クロノグラフの秒針ずれに気づいた時、壊してしまったのかと驚いてしまう方もいるかもしれません。
秒針ずれが起こる原因はさまざまですが、自分で直すことができる場合もあります。
今回は、タイプごとの秒針ずれの直し方や、おすすめの時計修理業者を紹介するので参考にしてください。
この記事で分かること
INDEX
クロノグラフの秒針ずれの直し方
クロノグラフといえば、文字盤の中に「インダイヤル」という小さな文字盤がいくつもついていて、見た目にもかっこよく人気のある腕時計です。またクロノグラフの最大の特徴は、時間の計測ができるという点。
クロノグラフは、秒針やインダイヤルに「クロノグラフ針」があり、普段は12時の位置に止まっています。
もしお手持ちのクロノグラフの秒針がリセットボタンを押しても12時の位置に戻らず、ずれた場所で止まっているなら秒針ずれを起こしています。
こうした秒針ずれを直すためには「ゼロ位置調整」と呼ばれる対処を行いましょう。
リューズを引いて調整できる状態に
クロノグラフの多くは、右側に操作ボタンが3つついています。
その真ん中にあるリューズは、ゼンマイを巻き上げたり、時間を合わせたりする際に操作するものです。
まずはリューズを引き出して、ゼロ位置調整ができる状態にしましょう。メーカーやモデルによって、1段階引き出すか、2段階引き出すか変わってきます。
2時側にあるボタンは、通常計測を行う時のスタート/ストップボタンです。
4時側にあるボタンはリセットボタンとして使われることが多いでしょう。
この2つのボタンを使って秒針ずれを直していくのですが、メーカーやモデルによってもやり方はさまざまです。
いくつかのタイプを例に紹介します。
初めにスタート/ストップボタンを押すタイプ
リューズを引き出しスタート/ストップボタンを押すと、調整できる秒針が選択された状態になります。このとき針が一周するものもあります。
スタート/ストップボタンを軽く押しただけでは、調整を始められない場合は、長押しも試してみてください。
その後リセットボタンを押すことで、選択された秒針を進めることができます。
1回押すごとに一目盛りずつ進むので、12時ちょうどになるまで進めて合わせましょう。長押しすると一気に進められます。
調整が終わったら、スタート/ストップボタンを押します。この操作で、次に調整できる秒針が選択されます。
文字盤にあるインダイヤルの中で、他にもずれている秒針があれば、この操作を繰り返すことですべて調整できます。調整が終わったら、リューズを元に戻しましょう。
ボタンによって調整できる秒針が違うタイプ
スタート/ストップボタンで「クロノ秒針」、リセットボタンで「それ以外のインダイヤル秒針」を調整できるようになっているものもあります。
リューズを引き出し、それぞれ合わせたい秒針を調整したらリューズを元に戻します。
ボタンを同時押しするタイプ
リューズを引き出したら、二つのボタンを同時に長押しします。
これで調整できる状態になるので、スタート/ストップボタンを押して針を進め、12時ちょうどに合わせましょう。
リセットボタンを押せば、インダイヤルの別の秒針が選択され、調整可能になります。これを繰り返すことで、全ての秒針ずれを直すことができます。
最後はリューズを元に戻しましょう。
リューズの引き出し方で調整できる秒針がかわるタイプ
リューズを1段階引き出すだけで、調整できる状態になります。
リセットボタンを押して、クロノ秒針を進め12時の位置に合わせましょう。他のインダイヤルの秒針ずれを直したい場合は、もう1段階リューズを引き出します。
そこで今度はスタート/ストップボタンを押すと、インダイヤルの秒針を動かすことができます。
調整が終わったら、リューズを戻しましょう。
調整が終わったら必ず確認を
ずれていた秒針を調整したら、計測機能を使ってみましょう。
リセットボタンを押して、きちんと12時の位置に秒針が戻っていれば、調整の完了です。
[スタート]→[ストップ]だけでは、秒針ずれが直っているかどうかは、わかりません。
必ずリセットボタンを押した時に、秒針が12時の位置に戻るかどうかを、確認してください。
それでも直せなかったら
このようにクロノグラフの秒針ずれは、リューズを引き出し、二つのボタン操作の組み合わせで直せるようになっています。
操作方法はメーカーやモデルによって、異なります。
紹介した方法のどれにも当てはまらない場合は、メーカーや近くの時計修理店に相談してみてください。
近くの時計修理店がわからないといった場合は「最安修理ドットコム」を使って、検索してみましょう。
エリアごとの時計修理店や、おおよその修理価格なども一覧で見られるのでとても便利です 。
クロノグラフの秒針ずれはなぜ起きるのか
そもそもクロノグラフの秒針ずれは、どうして起きてしまうのでしょうか?
数ある理由の中でよくあるのは次のようなものです。
- 時間合わせの際にずれてしまった
- 電池交換をした
- 磁気のあるものに近づけてしまった
- 強い衝撃を与えた
時間合わせをする際も、リューズを引き出します。
そのため「リューズを引き出したタイミングで誤って他のボタンを触ってしまい、秒針をずらしてしまった」というのは意外とよくある原因です。
また電池交換をした際には、基本的にゼロ位置調整をしなければなりません。これを忘れていると、秒針ずれを起こすことがあります。
磁気のあるものに近づけたり、強い衝撃を与えたりすると内部パーツに不具合が起きている可能性があります。
事態が深刻化する前に、一度時計修理業者で修理やオーバーホールの依頼を検討してみましょう。
腕時計に欠かせないオーバーホールとは
オーバーホールとは時計内部のムーブメントをパーツ毎に分解し、洗浄・摩耗パーツの交換・注油・調整などを行うメンテナンス方法です。
部品単位まで分解するので、外からでは見えない細かい汚れや不具合などを取り除けるため、定期的にオーバーホールを行うことで時計を長持ちさせられます。
オーバーホールは費用がかかるため不要と考える方もいますが、どんな時計にも必ず必要なものであり、長い目で見るととてもコストパフォーマンスに優れています。
オーバーホールは本当に不要か解説している記事があるので、気になる方はこちらもご覧ください。
オーバーホール頻度の目安は3~5年に一度
オーバーホールの適切な頻度は機械式時計で3~5年に一度、クォーツ式時計で7~8年に一度といわれています。
安価な時計ならば買い替えた方が安上がりですが、愛着や思い出がある・高価な時計の場合はオーバーホールを依頼しましょう。
下記の記事では、オーバーホール頻度の目安について紹介しているので、こちらも参考にしてください。
正規店以外のおすすめ時計修理業者3選
ここでは、正規店以外のおすすめ時計修理業者を3つ紹介します。腕時計をオーバーホールに出すときは、ぜひ参考にしてください。
おすすめ時計修理業者3選
下記の記事では、全国対応可能なおすすめの腕時計修理業者をまとめているので参考にしてください。
ALLU WATCH REPAIR
ALLU WATCH REPAIRは、全国に130店舗以上の受付窓口を持つ時計修理業者です。年間3万本以上の修理・オーバーホール実績があり、高い技術力を持った専門技士が多数在籍しています。
ALLU WATCH REPAIRには、3,000時間以上ものトレーニングが要される「WOSTEP認定」や、国家資格である「時計修理技能士1級」を取得した技士が40名以上も在籍しています。
更にALLU WATCH REPAIRで修理した時計は、内部点検・外装洗浄・防水試験を無料で実施してくれるサービスまで用意されていますよ。
| 料金 | 21,000円~ |
|---|---|
| 納期 | 最短2週間~ |
| 保証期間 | 1年間 |
| 店舗数 | 130店舗以上 |
| 宅配受付 | ◯ |
ALLU WATCH REPAIRの口コミ
口コミや批評を探してみましたが、ALLU WATCH REPAIRの口コミは見つかりませんでした。
CIEN
など大阪・東京新宿・郵送で対応-www.cien-watch.com_.png)
出典:CIEN
オーバーホールと仕上げ(磨き)を、それぞれ専任の時計技術者が担当するのが「CIEN」です。
CIENではロレックスなどのさまざまなブランドの元技術者が、メーカー純正の部品を使用し修理します。
高級腕時計の修理・オーバーホールだけを行っている業者なので、オーバーホールにかかる期間は約3週間と短く、安心の1年間の品質保証も付いています。
高い技術力を持つ熟練職人が作業を行うため、国内トップクラスのサービス品質を自負しているのがCIENの特徴です。
| 料金 | 27,500円~ |
|---|---|
| 納期 | 約3週間 |
| 保証期間 | 1年間 |
| 店舗数 | 2店舗 |
| 宅配受付 | ◯ |
CIENの口コミ
ここでは、CIENの口コミを紹介します。
- とても綺麗に仕上がっていて感動しました。深い傷もかなり目立たなくなり、満足です。二十数年前に結婚の結納返しに妻よりもらった思い出の時計ですが、これでこれからも長く使えます。
- 無事届きました。ありがとうございました。次回のオーバーホールも、お願いしたいと思います。大変満足な仕上がりでした。
- 想像以上に綺麗に仕上がっていて、とても嬉しく思っております。止まってしまってからはずっと付けずにいたので、これからはどんどん使用したいと思います。これで娘にもあげられると思うと、更に嬉しいです。本当に有難うございました。お願いして良かったです。
出典:CIEN
リペスタ
出典:リぺスタ
国家資格である1級時計修理技能資格とキャリアを持つ職人が在籍し、それぞれ得意分野のメーカーの腕時計を修理してくれるのが「リペスタ」です。
充実した設備環境で、各腕時計の修理マニュアルにそって修理するので、正規店と遜色のない高品質なオーバーホールを提供しています。
高い技術力を持ちながらも費用の安さ・納期の速さがリペスタの特徴。オーバーホール実績も多数あり、見積りが無料なので、一度相談することをおすすめします。
| 料金 | 25,300円~ |
|---|---|
| 納期 | 30~40日 |
| 保証期間 | 1年間 |
| 店舗数 | 1店舗 |
| 宅配受付 | ◯ |
リペスタの口コミ
ここでは、リペスタの口コミを紹介します。
- ネット修理は初めてで不安でしたが、写真で受取り連絡をくださり、そこから信頼にかわり安心して修理をお願いすることができました。きっちり動くようになって戻ってきて、本当にありがとうございました。
- 外観も綺麗になり、新品のような気持ちで本日から稼働しています。本当にありがとうございました。また、機会がありましたらよろしくお願いします。
- ネットでの修理依頼は初めてで不安でしたが、メール連絡もこまめにいただき不安が安心にかわり、届いた時計を見ると信頼にかわりました。本当にありがとうございました。
出典:リペスタ
気をつけておきたいクロノグラフの秒針ずれ
「秒針のずれが少しずつひどくなっている」「時計を傾けると針が動いてしまう」といったときは、秒針がきちんと固定されていない可能性があります。
落下など衝撃を与えてしまった後にこうした症状が見られる場合は、秒針が取れかかっているのかもしれません。
また[スタート][ストップ][リセット]を繰り返すと、毎回戻る位置がバラバラになるというときも、秒針の緩みが考えられます。
主に機械式のクロノグラフで起こりやすいトラブルですが、購入当初から0.5秒以内の小さなずれが、見受けられることがあります。
職人が針を設置する際にわずかにずれて止めてしまうと、こうした状態になることもあるのです。
時計を作るうえではある程度仕方なく、あきらかな不良品ともいえないものですが、秒針ずれは気持ちのいいものではありません。購入店に、調整をお願いしてみましょう。
もちろん衝撃や部品の摩耗などによっても、こうした微細な秒針ずれが起こることもあります。
自分で直すことはほぼ不可能なので、時計修理店などに依頼するようにしましょう。
クロノグラフを使う上での注意点
先述した磁気や衝撃のほかにも、気をつけておきたい点があります。
クロノグラフは、通常の時計に「計測機能」がついているため、構造がより複雑になっています。
そのため思わぬ操作をすると、故障の原因になることがあるのです。
計測中にスタート/ストップボタンを使わずに、リセットボタンを押すことは故障の原因になるといわれています。
特別な機能がある場合は別ですが、[スタート]→[ストップ]→[リセット]の順に使用することを心がけましょう。
長針と短針に加え、クロノグラフのインダイヤルにも秒針がついています。
計測をすると、これらの針が動くため電池の消耗は激しくなります。
日常的に計測をする人は少ないかもしれませんが、使えば使うほど電池を消耗してしまうということは覚えておいてください。
クロノグラフの秒針ずれの直し方をタイプ別に解説!まとめ
今回は、タイプごとの秒針ずれの直し方や、おすすめの時計修理業者を紹介しました。
クロノグラフの秒針ずれは、自分でも直すことができます。しかし、紹介した調整方法を試しても直らない場合は、早急に時計修理業者に修理を依頼しましょう。
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