土壁をきれいにリフォームするには?工事の方法や費用を解説

土壁をきれいにリフォームするには?工事の方法や費用を解説

調湿性や防火性など、様々な機能を備えている「土壁」。
便利ではあるものの、古くなるにつれてぽろぽろと剥がれ落ちてくるため掃除が大変です。
この記事では、土壁をリフォームする方法や工事費用などを詳しく解説します。

土壁とは?

土に砂や藁を加えて水で練り、その土で塗り固めた壁を土壁といいます。
土壁は古くから日本で利用されてきた壁のひとつです。
洋風の住宅が増えるのに伴って使用機会が減少していましたが、最近ではその機能性が見直され、再び注目を集めるようになりました。

土壁のメリット

土壁は、室内の湿度を調節してくれるなど、便利な機能をたくさん兼ね備えています。
ここでは土壁の代表的なメリットを見ていきましょう。

高温多湿な日本の気候に合わせ、昔から使われていた土壁には「調湿性」というメリットがあります。
土壁に使用される素材としては珪藻土(けいそうど)が多く、珪藻土は湿度が高い時に水分を吸収し、反対に空気が乾燥しているときには水分を放出してくれます。

土壁の表面には細かい気泡が空いており、室内外の空気を入れ替えてくれる働きも持っています。
気密性が高い現代の住宅では適度に換気する必要がありますが、土壁ならその手間がかかりません。

現代の住宅に使われる建材には「ホルムアルデヒドな」どの化学物質が多く含まれており、近年はこれらの有害物質に起因する「シックハウス症候群」という健康障害が問題視されるようになりました。
土壁にはこうした有害物質を吸収する性質があり、シックハウス症候群を予防できる壁材として注目を集めています。

ほかにも、不燃物質の土でできているため防火性に優れるほか、表面に凹凸があることから空気に触れる面積が大きく、消臭効果を持つのも特徴です。

土壁のデメリット

数多くのメリットを有する土壁ですが、いくつかデメリットもあります。

例えば、土壁は少しの振動や圧力を受けただけでも、ヒビが入りやすいのが特徴です。
劣化が進むと土が剥がれ落ちて土埃が生じることから、掃除の手間がかかるほか、土埃が空気中に舞い上がるとアレルギーの原因に繋がることもあります。

湿度によって土を乾燥させる時間や土の粘度を調整する必要があり、職人の技術によっては完成後の強度に差が出ないとも限りません。
土壁をリフォームするなら、できるだけ経験豊富な職人のいる業者に依頼することが大切です。

リフォームするべきタイミング

土壁は長く使用するにつれて劣化が生じてきます。
例えば、調湿性や強度が衰えることで土がぽろぽろと剥がれ落ち、修理しない限りはそこから劣化が広がってしまいます。
強度が下がった状態で強い衝撃を受けると、壁の一部が崩れてしまうこともあります。
土壁の剥離が気になり始めたら、早めにリフォームを検討しましょう。

調湿性の低下はカビの発生にも繋がります。
カビは黒くて丸いシミのような状態で壁に付着し、放置していると手垢や汚れなどを養分として次第に繁殖していきます。
カビの問題は上からクロスを重ねるだけでは解決できず、アレルギーを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
カビを発見したら、範囲が小さいうちに対策を取りましょう。

リフォーム方法と費用

土壁のリフォーム方法は大きく分けて3種類あり「塗り壁」「クロス」「ペンキ」の順に、費用が高くなっています。
ここではそれぞれを具体的にみていきましょう。

塗り壁

まず一つ目が「塗り壁」です。
塗り壁とは、土や植物など天然の素材を原料とした壁のことで、下地の上から何層かにわたって土を塗り重ねることで仕上げています。
土壁の風合いを損なわず、調湿性などのメリットを活かせるのが特徴です。

珪藻土

珪藻土(けいそうど)とは、植物性プランクトンの化石が含まれた土のことです。
この珪藻土を使った土壁の表面には無数の穴が空いていることから、調湿性や通気性に優れるとして注目されています。
土壁の素材としてよく使われる漆喰(しっくい)と比べると質感がザラザラとしており、色のバリエーションが豊富なことも特徴です。

費用は1㎡当たり3,000~6,000円程度で、6畳の部屋であれば約6万~12万円程度の予算を見積もっておいてください。

漆喰

石灰石を原料とする漆喰には艶があり、サラッとした風合いが特徴です。
色は白が一般的で、調湿性は珪藻土よりも多少劣りますが、強アルカリ性のため高い防カビ性を発揮してくれます。
土壁のようにぽろぽろと剥がれ落ちてこないため、メンテナンスが簡単なこともメリットのひとつです。

工事費用は、1㎡当たり約3,000~4,000円が目安といわれています。
6畳の広さで下地を補強する必要がなければ、10万円前後を想定しておきましょう。

クロスを張る

メンテナンスに手間をかけたくない場合、土壁の上からクロスを重ね張りする方法がおすすめです。
クロスは色や柄などを自由に選べるため、デザインを重視したい場合にも向いています。

土壁の状態が良ければ直接クロスを張ることもできますが、凹凸を均すためにベニヤ板を打ち付けてからクロスを張るパターンの方が一般的です。
クロスは機能性によって様々なグレードがあり、どれを選ぶかによって費用が変わってきます。

ビニールクロス

クロスの中でも最もメジャーなタイプが、ビニールクロスです。
ビニールクロスは「塩化ビニール樹脂」から作られ、表面にはプリント加工や凹凸を表現する「エンボス加工」が施されています。
耐久性を高めたタイプや消臭性、通気性に優れるタイプなど様々な機能を持たせたクロスがあり、色や柄のバリエーションも豊富です。

最も安い量産品クラスなら、1㎡当たり1,000円程度から用意されており、6畳の部屋であれば、6万~8万円で施工が可能です。
「1000番台クラス」と呼ばれる一般家庭で普及しているタイプは、1㎡当たり1,500~1,800円、6畳の部屋なら10万~13万円程度の予算が必要です。

紙クロス

紙クロスとは、木材から抽出したパルプなどを原料とし、表面にエンボス加工やプリント柄を施したクロスのことです。
天然素材であることから通気性に優れ、デザインの種類も豊富に展開されています。
ただし紙の特性上、水や油に弱く、トイレやキッチンなどの水回りの使用にはあまり向いていないといえるでしょう。

紙クロスは、ビニールクロスよりも薄いのが特徴です。
そのため下地の処理を念入りに行う必要があり、その分の費用がかさむことがあります。

費用は工事費含めて、1㎡当たり1,000~1,500円程度です。
撥水加工が施されたタイプは2000円~、高級な和紙を使用したタイプは1万5,000円程と素材によって幅があるため、予算と照らし合わせて選びましょう。

織物クロス

現在「クロス」というとビニールクロスが一般的になりましたが、クロスには本来「織物」という意味があり、元々は「織物クロス」が広く使われていました。
織物クロスは織り目の模様から奥行が感じられ、見た目が豪華な点が特徴です。
たて糸とよこ緯糸を織り込んで作られているので丈夫なほか、静電気が起こらないことからホコリを寄せ付けにくく、拭き掃除の手間がかかりません。

織物クロスはビニールクロスよりも施工が難しく費用も高めですが、その分耐久性があり、長く使用することができます。
費用は1㎡当たり2,500円程度が目安です。

ペンキを塗る

ペンキを使ったリフォームは、3種類の中で最も費用が安く、比較的簡単に行える方法です。
土壁の状態が良好であれば土壁の上から直接ペンキを塗ることができます。
費用をかけたくない場合はDIYで対応することもできるでしょう。

その一方、傷みや表面の凹凸が目立つ場合は一度土壁を剥がし、下地を整えてから塗っていく必要があります。
下地の補修を自力で行うのは困難なため、リフォーム業者に依頼した方が無難です。

リフォーム業者に依頼した場合、6畳の部屋であれば6万~10万円程度の費用がかかります。
DIYでの塗装であれば、業者に依頼する場合の1/3程度の価格に抑えることが可能です。

カビを取る

土壁のカビを除去するには、消毒用のエタノールや土壁にも使える専用の「カビ取り剤」を使用します。
これらをスプレーで吹きかけて乾燥するのを待ち、カビが消えていれば水拭きをして完了です。
消毒用エタノールもカビ取りスプレーも人体に与える影響は小さいため、手の届かない範囲は放置したままでも問題ありません。

これらの方法を試してもカビを除去できない場合、無理にカビを除去しようとすると土壁を傷めてしまうので、専門の業者に依頼するのがおすすめです。

DIYでペンキを塗る方法

DIYでペンキを塗るためには、下地の補修が不要なことが前提です。
手順としては、まずペンキを塗っていく前に下準備を行います。
壁周辺などペンキで汚したくない部分を養生し、壁に付いているホコリや汚れを落としたら、ペンキの密着性を高めてくれるシーラーを塗って準備完了です。

ペンキを塗る際、広い面ではローラーを使い、端の方はハケを使うと隅々まで塗ることができて便利です。
一度目に塗ったペンキが完全に乾いてから二度塗りすると、よりきれいな仕上がりになります。

仕上がり重視なら業者に頼もう!

ペンキ塗装のような単純な作業であればDIYでも対応できますが、珪藻土や漆喰を使って壁を塗り固めたり、下地補修をした上でクロスを張り合わせたりする作業にはしっかりとした技術が必要です。
自力で試して万が一失敗した場合、修復が困難になるケースもあり、業者に修理し直してもらうとなると二重にコストがかかってしまいます。
少しでも不安がある人や仕上がりの美しさを重視したい人は、専門のリフォーム業者に工事を依頼した方が費用や時間の面でも効率的といえるでしょう。

まとめ

土壁をリフォームするには、珪藻土や漆喰で塗り固める方法のほか、土壁の上からクロスを張り重ねたりペンキで塗装したりする方法があります。
塗り壁でのリフォームなら、本来の風合いや調湿機能などを活かしながら見た目を回復させることが可能です。
クロスはデザインが豊富、ペンキは費用が安く、DIYでも比較的簡単に作業できるという特徴があります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、予算との兼ね合いで最適な方法を選ぶとよいでしょう。
またリフォームを業者に依頼する際は、複数社から見積もりを取り、工事内容や対応の丁寧さなどを比較しながら最適な業者を選ぶことをおすすめします。

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