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「火災保険」を使ってリフォームができると聞いたことはありませんか?
もし本当なら魅力的な話ですが、果たして本当なのでしょうか。その真相に迫ります。
INDEX
火災保険でリフォームはできる?
火災保険とは「建物が火災の被害に遭ったときに補償してもらえる保険」のことです。
実際には火災に限らず風災や水災など、さまざまなケースにおいて火災保険は適用されます。
住宅のリフォームにも火災保険が利用できると耳にしますが、正確にはできるケースとできないケースがあります。
できるケース
火災保険が適用されれば、住宅リフォームの資金を保険金でまかなうことは可能です。
適用される大きな条件としては、修繕・修理が伴う工事であること。
一口にリフォームといっても、工事内容はさまざまです。
使い勝手のよい最新のシステムキッチンに交換する工事もあれば壊れた蛇口を修理する、台風で飛ばされた屋根瓦を元に戻すなど。
火災保険を利用できるのは、自然災害などで住宅が被害を受けたときです。
先ほどのケースでは「キッチンの交換には適用されず、蛇口の修理や屋根瓦の修復には保険を利用できる」可能性が高いといえます。
できないケース
あくまで「生活に支障を与える部分の修繕」や「修理のために行う工事であること」が、火災保険を利用する条件です。
そのため「部屋の雰囲気を変えるために壁紙を貼り替えたい」、「フローリングの材質を変えたい」といった工事では、火災保険を利用できません。
また自然災害に伴う雨漏りは、保険が適用される可能性があります。
経年劣化が原因なら適用は不可ですが、判断するのは保険会社の鑑定人です。
雨漏りの大きな原因が経年劣化だと判断された場合には、直接的な原因が自然災害であっても認められないことがあります。
具体的なケースを紹介
実際に「どのようなケースにおいて火災保険でリフォームができるのか?」と疑問に感じた方もいるはずです。
以下代表的なケースをピックアップしました。
- 落雷によって屋根に穴があいた
- 落雷で住宅の電気系統に甚大なダメージを受けた
- 強風で屋根材が飛散した
- 雪の重さで屋根やカーポートが壊れた
- 調理をしているときに油が跳ね、火災を起こした
- 放火されて家が燃えた
- 大雨による洪水で自宅が床上浸水した
- トラックが自宅に突っ込んで壁が破壊された
- 排水溝が詰まって水があふれた
これ以外にもさまざまなケースが考えられます。
火災保険とはいうものの、実際には「さまざまな自然災害への補償に対応している」のが大きな特徴です。
火災保険を利用するメリット
火災保険を利用してリフォームするメリットを以下にピックアップしました。
自費負担を軽減できる
工事の種類や規模によりますがリフォームをするとなると、それなりの費用がかかります。
預貯金でまかなえる金額なら問題ないですが、場合によってはそれでは足りないこともあるでしょう。
「落雷で屋根の一部が破壊された」、「トラックが突っ込んで外壁が大きく破損した」といったケースでも、相当な修理費用の発生が考えられます。
もし工事費をすべて自費でまかなわなければならないとなると、人によっては親や知人から借金をしなくてはならないかもしれません。
「金融機関から借金してまかなう」といったことも考えられるでしょう。
火災保険が適用されるのなら、こうした工事に必要な自己負担額を軽減できます。
多彩な自然災害に対応している
火災だけに留まらず「落雷」「水災」「雪災」「風災」「爆発」「衝突」「破損」など多彩なケースに対応しています。
「火災による被害しか対応してもらえない」と思い込んでいる方が多いですが、実際にはさまざまなケースが火災保険の適用対象となるのです。
火災保険を利用するデメリット
さまざまなケースにおいて適用対象となり自費負担を軽減してくれる火災保険は、ありがたい存在です。
ただ利用にあたってはいくつかの注意点もあるため、併せて覚えておきましょう。
利用できないことがある
多くの自然災害への補償が受けられますが、最終的に判断するのは保険会社の鑑定人です。
実際に自然災害で損害を受けた場合でも、鑑定人の判断によって保険が適用されないことがあります。
保険会社としては、できるだけ保険金は支払いたくありません。
そのため鑑定人は、かなり厳しく鑑定を行うのです。
その結果「確実に保険金が下りるだろうと思っていたものの補償が受けられなかった…」という可能性もあります。
工期が延びる
工事の内容によっては、一定の期間が必要です。
ある程度大掛かりな修繕ともなれば、撤去や部分解体などの手間も必要なため数日から1週間、もしくはそれ以上の期間が必要となることもあるでしょう。
自費で工事を依頼するケースでは、業者にお願いすればすぐにでも作業に取り掛かってもらえます。
一方保険を利用する場合、申請の手続きや保険会社の調査などが必要なため、どうしても工事に取り掛かるまでに時間がかかります。
保険の適用が決まってやっと工事がスタートするため、必然的に工事全体の工期が延びてしまうのです。
申請に手間がかかる
工事に保険を適用するには、被保険者が申請の手続きをしなくてはなりません。
保険会社に連絡して必要書類を入手し作成してから返送、その後保険会社の鑑定人が被害状況をリサーチします。
調査の結果保険適用が可能となったら、金額が決定し被保険者への支払いが行われます。
そこまで難しい手続きではないのですが、初めての方なら頭を悩ますことがあるかもしれません。
保険を使うときの具体的な流れ
ここでは火災保険を利用してリフォームしようとするときの具体的な流れを、見ていきましょう。
初めて利用する方は、ぜひ目を通してください。
保険会社と工事会社に連絡
保険会社に提出しなくてはならない書類には、建物の被害状況がわかるものも含まれます。
また「工事費用がどれくらいかかるのか」明確な書類も求められるため、工事業者にお願いして見積を出してもらわなければなりません。
さらに被害を受けた証拠として、その部分の写真を撮影する必要もあります。
写真を撮るときはコツもあるため、自分で撮らずに業者にお願いしたほうがよいでしょう。
鑑定人による調査
世の中には保険金をだまし取る詐欺を働く輩もいるため、鑑定人による厳しいチェックが行われます。
鑑定人が「保険適用に該当しない」と判断すれば、保険金が下りることはありません。
基本的には正確でわかりやすい証拠書類や写真を提出していれば、そこまでリサーチに多くの時間をとることはありません。
場合によっては鑑定人による調査が、行われないこともあるくらいです。
保険金が支払われる
問題がなければ、後日指定した銀行口座などに保険金が支払われます。
振り込まれた金額が間違っていないかどうかをきちんと確認しましょう。
その後工事業者に連絡して契約を交わし、工事を開始してもらいます。
詐欺の手口に注意
火災保険を悪用した詐欺まがいの行為をする悪質な業者も少なからず存在します。
そのような業者に騙されることのないよう手口を理解しておきましょう。
「火災保険でリフォームができます!」
訪問営業のリフォーム業者の中には、このようなアプローチで工事を勧めるケースも少なくありません。
しかも「自宅の内部や水回りの設備などもすべて保険でまかなえる」といわんばかりのことを口にします。
すでにお伝えした通り火災保険が適用されるシーンは、ある程度決まっています。
住宅内部は自然災害の被害を受けにくく、必ず保険で工事ができるといったことはありません。
このような手口で契約を迫る業者は悪質なので注意が必要です。
「経年劣化を台風のせいにして保険金で工事しましょう」
経年劣化による破損などは、火災保険の対象外です。
しかし悪質な業者の中には「直近の台風のせいにすれば、保険金が下りるのでリフォームしましょう」などとそそのかしてくるところもあります。
このような甘い言葉にのってしまった場合、施主も詐欺に加担したことになる恐れがあります。
「業者と共謀して保険金をだまし取った」と思われても仕方のない行為であるため、このような手口に乗らないよう注意してください。
業者選びのポイント
リフォーム工事を行ってくれる業者はたくさんありますが、保険を使うことを考えると選び方にも注意が必要です。
ここでお伝えするポイントをきちんと覚えておきましょう。
保険金請求が得意な業者を見つける
業者によってはリフォーム工事で火災保険が利用できることを、知らないこともあります。
このような業者では、保険金の申請や工事開始までにも時間がかかるため、なるべく保険金請求に強い工事業者を選ぶことをおすすめします。
火災保険を利用する場合「損害明細書」を準備しなくてはなりません。
損害状況を保険会社へ伝えるための書類で、正しく内容を記載する必要があります。
火災保険の利用に慣れている業者なら、損害明細書の作成においてもアドバイスをしてもらえるかもしれません。
相見積もりをとる
保険金で修理代金をすべてまかなえるのならよいのですが、そう上手くはいかないこともあるでしょう。
損害が大きいケースでは、自費での負担が必要なことも考えられます。
なるべく保険金だけで抑えるためには、工事代金を安く抑えなくてはなりません。
そのためには、複数の会社から見積もりをとることが大切です。
複数の業者から見積もりをしてもらえば、工事にかかる費用を比較できるためもっとも安価なところを選べます。
もちろん費用だけで決めるのはリスキーなため、工事内容や保証など金額以外の部分にも、きちんと目を向けましょう。
まとめ
火災保険でリフォームができることをご存じない方は、意外に多いようです。
さまざまなケースで適用されるため、ぜひ覚えておきましょう。
ここでもお伝えしたように火災保険でリフォームできることを、悪用しようと考える業者も少なくありません。
騙されて詐欺の片棒を担ぐようなことにならないよう、注意してください。
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