床暖房をリフォームしたい!メリットや設置の流れと注意点を紹介

床暖房をリフォームしたい!メリットや設置の流れと注意点を紹介

床暖房は、床に座る生活が多い日本の住宅に適した、暖房設備です。
床暖房は新築時だけでなく、リフォームして新たに設置することもできます。
快適で暖かい床暖房で、居心地のよい空間を作りましょう。

床暖房のメリット

家の中では靴を履かない日本人にとって「床暖房」は日本の住宅に適した暖房設備です。
床暖房はさまざまな面でメリットが多く、床暖房設備のある新築家屋も増えています。
床暖房は新築時だけでなく、リフォームして新たに設置することもできます

床暖房と普通の暖房器具の違いや、床暖房の良さがよくわからないという方に、床暖房が他の暖房器具と比べてどのようなメリットがあるのか紹介します。

足元から温められる

エアコンや石油ファンヒーターなどの暖房で暖まった空気は上にたまりやすく、床に近い空気は冷たいままです。
暖房で顔がほてっているのに、足先が冷たいままという人もいるでしょう。
床暖房なら熱が床から放射されるため、足元から温められます。

体の表面でなく、体の芯から温まると感じる人もいます。
頭寒足熱という言葉がありますが、足元が暖かくポカポカしていれば、室温が多少低くても十分に体全体が暖かく感じられます。

換気の必要がない

石油ファンヒーターやガスファンヒーターなどの、燃焼系の暖房器具は、室内の酸素が減少するため、定期的に十分な換気を行う必要があります。
しかし換気をすると、せっかく暖めた室内の空気と、外気の冷たい空気が入れ替わることになり、室温も下がってしまいます。

その点、床暖房は燃焼系の暖房器具と違って、室内の空気を汚しません。
換気の必要がないため、お部屋の暖かい空気が逃げて、室温が下がることもありません。

乾燥しない

空気も乾燥しにくく、適度な湿度が保たれるため、肌や喉にもやさしく、健康面でも安心できる暖房器具といえます。
エアコンの暖房では空気が乾燥するため、加湿器を同時に利用する場合もあるでしょう。

しかし、室内の湿度が高すぎると、結露やカビの原因にもなります。
適度な湿度が保たれる床暖房なら、必要以上に加湿器を使う必要もありません。

安全

小さなお子さまやペットがいる家庭では、石油ファンヒーターやガスファンヒーターなどの使用中は、やけど防止のため周囲に、金属製のストーブガードで覆うこともあるでしょう。
素材や置く場所によっては金属部分が高温になり、つかまり立ちをしてやけどをしたり、倒したりした事例もあります。

床暖房なら、そのような危険がありません。
ただし、赤ちゃんが床の上に直接寝てしまうと、低温やけどのおそれがあるため、気をつけましょう。

メンテナンス不要

他の暖房機器は、フィルター掃除や給油などの、日常的なメンテナンスが必要です。
床暖房は、基本的に個人が掃除や交換などのお手入れや、メンテナンスを行うことは一切ありません。

床暖房のデメリット

これまで見てきたように、床暖房設備は他の暖房器具に比べてよい面が多く、使いやすい設備だと言えます。
しかし、少なからずデメリットもあります。

温まるまでに時間がかかる

住宅の造りや部屋の広さ、住む地域や気温などにもよりますが、床暖房は他の暖房機器と比べると、温まるまでに時間がかかります。
それを見越して、1時間前にタイマーをかけるなどすると、快適に利用できます。

設置に費用がかかる

床暖房を設置するには、設備費以外に、施工業者による工事費用が必要です。
設置面積や熱源によっても左右されますが、いずれも他の暖房器具に比べて、初期費用が多めに必要になります。

床暖房へのリフォーム方法

戸建住宅なら、床暖房への大掛かりなリフォームも可能です。
マンションなどの共同住宅では、施工方法により制限があるため、床暖房の設置が難しいと思われるかもしれません。
しかし、マンションに適したリフォーム方法で、床暖房を設置することが可能です。

戸建住宅も木造や鉄筋、1階や2階などの区別なく、床暖房が設置できます。
2種類の床の施工方法について、説明します。

張り替え

今のフローリングなどの床をそっくり剥がして暖房ユニットをはめ込み、その上に新しい床材を張り付ける方法です。
きれいに仕上がりますが、施工の手間がかかり、リフォーム費用は高額になってしまいます。

フローリングが傷んで張り替えが必要になったタイミングに合わせて、床暖房を増設するのもよいでしょう。
断熱材を使えばさらに暖房効率が上がり、ランニングコストが節約できます。

直張り

直張りや重ね張りとも呼ばれるのが、今の床の上に暖房ユニットを置き、さらにその上にフローリングなどを張る方法です。
張り替えよりも施工の手間がなく、リフォーム費用を安価に抑えることができます。

しかし、元の床との段差が生じるため、小さな子どもや高齢者が住む家庭では、つまずきを防ぐ工夫が必要です。
段差を解消して見た目を良くするためには、追加の工事が必要です。

床暖房システムの種類

床暖房システムは、大きく2種類に分かれます。
それぞれ費用や特徴が、異なります。

電熱線ヒーター式床暖房

床暖房の主流のひとつである電熱線ヒーター式床暖房は、電気カーペットのイメージに近い方式です。
フローリングの下に、電熱線のパネルを設置して、通電して床を暖めます。

これは古くから使用されている一般的な床暖房で「温度ヒューズ」や「サーモスタット」などで温度管理をするため、安全面でも定評があります。
一部分だけの施工が可能なため、場所を選ばずどこにでも設置しやすい良さがあります。

電熱線ヒーター式床暖房は、電熱パネルを敷くだけで済みます。
そのため、他の方式の床暖房に比べて施工の初期費用が安く済みます。

電力会社の契約アンペア数も上げることになれば、その分基本料金も電気使用量も上がるため、ランニングコストが高いと感じるでしょう。
しかし、電熱線ヒーター式床暖房なら、暖房エリアを切り替えることにより、使いたい部分だけのスポット暖房が可能です。
設定をこまめに見直せば、節電ができます。

温水式床暖房

温水式床暖房は、床下の温水パネルのチューブの中に、温めたお湯を循環させて、床を暖める方式です。
お湯を沸かすための熱源として、ガスや電気、灯油や大気熱などを使います。
電熱線ヒーター式床暖房と比べると、ゆっくりとした暖まり方に感じられます。

部屋全体を均一にムラなく暖められるのが、メリットです。
温水は循環させて使うため、チューブの長さや部屋数に影響されず、コストはさほど変わりません。

初期費用は、電熱線ヒーター式床暖房と比べると、かなり割高です。
床下への温水パネルの敷設と、配管工事などの手間がかかるため工期も長くなり、その分工事費用もかかります。
新たに熱源機の購入も必要で、多機能で高性能なエコ仕様のものほど、高価格です。

しかし、ランニングコストは、電熱線ヒーター式床暖房よりも格安です。
オール電化に対応した電気料金プランや、床暖房専用のプランなどを利用すれば、さらにランニングコストが安く抑えられます。

床暖房リフォームの費用の目安は?

国土交通省が公表した「リフォームの内容と価格について」という資料があります。
全国の工務店や、リフォーム会社約40社に対しての調査を集計したものです。
この部位別リフォーム費用一覧によると、床暖房の敷設にかかる設備費、材料費、工事費込みのリフォーム費用の目安は50~150万円です。
広さや熱源などについて言及はされていませんので、リフォームを実施した平均的な金額と見てよいでしょう。

出典:リフォーム内容と価格について

リフォームの相談から完成までの流れは?

リフォームで気になるのは、費用のほかに自宅がどのような状態になり、普通に生活ができるどうかという点です。
工事が始まれば、その部屋は使うことができません。

部屋に置いてある家具を移動しなければならないため、他の部屋に移動させるなら、その部屋もふさがって使えない可能性があります。
少なからず日常生活に支障が出るため、どのタイミングで工事をしたいかを検討することが重要です。

床の全面張り替えは、既設の床材をすべて剥がして撤去してから、施工します。
工期に間に合わせるためには、余裕を持ってリフォーム会社と相談する必要があります。

床下の状態によって、補強や加工、断熱材の敷設などが、必要になる場合があります。
その後、床暖房放熱器を設置し、フローリングなどの床仕上げ材を設置します。

全面張り替えの一般的な工期は、4~5日です。
直張りは、今の床の上に暖房パネルを設置する方法で、工期は1~2日で済みます。

最大で床面が25mm程度高くなります。
その段差を解消したい場合は、ドア下を切ったり、掃き出し窓の加工をしたりなどの建築工事が必要になるため、さらに工期が延長される可能性があります。

リフォーム会社との相談から、床暖房設置完了までの流れは、現地調査や説明、見積もり、比較検討、契約などを含め、トータルで2ヶ月程度かかることを、想定しておきましょう。
複数のリフォーム会社に相談することを考え、早めにご相談されることをおすすめします。

床暖房リフォームの注意点

分譲マンションをリフォームする際は、必ずマンションの管理規約を、確認しましょう。
使用するフローリングの遮音性能の等級が、規定されていることがあります。

規約によっては、リフォームの内容が制限されます。
管理組合やリフォーム会社とで、十分なすり合わせを行ったうえで、進めることが大切です。

床暖房のパネルの上には、重たい家具や接地面の広い家具を、置かないほうが良いと言われています。
ピアノなどを置く場合は、熱による影響でピアノに使われている木材の反りや収縮により、音の狂いが生じやすくなります。

断熱ボードや、その部分だけパネルを敷くことを避けるなどの、注意が必要です。
リフォームの際には、どこにどのように家具を置きたいかを、十分に検討しておきましょう。

床暖房は、室温を急速に上げることはできません。
寒い外から帰宅したときにすぐに暖まりたい場合は、床が暖まるまでは、他の暖房器具と併用することがおすすめです。
あるいは、タイマー運転で早めに暖めておくか、スマート化して外出先から、遠隔操作可能の機能をつけるとよいでしょう。

まとめ

床暖房は他の暖房器具と比べると、安全で換気の必要もなく、メンテナンスもほぼありません。
いっぽうで初期費用が、かかってしまいます。

床暖房の特徴をよく知ったうえで、床暖房にリフォームするかどうか決めましょう。

床暖房の設置費用は、住宅環境や設置場所、施工方法により異なります。

また、リフォーム会社によっても、工事費用が違う場合もあります。

後悔しないためには、複数のリフォーム会社から見積もりを取ることを、おすすめします。
床暖房のリフォーム費用だけでなく、説明や提案、施工方法などをよく聞き、実績の豊富な納得のいく業者と契約しましょう。

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