
色落ちしてしまった革製のかばんは、染め直しによって蘇らせることができます。
道具と知識があれば自分で染め直すことも可能なのでぜひ試してみてください。
また、プロに依頼する際の注意点も紹介しています。
INDEX
革製のかばんが色落ちする原因は?
まずは、革製のかばんが色落ちする原因にはどのようなものがあるのかを紹介します。
染め直しが必要になってしまうのはなぜなのでしょうか。
雨や汗で濡れたことによる色落ち
革を染色する染料や顔料は水に溶けやすいため、かばんが雨や汗で濡れると色落ちしやすくなります。
「着ていた洋服にかばんの色が移ってしまっていた」という経験もあるのでは。
「雨の日はできるだけ革製のかばんを持ち歩かないようにする」など対策が必要です。
また汗をかきやすい天候の日は、なるべくかばんを体に密着させないようにして持つよう気をつけましょう。
日焼けしたことによる色褪せ
革製品は、日焼けによって色褪せや変色を起こすこともあります。
お手入れ後に乾燥させる際、風通しのよい日陰で干すことが望ましいとされているのは日焼けを防ぐためです。
革製品は人の肌と同じように紫外線によってダメージを受けます。
染色の方法によっては色褪せたり、反対に色が濃くなったりします。
ある程度の色褪せや変色は経年変化による風合いとして楽しめますが、日焼けしすぎないように注意しなければなりません。
こすれによる色落ち
かばんの表面がこすれてしまうことで色落ちが起こることもあります。
擦れによる色落ちは経年変化として仕方のないことです。
しかしかばんの持ち方や扱い方によっては、購入から年数が経っていなくても色落ちが起きてしまうこともあるため気をつけたいものです。
革製品の色落ちを完全に防止するのは難しい
実は、革製品の色落ちを完全に防ぐのは難しいといわれています。
革をやわらかくするために使用する「加脂剤」には、染料を結合しにくくする作用があるのです。
そのため革製のかばんを持つときは変化していく風合いを楽しみながらも、色落ちに対するメンテナンスを続けていくことが重要になるでしょう。
染め直しに使う染料と顔料、それぞれのメリットとデメリットを紹介
革製品を染め直す際に使用する着色料には「染料」と「顔料」の2種類があります。
違いを知るために、それぞれの特徴やメリットとデメリットをまとめました。
革の繊維に浸透させて染めるのが染料
染料は革の繊維に浸透させて着色するため、革の質感や風合いをそのまま楽しめるのが特徴です。
そのためもともと傷やシワなどが少ない革の場合は、染色仕上げされることが多くなっています。
また経年変化によって革の色やツヤが変化していくのを楽しめる点も、染料仕上げのメリットです。
革が本来もつ表情を生かしたいときに選ぶとよいでしょう。
ただし水や汚れに弱く傷がつきやすいというデメリットもあります。
色落ちもしやすいため、こまめにメンテナンスしながら美しさを保つことが大切です。
革の表面をコーティングして着色するのが顔料
一方、革の表面を塗料で覆ってコーティングするのが「顔料仕上げ」です。
革の傷やシワなどを隠し、均一に着色します。
水に溶けにくいので雨に濡れても色落ちしにくく、経年による色ツヤの変化もほとんどありません。
年月が経っても新品のような色味を楽しめる反面、革本来がもつ表情の変化は味わえないのがデメリットといえるでしょう。
かばんの染め直しに必要な道具をそろえる
革製のかばんを染め直すにあたって用意すべき道具をご紹介します。
染め直す前に革の汚れを落とすためのアイテム
かばんを染め直す前に革に付着した汚れを落とさなければなりません。
革が汚れたままだと染まりが悪くなったり、後から着色した部分が剝がれてしまったりすることがあるためです。
革表面の塵やホコリを払い落とすための馬毛ブラシや余分な油分を落とすためのクリーナー、クリーナーを塗るときに使うクロスなどをそろえておきましょう。
クロスは使い古したTシャツなどでも代用可能です。
専用のクロスが手元にないからとわざわざ購入する必要はありません。
染めるための着色料
次に、革を染め直すための着色料を用意します。
布で塗布するタイプやスプレータイプなどさまざまな着色料が市販されているため、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
前述したように着色料には染料と顔料があります。
それぞれの特徴やメリットとデメリットをしっかり比較して決めてください。
ツヤを出す仕上げ剤
染め直しの後に仕上げ剤として「保護スプレー」を使用します。
保護スプレーは革にツヤを出して美しく仕上げるだけでなく、汚れの防止や日焼けによる変色を防ぐ役割もはたしてくれるのです。
かばんをいつまでも美しく保つために、常備しておいて定期的に使用するとよいでしょう。
新聞紙・ゴム手袋・マスキングテープの用意も
上記のほかにも「新聞紙」や「ゴム手袋」「マスキングテープ」を用意しておきましょう。
事前にすべてそろえておけば途中で慌てることもありません。
新聞紙やゴム手袋は、着色料が床や手に付くのを防ぐために使います。
マスキングテープは、かばんの金具部分など色をつけたくない場所に貼って保護するのに使いましょう。
自分でかばんの染め直しをする際の手順を紹介
自分でかばんの染め直しを行う場合は以下のような手順で行ってください。
準備をする
周囲の床に新聞紙を敷き、かばんの金具部分などにマスキングテープを貼って着色料がかからないようにしておきましょう。
臭いで具合が悪くなることもあるため、染め直しはできるだけ風通しのよい場所で行うようにしてください。
室内の場合は窓を開けておくことをおすすめします。
また着色料の発色をよくするために、直射日光が当たらず暑すぎない環境で染めるとよいでしょう。
できれば15℃前後の気温下で行うのが理想です。
かばんのクレンジングを行う
染め直しを行う前にまずかばんのクレンジングを行い、革表面に付着した汚れやシミを落とします。
落とさずにそのまま染め直しをすると汚れやシミを着色料で閉じ込めてしまうことになるため、必ず行ってください。
革専用のクリーナーを布に含ませかばんの表面を丁寧に拭いていきましょう。
余分な油分や水分もしっかり取り除いていきます。
着色していく
次に着色していきます。
方法は使用する染料によって異なるので説明書きをよく読んで着色してください。
ここでは比較的使い方が簡単な「スプレータイプ」の染料を使用する場合の方法をご紹介します。
かばんから10~15㎝ほど離した場所から全体的にスプレーしていきます。
ムラにならないように手を素早く動かしながら吹きかけていくのがコツです。
全体的に吹きかけたら5分ほど置いて軽く乾かしてください。
理想の色になるまで、同じように3回ほどスプレーと乾燥を繰り返しましょう。
しっかり乾燥させ、仕上げ材を塗る
着色が済んだら風通しのよい場所で陰干ししてください。
直射日光に当てないように注意が必要です。
仕上げにツヤ出し用の保護スプレーを吹きかけましょう。
2~3回に分けてスプレーするのがおすすめです。
染め直しをプロに依頼するには?
自分でかばんを染め直す自信がない人は、プロに依頼することも可能です。プロに依頼するメリットや依頼先の選び方や費用相場などをまとめました。
失敗なくきれいに仕上がる
プロに染め直しを依頼するメリットは、確実に仕上がりがよいという点でしょう。
自分で染め直しをするとムラになったりうまく着色しなかったりなど、失敗する可能性もあります。
専用の道具と技術や経験をもつプロなら、失敗なくきれいに仕上げてくれるでしょう。
道具を用意する手間が必要ないのもメリットです。
家の中や手を着色料で汚してしまい片付けが大変になることもありません。
また依頼先はかばんなど革製品の修理業者になるため、ほかにも不具合があればまとめて修理を依頼できます。
この機会に大切なかばんを新品同様に生まれ変わらせてはいかがでしょうか。
修理業者を選ぶポイントは?
かばんの染め直しを受け付けている修理業者は全国にたくさんあります。
その中からどの業者を選べばよいのか迷う人も多いでしょう。
できるだけ優良で信頼できる修理業者を選ぶために、複数の業者を比較してみるのがおすすめです。
「染め直しの実績は豊富か」「料金体系は明確か」などをチェックしたうえで慎重に選んでください。
とくに、実際にその業者を利用したことがある人たちの感想は最も参考になります。
インターネットで口コミを検索してみるとよいでしょう。
また、アフターフォローの内容についてもチェックしておくことをおすすめします。
染め直した直後に不具合があった場合、どのように対応してもらえるのかなど確認しておくと安心です。
染め直しにかかる費用の平均を紹介
染め直しを修理業者に依頼した場合、費用はどのくらいかかるのか気になる人も多いでしょう。
一般的な費用相場を把握しておくと業者を選ぶ際にも安心です。
染め直しにかかる費用はかばんのサイズにもよりますが、Lサイズのかばんでだいたい2~3万円が相場です。
一番小さいSサイズだと1万円台で染め直ししてくれる業者が多いでしょう。
ただし熟練の職人が時間をかけて丁寧に筆塗りして仕上げているような業者では、Lサイズで6万円前後の費用がかかる場合もあります。
「高額でもよいので技術力の高い業者にお願いしたい」という人は、チェックしてみるとよいでしょう。
もちろん料金が高ければ質がよく安ければ質が悪いというわけではありませんが、1つの目安として相場を把握しておくことは大切です。
プロに依頼するときはしっかり相談するのが大事
革は、経年変化や種類による手触りの違いを楽しめる素材です。
そのため一律に色落ちを直すのではなく、それぞれの持ち主の好みや要望に応じて染め方が変わってきます。
プロに依頼するときは「経年変化の風合いは残してほしい」「新品と同じようにしてほしい」など、自分の要望をきちんと伝えるようにしましょう。
しっかりと相談することで、大事なかばんをよりいっそう素敵に蘇らせることができます。
まとめ
かばんの染め直しが必要な場合や、染め直しの方法について詳しくご紹介しました。
色落ちしてしまった革製のかばんは染め直すことが可能です。
自分で染め直す方法とプロに依頼する方法があるため、どちらが自分にあっているのか検討してみるとよいでしょう。
ぜひこの記事を参考に新品のような美しいかばんを取り戻してください。

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