電子ピアノはどのような故障が起こりうるのでしょうか。
ケース別の症状と原因、対処法などについて説明します。
また修理の際はどこに依頼をしたらよいのかについても紹介します。
INDEX
電子ピアノとは?小型のものは電子ピアノとは呼ばない
ここで説明する電子ピアノは「本物のピアノと同じ88鍵」「スタンドと足ペダルが一体となっている家庭用の製品」を指します。
49鍵や61鍵の軽い「卓上キーボード」や「シンセサイザー」などは電子ピアノに含まれません。
鍵盤が2段に分かれ足元に大きい足鍵盤が付いているものの総称は電子オルガンであり、「ヤマハ」なら「エレクトーン」、「ハモンド社」なら「ハモンド・オルガン」と呼ばれています。
それに対して電子ピアノは、本物のピアノと同じような音色と打鍵感がありピアノらしい演奏ができる楽器です。
ピアノレッスンに通う方がピアノの代用として練習したり、昔ピアノを習っていた方が趣味で弾いたり、大人になって憧れていたピアノを始めたいと思って購入したり…とさまざまな目的で使用されます。
電子ピアノには、ピアノの音だけでなく弦楽器・管楽器・打楽器などの音が出せたり、パソコンやインターネットに接続したりして多彩に楽しめるものもあります。
ピアノと違って調律の必要がないのはメリットですが、そのぶん電子基板や配線コードなどが複雑に配置されている電子機器ですので、劣化や故障などが起きる可能性があります。
以下に「電子ピアノに見られる不具合」や「故障の症状」「対処方法」について紹介します。
電子ピアノの故障の症状と対処法
本物のピアノは、定期的な調律によってピアノ本体内部もメンテナンスするため長く使い続けられる楽器です。
一方電子ピアノは、一度購入すれば定期的なメンテナンスを行わないことがほとんどです。
電化製品のようにいずれは古くなり修理や買い替えが必要になるでしょう。
どのような故障が起こりうるか説明します。
電源スイッチを入れても電源が入らない
電源スイッチを入れたとき、通常であればパイロットランプが点灯したり操作パネルのランプが点灯したりするところ、何の反応もない場合は通電していないことが考えられます。
まずは、電源プラグが正しくコンセントに差し込まれているか確認しましょう。
それでも電源が入らない場合は、コードの断線や電源プラグ異常の可能性があります。
部品の交換や修理が必要です。
音が出ない・音が途切れるなど音の異常
電源を入れてもボリュームを上げても全ての鍵盤から音が出ない場合は、ヘッドホン端子にヘッドホンや他のケーブル等を接続していないか確認しましょう。
外部スピーカーやアンプと接続している場合は接続方法が合っているか、スピーカーやアンプの電源が入っているかを確認しましょう。
それでも音が出ないときや音がプツプツと途切れたり一部の鍵盤だけ音が出ないなどのときは、内部の電子基板の接点不良や異常が考えられます。
修理を依頼してください。
ボタンが反応しない
演奏中に誤ってボタンを押さないよう「ロック機能」を設定していませんか。
あるいは、何かの機能の動作中にほかのボタンを受け付けない場合があります。
いったん電源を入れなおすと直る可能性があります。
画面や液晶ディスプレイの表示がおかしい
数字やアルファベットなどで通常見られない表示が出た場合、エラーメッセージの可能性があります。
本体内部のトラブルの原因を示していますので、取扱説明書でエラーの表示の意味を確認してみましょう。
対処法が説明されています。
スピーカーから変な音が聞こえる
電子ピアノの近くで携帯電話を使用すると雑音が混ざることがあります。
あるいは、テレビや電子レンジなどの電磁波が影響して「ブーン」というノイズが入るケースもあります。
それらの電子機器から遠ざけることで改善することが多いです。
本体とスピーカーを接続するケーブルの端子の接触不良の場合もあります。
「バリバリ」「ガリッ」「ブツッ」という音が入ればほぼ間違いないでしょう。
電源を切ってケーブルを抜き差しし直してみてください。
ホコリやゴミなどがあれば取り除きましょう。
鍵盤を弾くとカタカタと音が出るようになった
電子ピアノは、構造的に鍵盤を弾いたときにカタカタという打鍵音が鳴ってしまいます。
音量を大きくして弾くと気にならなくても、音量を小さくしたりヘッドホンをして弾いたりすると気になることもあるようです。
この打鍵音が以前よりも大きく聞こえるようになったというケースがあります。
とくに中央付近のよく使う鍵盤がカタカタと音がするので演奏に集中できず、何より指先の打鍵感も違和感があるでしょう。
このようなケースは鍵盤の奥にあるフェルトの消耗が原因です。
厚みのあるフェルトが鍵盤のハンマーに叩かれてへこみ、固くなることで起こります。
均一に消耗せず、力の入る打鍵が多い範囲の鍵盤に集中するため、打鍵音が気になると演奏していても弾きづらいものです。
この場合は故障ではなく消耗なので、フェルトを新しいものに交換すれば元通りに直ります。
鍵盤の戻りが遅い、鍵盤の動きの異常
打鍵して沈んだ鍵盤の戻りが遅くなったり、引っかかるようになったりすることがあります。
このケースは「鍵盤ユニット」の内部の部品の摩耗や損耗のため異常が起こる症状です。
鍵盤にジュースをこぼして中でベタつきがあり、鍵盤のスムーズな動きを阻害していたケースもありました。
いずれも分解して部品交換や清掃が必要です。
ペダルが反応しない、ペダルの動きが悪い
足元の2本または3本付いているペダルは、本体と「ペダルコード」で接続されています。
ペダルを踏んでも反応しなかったり、動きが悪くなった時は、いったん電源を切り、ペダル端子にきちんと接続されているかまず確かめてみましょう。
ペダル端子の奥までしっかりと差し込んでください。
ペダルの動きが悪いときは、床と接してペダルを固定しているアジャスターが緩んで床から浮いている可能性があります。
ペダルを使用するたびに徐々に緩んできます。
ペダルのぐらつきや動きが悪いと感じたときは、アジャスターをクルクルと回転させ床に接するように固定させてください。
電子ピアノを防振マットやじゅうたんなどの上に置いている場合は、しっかりと押し当てて固定できるようにギリギリまで下げましょう。
ペダルを踏んでも本来の効果が効かない場合は、設定でほかの効果に切り替えていることが考えられます。
ペダルの設定を見直してみましょう。
電子ピアノの修理を依頼するときは?
「電子ピアノの調子が悪い」「いつもと違う」と感じたときは、購入時の取扱説明書を確認しましょう。
取扱説明書が手元になければ、メーカーの公式サイトの「サポートページ」から電子ピアノの型番で検索して取扱説明書が閲覧できることがほとんどです。
その結果、修理が必要とわかれば「電子ピアノの購入店」もしくは「メーカー」「楽器店」「修理業者」などに依頼することになります。
電子ピアノの修理は出張で1時間から2時間程度で終わることがほとんどですが、中には引き取り修理となることもあります。
以下にケース別の修理の流れを説明しますので、自分がどのケースに当てはまるか確認してから依頼しましょう。
メーカー保証があれば購入店舗かメーカーに修理を依頼する
電子ピアノを新品で購入すればメーカー発行の保証書が付いています。
保証期間はメーカーや機種のグレードにもよりますが、たいていは1年間有効とするものが多いでしょう。
有効期限内の保証書があれば、自然故障の場合は無償で修理が可能です。
ただし「水をこぼした」「ものを落として鍵盤を割った」などの場合は有料の修理となります。
その場合は一般の修理と同等に「出張料」「技術料」「部品代」などがかかります。
保証期間内なら修理は購入店に依頼しましょう。
遠方に引越しをした場合は、メーカーのサポートセンターや修理窓口に依頼するとよいでしょう。
楽器店や電気店の長期保証があればそちらに修理を依頼する
メーカーの保証期間が切れても、販売店や電気店などの独自のサービスとして「延長保証サービス」を行っている場合があるかもしれません。
購入時に受け取った書類などを確認してみましょう。
とくに家電量販店などで高額の電化製品を購入すると、有料の延長保証サービスを勧められることがあります。
保証対象製品に電子ピアノが含まれていないかどうか、まずはチェックしてみるとよいでしょう。
電子ピアノの修理業者を探して依頼する
保証期間を過ぎた電子ピアノの修理は、どこに依頼しても問題はありません。
多くの場合は電子ピアノの購入店に問い合わせるのではないでしょうか。
しかしメーカー直営店などの場合は、メーカーで決められた一律の修理料金がかかるため場合によっては高額になる可能性もあります。
電子ピアノが長期間使用している古い機種である場合、新製品の購入を勧められることがあるかもしれません。
ほかにもメーカー修理の場合は、出張で来てもらって修理箇所の見積り額を提示してもらったところ「考えていたより高額だったため修理を諦めた」ということがあるかもしれません。
その際は修理をしなくても出張見積り料金がかかってしまいます。
電子ピアノの修理は「特約店」「一般の楽器店」「中古楽器買取業者」「販売業者」「楽器修理業者」などで受け付けています。
修理料金が安い業者を探せば、高い費用をかけることなく元通りに使えるようになるでしょう。
まとめ
今や電子ピアノは「いかに本物のピアノに近付けるかを重視して製品開発が行われている」と言っても過言ではありません。
ものによっては本物のピアノよりも高額の電子ピアノがあるほどです。
住宅事情により、ピアノを学んだり楽しんだりする全員が本物のピアノを買えるわけではありません。
そのような需要に応えてくれるのが電子ピアノです。
ピアノに近いタッチや表現力の優れたものもあれば、さまざまな音で自動伴奏や録音機能がついているものもあります。
インターネットにつなげて学習したり、バンド演奏のように楽しんだりできる多機能なものもあるでしょう。
高価な楽器なので適切にメンテナンスして長く大切に使いたいですね。
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