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腕時計の側面についていて、さまざまな働きをする「リューズ」。
今回はリューズに焦点を当てて、その役割や調子が悪いときの原因と対処法、リューズを操作する際の注意点について紹介します。
INDEX
そもそもリューズって何?
数ある腕時計の部品の中でも、リューズは特に大切なパーツの一つです。
「リューズ」という言葉は知っていても「それがどこにあるのか」「どんな働きをしているのか」よく知らないという人もいるかもしれません。
そこで、まずリューズの位置や、仕組みについて見てみましょう。
リューズの位置
リューズとは、ケースの側面についているつまみのことです。
一般的な時計は、3時の位置に小さな突起がついているので、すぐに探すことができます。
小さくて指で引き出しにくい場合は、爪で引っかけるようにすると、引き出しやすくなります。
リューズの歴史
リューズは漢字では「龍頭」と書きます。
龍頭とはお寺の釣鐘の綱を通す部分のことで、その名の通り竜の頭のような形状をしています。
時計の突起をリューズと呼ぶようになった理由は、江戸時代の末期から明治時代にまでさかのぼります。
その頃、ひもや鎖を通してつるすタイプの懐中時計が外国から輸入されるようになりました。
このつり下げる部分がお寺の釣鐘の龍頭に似ていることから、時計の突起も龍頭と呼ぶようになったと言われています。
この頃リューズは時計上部12時の位置にありましたが、その後右側の3時の位置が一般的になりました。
リューズの種類
リューズには「引き出し式」と「ねじ込み式」という2つのタイプがあります。
ほとんどの腕時計には、引き出し式が採用されています。
引き出し式は、時計の3時部分にある小さな突起を指でつまんで、引き出すタイプです。
一方、気密性の高さが求められる「ダイバーズウォッチ」などには、ねじ込み式が採用されています。
ねじ込み式は、その名の通りリューズがねじ込まれていて、ネジを回すようにしながら引き出します。
リューズが埋め込まれていることで、ホコリや水などが内部に侵入するのを防いでいるのです。
防水機能を守るために、リューズにロックがかけられているものもあります。
リューズの仕組み
リューズは2段階、または3段階に引き出すことができます。
リューズの位置によって作動する歯車が異なり、それによって異なる機能に作用させることができます。
リューズの役割とは
リューズには、主に3つの大きな役割があります。
どんな仕事をしているのか、ひとつずつ紹介します。
機械式時計のぜんまいを巻く
つまみが一番奥に押し込まれた通常の状態では、手巻きタイプの機械式時計のぜんまいを巻けるようになっています。
機械式時計は、定期的にぜんまいを巻かないと止まってしまうので、これは非常に重要な役割です。
リューズ側から見て右方向にゆっくりつまみを回すと「ジーッ、ジーッ」とぜんまいが巻き取られる音がするのが分かるでしょう。
40~50回ほど巻けば十分です。
近年よく出回っている自動巻き上げ式の場合もこのように手動でも巻き上げができるようになっています。
カレンダー機能の日付を合わせる
つまみを1段階引き出すと「カレンダー機能」がついた時計の日付を合わせることができます。
多くの場合、右回りに回すと日にちや曜日の表示が切り替わるので、正確な日付に合わせましょう。
カレンダー機能がついていない機種は、1段階引き上げると、時刻の設定ができます。
時刻を合わせる
つまみが一番引き出された状態では、時刻の設定が可能です。
こちらもほとんどの機種では、右回しにすると針が進んで、現在の時刻まで動かせるようになっています。
長く使っていて時刻が少しずれてしまったときや、海外に旅行して時差があるときなど、時刻合わせが必要になります。
操作方法を、しっかり覚えておきましょう。
リューズに起こるトラブルとその原因
大切な役割を果たしているリューズも、時には調子が悪くなることがあります。
リューズは時計の部品の中でも、不具合が起きやすいパーツであす。
故障してしまうと、他のパーツにもよくない影響を与えてしまうことがあるので、気をつけましょう。
以下のような症状があるときは、早めの対処が必要です。
固くて回しにくい
リューズを回そうとしても固くて回らない、または回しにくいことがあります。
つまみの動きがスムーズでない場合は、パーツの劣化や破損が起きている可能性があります。
湿度の高さや水濡れなどが原因で、サビが発生していることも考えられます。
空回りする
つまみを回しても手ごたえを感じられず、空回りするケースもあります。
その場合は、本来はリューズと連動するはずの歯車や、パーツの劣化または破損が考えられます。
構造部の潤滑油不足や潤滑油の凝固、ぜんまいの金属疲労などが原因の場合もあります。
元の位置に押し込めない
時刻設定やカレンダー設定などでつまみを引き出した後、戻そうとしても元の位置に戻らなくなることもあります。
多くの場合は、つまみ付近にゴミやホコリなどがついていることが原因です。
パーツの劣化や消耗ではなく、物理的な障害物がつまみの動きを阻害しているケースが多いので、新しい腕時計でも起こりやすいトラブルです。
本体から外れる
リューズを引き出したときや回しているときなどに、リューズが本体から外れてしまうことがあります。
リューズは「巻き芯」と呼ばれる細い芯に巻き付いていますが、この巻き芯ごと外れることもあります。
これは「つまみを引き出す際の動きにより、巻き芯の先端が摩耗している」ことや「つまみを回す動きにより巻き芯とリューズをつなぐ部分が削れてしまっている」ことなどが原因です。
リューズに不具合があるときはどうすればいい?
ここまで取り上げたような症状が起きたときは、何とかして自分で直そうとする人もいるかもしれません。
とはいえ、無理につまみを回したり素人が分解したりすると、状態が悪化してしまうこともあります。
特に気をつけたいのは、リューズが外れてしまったときです。
取れてしまったものを元の状態にしようとして無理に押し込むことはやめましょう。
特に巻き芯も一緒に取れている場合は、巻き芯が折れてしまうおそれがあるので注意が必要です。
元の位置に再接着し、きちんと固定するには熟練した技術が必要なので、素人が勝手に判断して修理するのは厳禁です。
リューズが外れた状態のままにしていると、むきだしになったネジの溝に傷がついたり、内部にホコリやゴミが入り込んだりする可能性もあります。
程度の軽い症状が、さらに大きなトラブルへと発展する前に早めに修理専門店に相談しましょう。
このほか、リューズの動きが鈍いときや元の位置に押し込めないときなども、対処方法を間違えると機械全体に不具合が及んでしまうこともあります。
トラブルの原因や、対処方法を正確に見極めるのはとても難しいでしょう。
修理には熟練した技術と細かい作業が求められるため、修理専門店に依頼するのがおすすめです。
リューズを操作する際に気をつけたいこと
リューズはとても繊細でありながら、時計の中では使用頻度が高いパーツです。
経年劣化により自然とトラブルが起こることもあるとはいえ、日頃から丁寧に扱っていればその可能性を下げることができます。
故障やトラブルをできるだけ起こさないように、操作する際には以下の点に気をつけましょう。
回転方向を確かめる
カレンダーや時刻の設定をするためにつまみを回すときは、説明書を読んで正しい方向に回しましょう。
一般的な腕時計では、日付も時刻も「右回り」に回して調整をしますが一部「左回り」が正しい腕時計もあります。
特に気をつけたいのは、時刻の調整をするときです。
右回りにしても左回りにしても、それぞれ針は逆向きに動くのですぐに設定できる方向に回そうとするかもしれません。
しかし、時刻を進める方向に回して設定するようにし、時刻を戻さないようにすることは大切です。
時刻を戻す動きは構造部に大きな負荷がかかり、故障簿原因となることもあります。
特にアンティークの時計や、古い時計には大きな負担がかかるので注意しましょう。
午前0時前後はカレンダー調整をしない
日付が変わる午前0時前後は、カレンダー機能の日付調整は避けましょう。
午前0時の前後4時間ほどは「日送り車」という日付を変える歯車が作動しているからです。
日送り車の作動中に日付を変更すると、歯車に二重の負荷がかかることになり、故障の原因になりかねません。
どうしても午前0時前後にカレンダーを変更したいときは、まず時刻を変更して午前0時の前後4時間以外に設定します。
次に日付を変更し、その後時刻を戻せば歯車に余分な負荷をかけることなく日付の変更ができます。
一部の高級ラインの腕時計では、時刻に関わりなくいつでもカレンダー調整ができるモデルも登場しています。
好きな時間帯にカレンダー調整をしたいという人は「ROLEX(ロレックス)」や「BREITLING(ブライトリング)」といったブランドのラインナップをチェックしてみましょう。
ぜんまいを巻き続けない
機械式時計のぜんまいを巻く際の注意点は、ぜんまいをいつまでも巻き続けないことです。
巻き止まりを過ぎているのにまだ巻き続けると、歯車が摩耗するとともに、リューズや構造部分に大きな負荷がかかります。
時計の寿命を早めてしまうことにもなるので、巻き終わりの感覚や適度な巻く回数を覚えて、巻きすぎないようにしましょう。
まとめ
リューズにトラブルが起きたときは、自己判断で解決しようとするのではなく、修理専門店に相談することが大切です。
リューズはとても繊細なパーツで、複数の歯車と連動しています。
技術ある修理店に依頼することで、トラブルが大きくなるのを回避できます。
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不具合が起きたときには、早めにプロに相談して、大切な腕時計を長く使えるようにしましょう。

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