう。暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと流れる性質があるからです。
お住まいの地域や環境にもよりますが、部屋の天井付近より、床付近の室温が5~10℃以上低くなるケースもあります。
床の近くに置くことで、PC周りの温度を多少下げるのに役立つのでおすすめです。ただし、足で蹴ったり、椅子をぶつけたりしない位置に置くように注意してください。
床に直置きするのではなく、台の上に載せると、床にたまったほこりが内部に入りにくくなります。
冷却のためのグッズを購入する
ノートパソコンの場合は、本体の下に敷いて使うUSB式の冷却ファンが市販されています。直接冷やせますが騒音も出るので、オンライン会議やビデオ通話を行う際は、注意してください。
冷却ファンの音が気になるなら、ノートパソコン用の冷却シートを貼るのもおすすめです。アルミなど熱伝導のいい素材でできていて、パソコンからの熱を吸収し放熱します。
ただし、これだけで劇的な効果を見込むのは難しいので、他の方法も併用しましょう。
デスクトップパソコン用のCPU冷却ファンもあります。安価で取り入れやすい空冷方式のものと、やや高価であるものの、安定した効果が望める水冷方式のものがあるので、確認してみてください。
黒い色を避ける
パソコンは黒い色をしたものが少なくありませんが、温度を下げたいのであれば黒い色は避けましょう。黒色は熱をため込みやすく、カーテン越しに日光が当たるだけでも、PC内部を温めてしまうからです。
デスクトップパソコンのBTOパソコンなどであれば、白っぽい色のケースを購入し、ケースだけ入れ替えることも可能です。
すでに黒いパソコンを使用している方は、買い替えの際に白やシルバーなどを選ぶことも、熱対策になるでしょう。
まとめ
この記事で分かったこと
パソコン内部のCPUなどの温度が上がると、熱暴走を起こし、エラーや強制終了、最悪はパソコンの故障を招きます。
温度を下げるには、冷房や扇風機などで物理的に冷やすほか、通気をよくすることが大切です。
置き場所を変えたり、掃除をしたりしてみましょう。余裕があるなら、CPUのグリスの塗り直しなども検討してください。
自信がない作業は、「PCホスピタル」のようなパソコン修理業者に依頼するほうが無難です。
一つの対策では目覚ましい効果がなくても、複数の対策を組み合わせることで、パソコンの温度を上手に管理していきましょう。
パソコンの中でも人気の高いSurfaceが熱いときの対処方法も紹介しています。
こちらもぜひ参考にしてくださいね。

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