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日常的に肌身離さずつけている時計。
うっかり水没させてしまったり、濡れてしまった!なんて経験がある方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では「時計を水没させた時の正しい対処法」「時計の防水性に関する基本情報」「オーバーホール(分解点検)」の費用などについて、解説します。
INDEX
時計の防水性能は3種類
時計は大きく分けて「日常生活用防水」「潜水用防水」「非防水」という3つのタイプに分類されます。
通常、時計を購入する際には販売員から防水についての説明がありますが、うろ覚えという人も多いのではないでしょうか。
防水性について正しい知識を持たないまま誤った使い方をしてしまうと、内部の浸水やサビなどのトラブルを招く可能性があります。
自分の時計がどのタイプに当てはまるのか確認し、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
日常生活用防
日常生活用防水の時計は、耐えられる水圧の高さによって、ランク分けがされています。
最も防水レベルが低い「WATER RESISTANT(ウォーター レジスタント)」=耐水性は、洗顔や汗、雨などの水滴、日常生活で考えられる程度の濡れであれば耐えることが可能です。
日常生活用防水時計の中で最も防水性が高い「WATER RESISTANT 20bar」は、水深200mまでの水圧に耐えられる耐圧性を備えています。
水仕事や水上スポーツ、素潜りなどでも安心して使用することができます。
ただし、空気ボンベを使用するスキューバダイビングなどには対応していないので、注意が必要です。
潜水用防水
「ダイバーズウォッチ」とも呼ばれる潜水用防水時計は、気密性や水密性が高く、その名のとおり潜水時でも使用可能です。
潜水用防水時計には「空気潜水時計」と「飽和潜水時計」の2種類があります。
空気潜水時計には「AIR DIVER’S 100(200)m」という表示があり、100~200mの深さまで耐えられることを意味しています。
空気ボンベを使用したスキューバダイビングには使用できますが、深海での潜水には使用できません。
一方の「飽和潜水時計」には「HE-GAS DIVER’S (200~1000)m」という表示があります。
200~1000mの深さまで耐えることができ、その防水性の高さは防水時計の中で最高です。
ヘリウムガスと酸素の混合ガスを使用した、深海での潜水にも使用することができます。
非防水
文字盤や裏蓋に「WATER RESISTANT」の表示がない時計は、防水に対応していません。
洗顔や手洗いの際にかかる水滴はもちろん、湿気や水蒸気、雨にさらされるだけでも故障の原因になります。
このため、直接水に触れないよう十分な注意が必要です。
防水タイプを確認するには?
時計の防水タイプを確認するには、文字盤や裏蓋を見てみましょう。
生活用防水であれば「WATER RESISTANT」「W.R.」「WATER RESISTANT 〇〇 bar」、潜水用防水であれば「DIVER’S ○○m」という表示があるはずです。
「bar」は気圧、「m」は水深を表し、要するにどの程度の水圧、または水深まで耐えられるかを表しています。
なお、非防水の時計には、これらの印字や刻印はされていません。
中にはこの表示方法に従っていないメーカーもあるため、判断が付かない場合は、取扱説明書を確認してください。
防水対応でも水が浸入するワケ
時計は精密機器です。
防水と表示されていても内部に水が入り込んでしまうことがあり、その場合は故障の原因に繋がります。
なぜ防水時計の内部に、水が浸入してしまうのでしょうか。
パッキンが劣化している
非防水の時計はもちろん、日常生活用防水の時計でも、ガラスや裏蓋との間にあるパッキンが劣化していたり緩んでいたりすると、水の侵入を許してしまいます。
ガラス表面にひびや傷がないにもかかわらずガラスが曇る場合、原因は「パッキンの劣化」であることがほとんどです。
時計の内部に水滴がついたままにしておくと、文字盤や秒針がサビて使い物にならなくなる可能性があります。
結露が生じていたら早めに修理に出し、パッキンを交換してもらってください。
水中や水に濡れた手でリューズを操作した
腕時計には、時間や日時を調整するために「リューズ」と呼ばれるネジのような部品がついています。
時間を調整するには、このリューズを引っ張り上げたり、回したりして操作するのが一般的です。
防水時計であるにもかかわらず、内部に水が侵入してしまう理由のひとつとして、1つはこのリューズを水中や水に濡れた手で操作したことが挙げられます。
また、リューズが完全に押し込まれていない状態で水につけたりしたことなども、考えられます。
プッシュボタンがついているタイプも同様、水中で操作すると浸水のリスクを高めてしまいます。
水仕事や水中で使用する際は、必ずリューズが締まっていることを確認し、手に水滴がついた状態での操作は避けてください。
リューズについての仕組みや役割など詳しい説明は時計のリューズの仕組みや役割は?をご参照ください。
ガラスのひび割れ
落下などで時計に強い衝撃を加えると、表面ガラスに割れやひびが生じ、そこから水が浸入することがあります。
一見大丈夫そうに見えても、肉眼で見えないわずかな傷やひびから、水が入り込むケースも少なくありません。
内部の水滴が乾いたとしても、湿気が気化して残っていることもあり、再び結露が発生したり、パーツがサビびたりする原因になりかねません。
ガラスの曇りに気づいたら、すぐに修理に出すようにしましょう。
結露の原因とは?
時計が結露してしまう原因は、外部との気温差、ガラスの傷、パッキンの緩みなどがあげられます。
腕時計が結露した場合の対処法
まずは外側の水滴を拭き取りましょう。
リューズを引っ張って、時計の内部を乾燥させてください。
動作を確認し問題なく動いているようであれば、そのまま涼しい環境で乾かしてください。
汗などで濡らしてしまった場合も同様に、乾いた布やティッシュなどで水気を拭き取ります。
結露が気になる場合は、1度時計修理専門店に行きオーバーホールを依頼するのがおすすめです。
もし水没させてしまったら
防水非対応の時計は言うまでもなく、防水時計であっても水没させてしまった時には冷や汗ものです。
もし時計を水没させてしまったら、どのような対処法を取ればよいのでしょうか。
まずは水気を取って応急処置
「洗濯機に入れて回してしまった」「トイレに落としてしまった」「突然どしゃぶりの雨に見舞われた」など、時計を完全に水没させてしまったケース。
まず外側の水滴をきちんと拭き取り、リューズを引っ張って、時計の内部を乾燥させます。
本来であれば、部品がサビびつかないようパーツを分解して乾かす必要がありますが、故障トラブルの元になります。
慣れた人であっても、できるだけ自分で分解するのは避けてください。
故障に繋がる間違った対処法
よかれと思っていても、実際には状態を悪化させてしまう誤った対処法もあります。
取り返しのつかない事態を防ぐためにも、時計を水没させた時のNG行動を確認しておきましょう。
リューズを押し込む
たとえリューズの締め忘れが原因で水が入り込んでしまった場合でも、慌ててリューズをいじるのは危険です。
前述したように、リューズの隙間から余計に水分を浸入させてしまう可能性があります。
リューズを触る前には必ず外部の水分を拭き取り、押し込むのではなく引っ張って水を抜くようにしてください。
ドライヤーで乾かす
早く乾かそうとドライヤーの温風や直射日光に当ててしまう人がいますが、この行為は厳禁です。
時計の内部は密封されているため、水蒸気の通り道がなく、それだけでは内部の水分を完全に除去することはできません。
熱によって、部品の破損などのさらなる故障に繋がる恐れもあるため、絶対に止めましょう。
時計の無事を確かめる方法
時計を水没させても問題なく動いている場合やガラスの内部に水滴がついていなかったりする場合もあります。
とはいえ、一度水に浸かっている以上、本当に正常に動作しているのか不安なもの。
内側に水が入り込んでいないか確かめるには「ガラスの曇り」「秒針や目盛りの変色」「リューズやプッシュボタンの固さ」を確認してみましょう。
ガラスの内部や秒針、目盛りに変色や曇りがみられる場合、湿気が原因である可能性が高いといえます。
リューズやプッシュボタンが固くて操作しにくい場合、内側で部品が腐食して、サビが生じていることが原因です。
これらの症状がみられる時計は、メーカーや専門店に修理を依頼してください。
不安なら早めにオーバーホール(分解点検)を依頼しよう
水を拭き取って乾かすところまでは、あくまでも応急処置です。
水没などの水トラブルは、時間が経つほど、金属のサビや電池の腐食が進んでしまいます。
できるだけ早く修理店に依頼し、オーバーホール(分解点検)を行ってください。
オーバーホールの手順は、まず時計を分解し、部品を超音波で洗浄。
パッキンの交換や潤滑油の注入といった、必要なメンテナンスを行い、元通りに組み立てる作業のことです。
小さめの腕時計であれば、部品の数が100を超えることもあり、オーバーホールの作業には高度なスキルと高い集中力が求められます。
このため費用も高額になりますが、大切な時計を復活させるためには、必要な出費といえるでしょう。
時計が水没した場合の修理にかかる値段相場は?
時計専門店にオーバーホールを依頼した場合の費用相場は、モーターと電池で動いているクォーツ時計であれば、日本製が8,000~2万5,000円、外国製が2万~3万円程度です。
ゼンマイで動く機械式時計の場合、日本製が1万5,000~3万5,000円、外国製が2万~8万円程度です。
クロノグラフのように構造が複雑な時計は、10万円近くかかると考えておきましょう。
水没させた時計のオーバーホールを依頼する場合「時計の種類や水の入り具合」「製造国」「どこに修理を依頼するか」によって、費用が異なります。
修理の依頼先に関していえばメーカーは高額ですが、時計専門店であれば、メーカーの半額近い価格で修理してもらえることがほとんどです。
失敗しない修理店選びのポイント
時計専門店での修理はメーカー修理に比べて費用が安く、期間も短くて済むのがメリットです。
とはいえ、中には評判のよくない専門店もあります。
納得のいくクオリティに直してもらうためにも、良い専門店の特徴を押さえておきましょう。
専門店を選ぶ際には「メーカー純正の部品を扱っている」「修理後も一定の保証期間が設けられている」「修理実績が豊富」「1級時計修理技能士の資格を持つなど優秀な職人がいる」といったポイントに、着目してください。
まとめ
万が一時計を水没させてしまったら、まずは外側の水気を拭き取り、風通しのよい場所で乾かしましょう。
自分で部品を分解したり、ドライヤーの温風や直射日光に当てたりすると、熱の影響で余計な故障に繋がることもあります。
水気を取った後は、できるだけ早く専門の業者に修理を依頼し、オーバーホール(分解点検)を行ってください。

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