「購入後、ベルトの長さが合わず着けられなかった」「体形が変わりベルトを調整したい」ということはないでしょうか。
時計修理店に持ち込めばすぐに調整してくれますが、自分で調整することも可能です。
この記事では、自分で腕時計のサイズ調整をする方法を解説するので、参考にしてください。
この記事で分かること
INDEX
まずはベルトの適正サイズの測り方を知ろう!
腕時計のサイズ調整の方法を紹介する前に、まずは自分の手首周りのサイズを測る正しい方法を紹介します。
適正なサイズを知っていれば、腕時計を購入するときやサイズを変更するときに、スムーズな調整が可能です。
腕周りの正しい測り方とは
まず、メジャーやヒモ、細長い紙など、手首の周りを1周できる長さのものを用意します。
次に、それを手首に沿わせながら巻き、ちょうど一周したところに印をつけましょう。
測定場所は、手首にあるこぶの下あたりが一般的です。測定する腕は力を入れないようにし、自然にリラックスした状態で測ります。
メジャーと腕との間にすき間ができないように、少し食い込ませるようにしてきっちり測るのがポイントです。斜めにならないよう、腕に対して垂直に巻きつけながら測ります。
人差し指が入るくらいのゆとりを持たせよう
上記の手順で測定したサイズは、手首周りの実寸であり、そのまま腕時計のベルトの長さになるわけではありません。
ベルトの適切な長さは、人差し指が1本入るくらいのゆとりを持たせるのがよいといわれています。
腕とベルトをいつも密着した状態にしていると、部品が汗の影響を受けやすくなり、サビや腐食の原因となります。
あまりにきついと取り外しをする際にも余分な力が必要で、故障の原因となることがあるので、気を付けましょう。
金属ベルトの調整方法
ベルトの長さを調整する方法を見てみましょう。「金属ベルト」と「革ベルト」では方法が異なるため、別々に取り上げます。
まずは金属ベルトの調整方法からです。
簡単調整ベルト
金属ベルトの中でも簡単なのが「簡単調整機能」がついたものです。
簡単調整機能は、「CITIZEN(シチズン)」であれば「シンプルアジャスト」、「SEIKO(セイコー)」であれば「らくらくアジャスト」という名がついています。
これらの簡単調整機能がついた腕時計は、商品を購入したときに、調整工具や説明書がセットとしてついてきます。
説明書を読みながら手順通りに進め、好きな長さに変更しましょう。
スライド式ベルト
スライド式とは、留め具がスライド式になっているもので、比較的簡単に調整できます。
必要なもの
- マイナスドライバー
- 留め具部分にドライバーを差し込み、テコの原理でレバーを押し上げてロックを外す
- 留め具をスライドできるようになるので、好きな位置に動かしてセットする
- 場所が決まったら、最初と逆の手順で留め具を固定する
- 留め具がしっかり固定されたことを確認する
ピン式ベルト
「ピン式ベルト」とは、コマの側面にピンを打ち込んで、コマ同士を連結しているタイプです。
コマの側面に小さな穴があり、裏側に矢印マークが刻印されているものは、ピン式ベルトと判断できます。
必要なもの
- ピンセット
- ピン外し
- ハンマー
- バンドホルダー
- バンドホルダーに腕時計をセットし、ピンの場所を確認する
- ピンにピン外しを当て、ハンマーでピン外しを打ってピンを抜く
- 余分なコマを全て外したら、つなぎたいコマ同士を合わせる
- ピンの通り道をそろえたら、ピンを差し込んでハンマーで打っていく
- 残り3mm程までピンが入ったら、ピン外しをピンに当てて奥まで打ち込む
ネジ式ベルト
「ネジ式ベルト」とは、金属ベルトのコマとコマが、ネジで留められているものです。
コマの側面にネジ溝があり、裏側に矢印の刻印がないものは、ネジ式ベルトです。
必要なもの
- 精密ドライバー
- ピンセット
- 不要なコマのネジをドライバーで反時計回りに回して緩める
- 不要なコマを外したら、つなぎたいコマ同士を合わせる<
- 最初と逆の手順で時計回りにネジを締めて、コマ同士をつなぐ
革ベルトの調整方法
革ベルトの腕時計の場合、留め具用の穴がもとからいくつか開いているので、調整しないケースも多いでしょう。
しかし、サイズが合わない場合には、調整が必要です。革ベルトのサイズ調整方法は、金属ベルトとは少し異なります。
革ベルトの場合は、大きく分けて「革ベルトに穴を開ける」「ベルト自体を交換する」という2種類の方法があります。
革ベルトに穴を開ける
革ベルトへの穴開けは失敗ができないため、基本的には時計修理業者への依頼をおすすめします。
それでも自分で行う場合は、適切な道具を用意して慎重に行いましょう。
必要なもの
- レザーポンチ
- ハンマー
- ゴム板・下敷きなどの台になるもの
- 台の上に腕時計を置き、穴を開けたい場所を決めて印をつける
- 位置を決めたらレザーポンチをあて、ハンマーでたたき穴を開ける
革ベルトを交換する
ベルトに穴を開けたくない場合は、ベルト自体を交換するという手もあります。
必要なもの
- バネ棒外し
- 初めに時計とベルトの接合部に穴が開いているかどうかを確認する
- (穴がある場合)I型のバネ棒外しを差し込み、ベルトを軽く引っ張るようにしてバネ棒を外す
- (穴がない場合)Y型のバネ棒外しを差し込み、バネ棒をベルト方向に緩めるようにしてバネ棒を外す
- 交換するベルトをセットし、バネ棒を差し込んで取りつける
セルフのサイズ調整はデメリットも多い!
サイズ調整の仕方が分かると「自分でやってみよう」という気になるかもしれません。
確かに自分で簡単にできるのであれば、修理専門店などに向かう時間もかからず費用も不要なため、お得に感じます。
しかし、セルフのサイズ調整にはデメリットも多いことを、知っておきましょう。
以下に、特に気をつけるべき3つの注意点を紹介します。
ケガや破損、故障のリスクがある
ハンマーで打つ、レザーポンチで穴を開けるなどの行程には、危険が伴います。
慣れていない方が作業すると、誤ってハンマーで指をたたいてしまうなどケガをすることがあるので、十分気をつけましょう。
ベルトのコマからピンを抜く作業は、テコの原理を使うとうまくいくものが多く、コツがあります。
ピンを打ち込む際も、初心者は適度な力加減をつかむのが難しいでしょう。
またネジを緩めるときも、新品の時計などは接着剤がついていて、非常に固いことがあります。こうした場合、無理に力を入れてしまうと、時計が故障してしまうことがあります。
大切な時計を傷つけたくないのなら、自分で手を加える前に時計修理業者に依頼しましょう。
意外と費用が高い
自分でやった方が安くできると考え、サイズ調整にチャレンジしてみようと思う方も多いかもしれません。
しかし、サイズ調整をするには専用の器具が必要です。持っていなければ、ホームセンターなどで新しく購入する必要があります。
価格の例を挙げると、ピン外しは500円前後、精密ドライバーは1,000円前後、ピンセットは1,000円前後です。
インターネットでは、こうした工具がセットでかなり安く販売されていることもありますが、品質が悪くトラブルの原因となる可能性があるので、おすすめできません。
時計修理業者に依頼した場合、かかる費用の目安は1,500円程度です。
必要なものをすべて揃えると、業者に依頼するよりも高くなってしまったというケースもあります。
費用をできるだけ抑えたいのであれば、いくつかの修理業者を比較して、良心的な値段の時計修理業者を選びましょう。
細かい部品は紛失しやすい
腕時計には、コマとコマをつなぐピンや、時計とベルトをつなぐバネ棒など、細かい部品がたくさんあります。
腕時計の構造がきちんと頭に入っていなかったり、部品の扱いに慣れていなかったりすると、細かな部品を紛失してしまうこともあるでしょう。
たとえば、外したネジやピンをなくしてしまうと、コマとコマをつなげなくなってしまいます。
こうしたことが起きないように、細かな部品の取り扱いには十分に注意を払うことが必要です。
腕時計のベルト調整の方法とは?まとめ
腕時計のベルト調整といっても、その方法はベルトの素材や留め具の種類などによって、異なります。
金属製の簡単調整ベルトやスライド式ベルトなら、準備するものが少なく手順も簡単なので、ぜひチャレンジしてみましょう。
それ以外の腕時計については、自分でするよりも、時計修理業者へ依頼するのが安心です。豊富な知識や経験を活かして、大切な腕時計をスピーディーに調整してくれます。
近くの時計修理店がわからないといった場合は「最安修理ドットコム」を使って、検索してみましょう。
日本最大級の修理店情報サイト「最安修理ドットコム」に掲載しませんか?
最安修理ドットコムには以下の強みがあります!
- 掲載店舗数約2万店舗
- 修理サポート記事1,600本
- クチコミ数23万件超え
iPhoneをはじめとしたスマホやパソコン、車や時計、鍵や水まわり等あらゆる修理店情報を掲載しています。
掲載ご希望の修理店様はまずはお気軽にお問い合わせください。