
腕時計をぶつけたり、落としたりしてしまうとまれに表面のガラスに傷を付けてしまいます。そのまま使用していると傷が進行し最悪の場合、腕時計の故障に繋がるので早めの対処が肝心です。
腕時計のガラスに傷を付けてしまった場合、修理業者に依頼が必要かと思いますが、素材や程度によっては自分で対処が可能です。
今回は、腕時計のガラスが傷付いた場合の対処方法や、修理依頼先などについて解説するので参考にしてください。
腕時計のガラスの傷は重大な故障につながるリスクがある
腕時計のガラスの傷は、一見問題なさそうに見えても肉眼で見えないわずかな傷やひびから、水分やほこりが入り込むケースも少なくありません。
そのまま放置していると内部の機構に異常をきたし、重大な故障につながる恐れもあります。
普段から腕時計のガラスが傷まないよう、意識して扱いましょう。
いざ傷んでしまった場合も、然るべき対処を施せば、お気に入りの腕時計を長く愛用できます。
下記の記事では腕時計の修理箇所ごとの料金の相場についてまとめているので、ガラス以外にも故障箇所がある場合は参考にしてください。
腕時計の風防ガラスの種類と修理費用相場
腕時計の風防ガラスは、使われている素材によって、3つの種類に分けられます。
それぞれ特徴が異なるので、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
アクリルガラス(有機ガラス)
アクリルガラスはプラスチックや有機樹脂などの加工しやすい素材でできています。
通常のガラスと比べて非常に軽く割れにくいうえ、透明度が高い点が特徴です。
一方で、割れにくい代わりに傷やほこりが付きやすく、耐熱性にも劣る点はデメリットといえます。
かつては腕時計の風防ガラスとしてよく使われていましたが、後述する「サファイアガラス」の登場によりあまり使われなくなり、現在ではアンティーク時計の風防ガラスとして用いられることが多いです。
アクリルガラスの修理を業者に頼んだ場合、研磨に3,000~5,000円、交換に10,000円前後の費用がかかります。
アンティーク時計の修理についてもっと知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
ミネラルガラス(無機ガラス)
コップなどに使用されるガラス素材を加工して、強度・透明度などが増した素材がミネラルガラスです。
アクリルガラスより硬く、風防表面に傷が付きにくいというメリットがありますが、通常のガラスでもよくある欠けたり割れたりしやすいという特徴をもっています。
大きな衝撃を受けると粉々に砕けてしまうので、扱いには十分な注意が必要です。
ミネラルガラスは硬度が高いため、基本的に研磨依頼ができません。業者にガラス交換を頼むと、10,000~20,000円程度の費用がかかります。
サファイアガラス
人工的に生成されたサファイアを素材として作られた風防で、ダイヤモンドの次に固い硬度となっています。そのため、多少ひっかけたくらいでは傷ひとつ付かず、傷に対しては相当な強度を誇ります。
その反面、強い衝撃には弱く落とした衝撃で割れてしまうこともあります。
高級腕時計によく使用されますが、最近はApple Watchにも使用されて話題となりました。
サファイアガラスもミネラルガラス同様に硬度が高いため、交換のみの対応になります。費用相場は20,000円~となり、最も高額です。
腕時計のガラスが傷付いた場合の対処方法
腕時計の風防ガラスに傷が付いてしまった場合は、どうすればよいのでしょうか。
素材ごとに対処方法を見ていきましょう。
アクリルガラスの対処方法
アクリルガラスは、プラスチックや有機樹脂などの加工しやすい素材でできているため、軽微な傷であれば研磨によって自力で傷を消すことが可能です。
自力での研磨を試す場合は「サンエーパール」の使用を試してみましょう。
- 隙間に入り込まない様、磨きたい場所の周りをマスキングする
- セーム革にサンエーパールを少量付け、ガラス面を磨く
- 柔らかい乾いた布でサンエーパールをよく拭きとる
上記の様にとても簡単に、アクリルガラスの傷が目立たなくなります。
サンエーパールは、貴金属製品などのくすみ・すり傷の除去・ツヤ出しなどにも使用ができます。
高価な万年筆や電子機器の傷消しにも使用でき、値段も安いので1つ持っておくと色々なものに使えて便利ですよ。
ミネラルガラス・サファイアガラスの対処方法
ミネラルガラス・サファイアガラスはとても強度が高い素材ですが、下記のGLASS POLISH(PolyWatch)を使用すれば細かい傷などに限り、自分で研磨を行うことが可能です。
ただし、表面にコーティングがされている場合は剥げてしまいます。
ミネラルガラス・サファイアガラスを自分で研磨する方法は、基本的にはおすすめできませんので、DIYに自信がある方だけ試しましょう。
- 磨きたい場所の周りをマスキングする
- 磨きたい場所にREPAIR剤を付け、付属の棒と赤い紙を使用し磨く
- REPAIR剤をふき取る
- FINISH剤を付け、付属の棒と白い紙を使用し磨く
- FINISH剤を綺麗にふき取る
傷の程度により、REPAIR剤で磨く工程を増やすと効果的です。
GLASS POLISH一つで20回程度は磨けるので、手元に置いておくと安心ですよ。
腕時計のガラスの傷の修理依頼先は2つ
腕時計のガラスの傷を修理依頼する場合は「メーカーに依頼する」か、「時計修理店に依頼する」のどちらかです。
それぞれ特徴とメリットデメリットを解説します。
また腕時計のおすすめ修理店・オーバーホール専門店については、下記の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
メーカー
メーカーにガラスの傷修理を依頼する場合、純正部品を使った交換対応になります。
また、新品製造時に使われる封入装置などの機器も使えるため、時計の防水機能などを維持したままガラス交換が可能です。
ガラス交換以外にも、さまざまな点検や調整の依頼が可能で、技術や知識も確かなため安心して預けられます。
〇技術力の高さ
×保証外なら費用はもっともかかる
×交換にかかる期間が長い
時計修理店
時計修理店は、技術力が高く・メーカーよりも交換費用が安い点が特徴です。
実績も豊富なため、街の時計店などでガラス交換を断られてしまった腕時計でも、引き受けてもらえる可能性が高いでしょう。
当日修理も可能なので、近くにある際は一度相談・見積りをしてみるのがおすすめです。
〇独自の保証制度がある場合が多い
〇技術に対し費用が安い
×店舗数が少ない
購入から3~5年経過している場合はオーバーホールを依頼しよう
オーバーホールとは時計内部のムーブメントをパーツ毎に分解し、洗浄・摩耗パーツの交換・注油・調整などを行うメンテナンス方法です。
部品単位まで分解し、外からでは見えない細かい汚れや不具合などを取り除けるため、定期的にオーバーホールを行うことで時計を長持ちさせられます。
オーバーホールの適切な頻度は3~5年といわれています。安価な時計ならば買い替えた方が安上がりですが、愛着がある・高価な時計の場合はオーバーホールを依頼しましょう。
腕時計のオーバーホールや費用相場について紹介している記事もあるので、併せてご覧ください。
豊富な実績を持つオーバーホール専門業者「リペスタ」

出典:リペスタ
国家資格である1級時計修理技能資格とキャリアを持つ職人が在籍し、それぞれ得意分野のメーカーの時計を修理してくれるのが「リペスタ」です。
充実した設備環境で、各時計の修理マニュアルにそって修理するので、メーカーと遜色のない高品質なオーバーホールを提供しています。
高い技術力を持ちながらも費用の安さ・納期の速さがリペスタの特徴。見積りが無料なので、気軽に依頼できるのもうれしいポイントです。
費用 | 25,300円~ |
---|---|
保証期間 | 1年間 |
納期 | 30日~ |
リペスタの口コミ
ここでは、リペスタの口コミを紹介します。
- ネット修理は初めてで不安でしたが、写真で受取り連絡をくださり、そこから信頼にかわり安心して修理をお願いすることができました。きっちり動くようになって戻ってきて、本当にありがとうございました。
- 外観も綺麗になり、新品のような気持ちで本日から稼働しています。本当にありがとうございました。また、機会がありましたらよろしくお願いします。
- ネットでの修理依頼は初めてで不安でしたが、メール連絡もこまめにいただき不安が安心にかわり、届いた時計を見ると信頼にかわりました。本当にありがとうございました。
出典:リペスタ
メーカー修理の最大60%OFF!オーバーホール専門店「CIEN」
など大阪・東京新宿・郵送で対応-www.cien-watch.com_.png)

出典:Cien
オーバーホールを行う時計技術者・仕上げ(磨き)とそれぞれ専任の修理技術者が在籍するのが「Cien」です。
時計修理に使用する部品は、すべてメーカー純正の部品を使用しています。
高級腕時計の修理・オーバーホールだけを行っている業者なので、オーバーホールにかかる期間は約3週間と短く、安心の1年間品質保証も付いています。
費用 | 27,500円~ |
---|---|
保証期間 | 1年間 |
納期 | 3週間~ |
CIENの口コミ
ここでは、CIENの口コミを紹介します。
- とても綺麗に仕上がっていて感動しました。深い傷もかなり目立たなくなり、満足です。二十数年前に結婚の結納返しに妻よりもらった思い出の時計ですが、これでこれからも長く使えます。
- 無事届きました。ありがとうございました。次回のオーバーホールも、お願いしたいと思います。大変満足な仕上がりでした。
- 修理頂いたロレックスを無事受け取り致しました。新品かと思うくらい綺麗に直して頂き、感動しました。本当にありがとうございました。
出典:CIEN
腕時計のガラスに傷があると内側に水滴が付くことがある
腕時計のガラスに傷がつくと、肉眼では見えないわずかな隙間から内部が浸水してしまうケースがあります。
その場合は、風防ガラスそのものの交換が必要なので、自分では対処せず修理業者に依頼しましょう。ほかにも、腕時計のガラス交換の費用相場について紹介している記事もあるので、併せてご覧ください。
腕時計が水没したときの対処法について解説した記事もあるので、こちらも参考にしてください。
腕時計のガラスの傷は進行する前に修理をしよう
今回は、腕時計のガラスが傷付いた場合の対処方法や、修理依頼先などについて解説しました。
細かい傷については、紹介した研磨剤を使用すれば自分で修復可能です。自分で直す自信がない・研磨では直しきれない深い傷の場合は「リペスタ」や「Cien」の様な時計修理店に修理依頼をしましょう。
すでに腕時計を使い始めて3~5年経っている場合は、ガラス交換と同じタイミングでオーバーホールがおすすめです。
ぜひこの記事を参考に、腕時計のガラス修理を行ってくださいね。

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