
現行の時計とは違い「アンティーク時計」には、一点ごとにレトロな味わいや魅力があり、大事に使いたいものです。
しかし、実際にアンティーク時計を使用するには、普段の使用方法のほかにも業者によるメンテナンスが必要です。
この記事では、アンティーク時計の修理・メンテナンスにかかる値段や、メンテナンス方法について解説します。
アンティーク時計の修理にかかる値段は?
一般的に1970~80年代以前に作られた時計をアンティークといいます。既に半世紀近い年数が経っているため、パーツの劣化・故障によるパーツ交換は必須です。
アンティーク時計のパーツは手に入りにくく、技術者が自作する場合もあり、パーツ交換にかかる費用はかなり高くなる傾向にあります。
アンティーク時計はメーカーに修理・オーバーホールを断られるケースが多いので、ここでは時計修理業者のALLU WATCH REPAIRの修理・オーバーホール料金を紹介します。
修理メニュー | 価格 |
---|---|
外装研磨 新品仕上げ | 20,000円 OHとセットで半額 |
外装研磨 ライトポリッシュ | 8,000円 OHとセットで半額 |
外装修理 | (1箇所)3,000円~ |
オーバーホールの料金は、以下の通りです。
タイプ | 価格 |
---|---|
スタンダード ロレックス・オメガなど | 39,000円~ |
プレミアム パネライ・フランクミュラーなど | 48,000円~ |
ラグジュアリー オーデマピゲ・パテックフィリップなど | 68,000円~ |
通常、腕時計のオーバーホールは20,000~50,000円、高級ブランド時計で50,000~120,000円程度ですが、パーツ代も含めれば更に費用がかかります。
下記の記事でも、全国対応可能なおすすめの腕時計修理業者の費用相場をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
アンティーク時計の修理方法
アンティーク時計の「リューズ」や「ガラスケース」など、見た目で分かる外部パーツの故障や不具合は、修理交換で対応します。
外部パーツに異常がないのに、時計が正常に動かない場合は、内部パーツの点検が必要です。
以下、アンティーク時計の修理方法を紹介します。
アンティーク時計の修理方法
ほかにも、腕時計の修理箇所ごとの料金の相場についてまとめた記事があるので、故障した箇所だけの修理費用の参考にしてください。
リューズの交換
リューズは「手巻き式時計」のゼンマイを巻く、小さな丸いパーツです。
手巻き式時計は、内部のゼンマイを巻き上げるために、リューズを定期的に回す必要があります。
アンティーク時計を長年使用していると、リューズや中の巻芯が取れてしまうことがありますが、消耗品なので修理・交換が可能です。
自分で取り付けると内部パーツを傷つけたり、取り付けが甘くて水滴が入ったりするので、時計修理業者に修理してもらいましょう。
下記の記事では、腕時計のリューズが固くて動かない場合の対処法をまとめているので、修理依頼前に一度確認することをおすすめします。
ガラスケースなどの修理・交換
アンティーク時計の文字盤を覆うガラスケースのひび割れや傷、ガラスケースの周囲のパーツの破損も、修理・交換が可能です。
アンティーク時計のガラスケースの交換は、比較的簡単と言われますが、時計の破損状況でも対応は変わるため、時計修理業者に相談しましょう。
腕時計のガラスに傷が付いた場合の対処法についてはこちらの記事で解説をしているので、参考にしてください。
ベルトやピンの交換
アンティーク時計本体だけでなく、ベルトやピンも経年劣化の影響を受けます。
ベルトは本革や金属などさまざまな素材があり、自分で交換もできますが、アンティーク時計は慎重な取り扱いが必要です。
生産が終了した純正パーツを個人で入手することは困難ですが、メーカーとつながりがある修理店なら、手に入る場合があります。
スキルの高い修理技術者はベルト全体ではなく、破損した部分のみ修理も可能で、その分費用を安くできます。
腕時計のベルト交換の依頼先・費用についてまとめた記事もあるので、ぜひご一読ください。
アンティーク時計を蘇らすオーバーホールとは
そもそも時計のオーバーホールとは、時計内部のムーブメントをパーツ毎に分解し、洗浄・摩耗パーツの交換・注油・調整などを行うメンテナンス方法です。
部品単位まで分解するので、外からでは見えない細かい汚れや不具合などを取り除けるため、定期的にオーバーホールを行うことで時計が長持ちします。
下記の記事では、腕時計のオーバーホールはなぜ必要かについて解説しているので、気になる方はこちらもご覧ください。
オーバーホールで故障の原因を特定できる
アンティーク時計の動きや時刻のズレの不具合は動力部分に原因があることが、考えられます。
ゼンマイが自動巻き式の場合は、定期的に身に着ければほぼ半永久的に動き続けますが、2日以上身に着けないと針が止まります。
あまり使用しない場合は、ゼンマイ巻き上げ装置(ワインディングマシーン)を使う方法がありますが、デリケートなアンティーク時計にはおすすめできません。
手巻き式は定期的にリューズを回して、ゼンマイを巻き上げる作業が必要です。
これらの作業をきちんと行っても、不具合が起きる場合は、オーバーホールで動力部分の点検・清掃を行い、原因箇所を特定するしかありません。
修理後も定期的なオーバーホールの必要性
アンティーク時計の故障をオーバーホールで修理した後も、定期的にオーバーホールを行うようにしましょう。
アンティーク時計は前述した通り、純正パーツが生産中止になっている場合が多いため、定期的なメンテナンスが特に大事です。
パーツ交換が必要な場合は、新しくパーツを作成しなければならないなど、修理費用が高額になる可能性があります。
オーバーホールを定期的に行えば、パーツ交換が必要な修理を未然に防ぐことが可能です。
アンティーク時計は、3年に1度のオーバーホールが推奨されています。
下記の記事では、オーバーホール頻度の目安について解説しています。
アンティーク時計の修理・オーバーホールを依頼する業者の選び方
アンティーク時計の修理・オーバーホールは、メーカーで依頼を断られてしまうことが多いため、時計修理業者への依頼になります。
しかし時計修理業者は全国に数多くあり、その技術力は業者によりまちまちです。
ここでは、信頼できる時計修理業者の選び方を3つ紹介します。
依頼する業者の選び方
時計修理技能士の資格を持つスタッフが在籍しているか
次に、国家資格である時計修理技能士の資格を持つスタッフが在籍しているか、確認しましょう。
特に時計修理技能士1級は7年以上の実務経験、または3級合格後4年の実務経験、2級合格後2年の実務経験がないと受験資格を得られません。
オーバーホールは特別な資格がなくても依頼を受けられるので、資格を確認すれば一定の技術力が担保できます。
修理保証があるか
技術力のある技能士がオーバーホールを行っても、なんらかの事故や不具合は起きる可能性があります。
そこでチェックすべきは、修理後の保証があるかどうかです。
修理後3ヶ月~1年間の保証を設けている修理店がほとんどですが、まれに保証がないところもあります。そのような修理店は避けた方が無難です。
さらに、保証の有無だけでなく保証内容もきちんと確認してください。
万が一のためにメンテナンスの回数・期間など、細かいところまでチェックしておきましょう。
費用が納得できるものか
オーバーホールを依頼する際に気になるのは費用です。
オーバーホールにかかる費用は、業者によって大きく異なります。
またそのほかに部品代・送料などもかかるので、複数の業者に見積りを取る相見積りを行うのがおすすめです。
下記の記事ではオーバーホールの費用についてまとめているので、こちらも参考にしてください。
アンティーク時計対応のおすすめ時計修理業者3選
ここでは、アンティーク時計に対応しているおすすめ時計修理業者を3つ紹介します。アンティーク時計を修理・オーバーホールに出すときは、ぜひ参考にしてください。
おすすめ時計修理業者3選
下記の記事では、全国対応可能なおすすめの腕時計修理業者をまとめているので参考にしてください。
ALLU WATCH REPAIR

ALLU WATCH REPAIRは、全国に130店舗以上の受付窓口を持つ時計修理業者です。年間3万本以上の修理・オーバーホール実績があり、高い技術力を持った専門技士が多数在籍しています。
ALLU WATCH REPAIRには、3,000時間以上ものトレーニングが要される「WOSTEP認定」や、国家資格である「時計修理技能士1級」を取得した技士が40名以上も在籍しています。
更にALLU WATCH REPAIRで修理した時計は、内部点検・外装洗浄・防水試験を無料で実施してくれるサービスまで用意されていますよ。
料金 | 21,000円~ |
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納期 | 最短2週間~ |
保証期間 | 1年間 |
店舗数 | 130店舗以上 |
宅配受付 | ◯ |
ALLU WATCH REPAIRの口コミ
口コミや批評を探してみましたが、ALLU WATCH REPAIRの口コミは見つかりませんでした。
CIEN
など大阪・東京新宿・郵送で対応-www.cien-watch.com_.png)

出典:CIEN
オーバーホールと仕上げ(磨き)を、それぞれ専任の時計技術者が担当するのが「CIEN」です。
CIENではロレックスなどのさまざまなブランドの元技術者が、メーカー純正の部品を使用し修理します。
高級腕時計の修理・オーバーホールだけを行っている業者なので、オーバーホールにかかる期間は約3週間と短く、安心の1年間の品質保証も付いています。
高い技術力を持つ熟練職人が作業を行うため、国内トップクラスのサービス品質を自負しているのがCIENの特徴です。
料金 | 27,500円~ |
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納期 | 約3週間 |
保証期間 | 1年間 |
店舗数 | 2店舗 |
宅配受付 | ◯ |
CIENの口コミ
ここでは、CIENの口コミを紹介します。
- とても綺麗に仕上がっていて感動しました。深い傷もかなり目立たなくなり、満足です。二十数年前に結婚の結納返しに妻よりもらった思い出の時計ですが、これでこれからも長く使えます。
- IWC本日到着しました。仕上がりに大満足です。気になっていたブレス駒の固着もなくなり、極めてスムーズです。次回またお願いしたいと思います。その折りは宜しくお願いいたします。
- IWCのメンテナンスを行って頂きましてありがとうございます。金額・納期の速さともに非常にありがたく感じております。
出典:CIEN
リペスタ

出典:リぺスタ
国家資格である1級時計修理技能資格とキャリアを持つ職人が在籍し、それぞれ得意分野のメーカーの腕時計を修理してくれるのが「リペスタ」です。
充実した設備環境で、各腕時計の修理マニュアルにそって修理するので、正規店と遜色のない高品質なオーバーホールを提供しています。
高い技術力を持ちながらも費用の安さ・納期の速さがリペスタの特徴。オーバーホール実績も多数あり、見積りが無料なので、一度相談することをおすすめします。
料金 | 25,300円~ |
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納期 | 30~40日 |
保証期間 | 1年間 |
店舗数 | 1店舗 |
宅配受付 | ◯ |
リペスタの口コミ
ここでは、リペスタの口コミを紹介します。
- ネット修理は初めてで不安でしたが、写真で受取り連絡をくださり、そこから信頼にかわり安心して修理をお願いすることができました。きっちり動くようになって戻ってきて、本当にありがとうございました。
- 外観も綺麗になり、新品のような気持ちで本日から稼働しています。本当にありがとうございました。また、機会がありましたらよろしくお願いします。
- ネットでの修理依頼は初めてで不安でしたが、メール連絡もこまめにいただき不安が安心にかわり、届いた時計を見ると信頼にかわりました。本当にありがとうございました。
出典:リペスタ
有名ブランドのアンティーク時計の修理は?
「OMEGA(オメガ)」や「ROLEX(ロレックス)」などのアンティーク時計の修理は、特に注意することがあるのでしょうか?
高級ブランドのアンティーク時計の修理に関して、以下にまとめました。
メーカー修理は受け付けていない
オメガやロレックスなどの高級時計メーカーは、部品の保有期間が決まっています。
メーカーによって、製造終了後7~15年前後と短いため、アンティーク時計の修理やオーバーホールは受け付けていません。
一般的なアンティーク時計と同じく、時計修理業者に依頼します。
アンティーク時計の修理技術が必要
高級ブランドのアンティーク時計の修理は、パーツ交換や新しくパーツを作成するケースが多く見られます。
オーバーホール作業だけで、100,000円を超えるケースもあり、時計職人が交換パーツを作成すれば、さらに修理費用は高額になります。
時計修理店の中には、お得な金額で修理を請け負っているところもありますが、高級ブランドのアンティーク時計は、より高い技術や知識が必要です。
時計修理店を選ぶ際は、アンティーク時計の修理経験が豊富で、確かな技術を持っているかをチェックしましょう。
ブランドコピーのアンティーク時計は修理可能?
親戚からもらった、または家族の形見のアンティーク時計などの場合は、保証書もなく本物かコピー商品かどうか、判断できないケースがあります。
もし、コピー商品の偽物だった場合は、修理を受け付けてもらえません。
コピー商品の修理・電池交換・改造は、作業内容によっては商標法に抵触する恐れがあります。そのため日本時計輸入協会では、販売・修理店へコピー商品の受付拒否をお願いしています。
手持ちのアンティーク時計が、正規品かコピー商品か判断できないときは時計修理業者に問い合わせてみましょう。
アンティーク時計の魅力
一般的に1970~80年代以前に作られた時計と呼びますが、懐中時計から始まった腕時計は、発明されて100年ほどしか経っていません。
アンティーク時計には電池式のクオーツ時計にはない、次のような魅力があります。
アンティーク時計の魅力
レトロな価値と価格
アンティーク時計は高価品というイメージを持たれがちですが、古い中古品が多いため、価格は安いことが前提です。
ロレックスの一部人気モデルのように、プレミア価格で取引されるケースもありますが、一般的な中古モデルは、現行品より安価です。
しかし、現在は生産が終了したアンティーク時計は、価格は安くても現行品にはないユニークなモデルが揃っています。
現行品には存在しないモデル
アンティーク時計は、現行品には存在しないモデルばかりなので、他人とかぶる心配がほぼありません。
せっかく高級時計を買ったのに、同じ時計をつけている人を見かけてガッカリする、という事態を避けられます。
適度なサイズ感
最近の男性向けの腕時計は、ガラスケースの直径が40mm超えのサイズが主流です。一方、アンティーク時計で多いのは、34mmです。
現行品より小さく感じますが、手首からはみ出さず、日本人の腕周りに馴染むサイズ感があります。
カジュアルに見られる大きいサイズよりフォーマルなイメージもあるため、年齢を重ねるごとにフィットし、使いやすいサイズといえますよ。
一点ごとに異なる味わい
アンティーク時計はオーダーメイド品ではないため、世界に一つしかないわけではありません。
ただ、同じモデルでも一点ごとにそれまでに至る経緯が異なるので、一点もののような味わいがあります。
例えば50年以上前の時計でも、ずっと箱に入れて未使用状態だった場合は、現行品にはないデザインかつ、新品のような美しさがあります。
長年使用されていても、手入れをきちんとしたアンティーク時計は、経年劣化の変色が、新たな味わいを生み出します。
アンティーク時計の注意点
愛着が深まるアンティーク時計ですが、電池式のクオーツ時計に比べ、古い時計特有の問題点もあります。
アンティーク時計を使用する上での注意点をご紹介します。
防水性能が低い
アンティーク時計が作られた時代は、防水技術が十分に確立されていませんでした。
そのためアンティーク時計は、防水機能が付いていないか、付いていても防水性能は著しく低くなっています。
雨に降られたり水に濡れたりすると、時計内部に湿気が溜まり、内部パーツの劣化の原因となります。
詳しくは時計が水没したときの対処法についてまとめた記事があるので、こちらを参考にしてください。
交換パーツが手に入りづらい
アンティーク時計は作られてから年数が経っており、純正パーツは多くの場合廃盤になっています。
修理やメンテナンスで部品を交換したくても、ほとんどの純正パーツが手に入りません。
代替品を使用する場合は、仕様に合わせるために、ハンドメイドが必要なケースもあります。
そのためアンティーク時計の修理やメンテナンスには、一定のコストがかかります。
アンティーク時計のセルフメンテナンス方法
アンティーク時計は3~5年に1度オーバーホールを行うなど、適切なメンテナンスをすれば、その魅力を長く楽しむことができます。
自分でできる、アンティーク時計のメンテナンス方法もあるので紹介します。
なるべく毎日定時にリューズを巻く
前述した通り、アンティーク時計の自動巻き式は、長く身に着けていないと針が止まります。
自動巻きでもあまり使用しない場合は、手動でリューズを巻くようにしましょう。
手巻き式は毎日1回、なるべく定時にリューズをいっぱいまで巻くことをおすすめします。
汚れや汗は拭きとる
ガラスケースや時計本体の汚れは気づいたときに、乾いた柔らかい布でやさしく拭き取ります。
汗で汚れやすい革ベルトも同様です。
腕時計のクリーニングを自分で行う方法については、下記の記事で詳しくまとめているので参考にしてください。
アンティーク時計を長く愛用するために修理・オーバーホールを依頼しよう
今回は、アンティーク時計の修理・オーバーホールにかかる費用や、おすすめの時計修理業者などを解説しました。
アンティーク時計の修理はメーカーに断られる場合が多いので、時計修理業者への依頼が費用が安く納期も早いため、おすすめです。
ぜひこの記事を参考に、自分にあったアンティーク時計の修理・オーバーホールの依頼先を見つけてくださいね。

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