
ギターの「ノイズ」は、原因を突き止めるのが難しく時間や手間がかかります。
ポイントを押さえてチェックできるように場所別にノイズの原因を解説します。
また「シールディング」に興味がある人もぜひ読んでください。
ノイズ発生の原因は何?
ノイズ発生の原因はさまざまですが、主に「ギター本体」「アンプ周り」「エフェクター」「シールド」などに不具合が起きていることが多いです。
必ずしも部品の劣化が影響しているのではなく、元々ノイズが発生しやすい設計や品質だったという例もあります。
ほとんどのケースでは「ノイズの発生源」を特定することで修善可能です。
ノイズの発生源ごとに修理と改善方法を紹介します。
【場所別】ギター本体が原因のケース
「エレキギター」本体にノイズの原因がある場合、ボディ内部の電気回路に不具合があるケースがほとんどです。
ここではボディ内部の不具合を詳しく紹介します。
電気配線・アース
エレキギターの内部は複雑な電気パーツが設置されており、配線材の劣化や故障によってノイズが発生します。
また「配線の余分な電気を逃してノイズを軽減する」「アースと呼ばれるパーツが浮いてしまうトラブル」もノイズの原因です。
ギターの弦に素手で触ったときにノイズが減らないようなら、アース浮きが発生していると考えられます。
「半田ごて」などを使って自分で修理を行えることもありますが、部品がうまく付かなかったりパーツを正しく接続できなかったりといった失敗例もあります。
かえってノイズが目立ってしまうこともあるので、適切な施工をするには知識や経験が必要です。
ピックアップ
「ピックアップ」の種類によっては周囲の不要な音を拾いすぎるため、ノイズが目立ってしまうケースがあります。
エアコンや換気扇などの音がピックアップのマイクによって増幅されている場合もあるので、周りの電子機器の電源を切って様子を見るのもよいでしょう。
あまりに気なるようならノイズの少ないピックアップに交換するのもおすすめです。
「新品のピックアップに交換したのにノイズが減らない」「かえってノイズが大きくなった」といったトラブルもあるので、新品中古に関わらずピックアップの種類はきちんと確認しましょう。
パーツの消耗、ジャックの汚れなどによる接触不良
ボリュームのツマミをいじったときやシールドに触れたときにノイズが発生する場合は「ジャックやポッド」などが消耗し、接触不良を起こしている可能性が高いです。
ジャックに手垢や油が付着して錆びているケースもあるので、接続パーツの状態に注意しましょう。
汚れを溜めないように「接点復活剤」を使ってこまめにジャックの中を掃除するのがおすすめです。
直接楽器に薬剤を吹きかけず、綿棒の先に軽くスプレーして使用するのがポイント。
ジャックの中に復活材が残らないように注意しながら磨いていきます。
【場所別】アンプが原因のケース
「ギターアンプ」が原因のケースは、主に電源周りが影響していることが多いようです。
また電磁波が発生するスマートフォンやパソコンなどをアンプ付近に置いていて、ノイズが発生することも。
ここではノイズ発生に影響するアンプのトラブルについて解説します。
電源
アンプ本体からノイズが発生している場合、アンプが取っている電源に問題があるケースがほとんどです。
電源ケーブルを交換したり、別のコンセントに差し替えたりするとノイズが軽減することもあります。
しかしアンプに何も接続していない状態で電源を入れ、ボリュームを最小にしても大きなノイズが発生するなら故障の可能性があります。
一度アンプの修理を依頼してもよいでしょう。
アンプとギターの接続手順
見落としがちなのがギターをアンプに接続するときの手順です。
ノイズだけでなく「ハウリング」や「音割れ」の原因になることもあるので、適切な順番でギターを接続しましょう。
シールドを繋げるときは、必ずギターの後にアンプの接続を行います。
そして、アンプのボリュームが0になっていることを確認してから電源を入れましょう。
電源を入れるときや切るとき、またシールドの抜き挿しをするときは必ずアンプのボリュームを落とすのがポイントです。
アンプの位置
ギターとアンプの位置は、ノイズ発生に大きく影響を与えます。
ギターとアンプが向き合っていたり、それぞれの位置が近すぎたりするとノイズが起こりがちです。
アンプの角度や距離を調節し、場合によってシールドの長さを変更しましょう。
【場所別】が原因のケース
「エフェクター」は入力信号よりも出力信号のほうが大きくなる「増幅回路」という仕組みを持っています。
音色やエフェクターの種類などによって回路にかかる力は異なり、負荷をかけすぎるとノイズに繋がります。
歪みエフェクター
歪みの深いエフェクターを使用していると「ホワイトノイズ」がなかなか取り除けないケースは多いでしょう。
ハードな歪み音色で発生するノイズは避けることが難しいため、ノイズと音色との兼ね合いを見つつ歪みの度合いを下げることも必要です。
複数のエフェクターを使用している場合はすべてのエフェクターを一旦取り外し、それぞれつなぎ直すことで原因のエフェクターを探していきます。
必要以上にエフェクターをつないでいるとノイズの原因になるので、使わないものは外しましょう。
トゥルーバイパス機能
「トゥルーバイパス」と呼ばれる機能を持ったエフェクターは、スイッチの切り替え時にノイズが入ることもあります。
しかしこのノイズは構造上のものなので取り除くのは困難です。
トゥルーバイパス機能の特徴は、エフェクターをOFFにすると接続されていない状態に自動で切り替わることです。
エフェクターを使わないときはギターのサウンドに影響を及ぼさないという長所もあるため、使用するタイミングや使用頻度などバランスを見つつ導入を検討するとよいでしょう。
【場所別】シールドが原因のケース
ギターとアンプ、エフェクター間を繋ぐ「シールド」も音作りの重要な要素です。
シールドが原因でノイズが発生しているケースはとても多いので、忘れずに確認しましょう。
シールドの状態
古いシールドはギターとの接触部分が劣化したり、断線したりしてノイズが発生することもあります。
まずはシールドを交換してみましょう。
また、シールドの消耗だけでなく品質によっても音質は変わります。
あまりに安いシールドは新品でもノイズが混ざることがあるので、音にこだわりたい人は良質なシールドを購入するのがおすすめです。
シールドの扱い方
シールドの上に荷物が乗っていたり、長いシールドを乱雑に束ねたりするとノイズの原因になります。
邪魔にならない程度にまとめ、ひっかかったり踏みつけたりしないように気を配りましょう。
必要以上に長いものを使用せず適切な長さを選ぶことも大切です。
ノイズ対策の定番!シールディングとは
外来ノイズの軽減に有効な「シールディング」という手法があります。
効果的にノイズをカットできるので「練習や本番のたびにノイズに悩まされる」「いつもノイズの原因を探るのに時間がかかる」といった人にはおすすめです。
シールディングとは
「シールディングとは、塗料やテープなどを使って音とは無関係の余計な電磁波をシャットアウトすることです。
「キャビティ」の中や「ピックアップ」の周りなどに施工することが多いですが、方法や場所は多岐に渡ります。
アルミホイルや銅箔テープ、導電塗料などを購入して自分でシールディングを行う人も。
しかしアースや音信号を伝達するパーツの処理が不十分で、音質が悪化してしまうこともあります。
ギター修理に慣れていない人はプロに頼むのが賢明でしょう。
シールディングには、ノイズ軽減のメリットがある一方で音質自体も変化してしまうデメリットがあります。
一般的にはシールディングをするとハイがやや抑えられた音色になります。
「今の音色を変えたくない」「音色に強いこだわりがある」といった人は、慎重に検討しましょう。
プロに任せれば安心
自分でも行えるシールディングですが、うまくすべての箇所を覆いきれず失敗する恐れもあります。
音質なども変化するデリケートな作業なので、楽器店や修理屋に依頼するのがおすすめです。
店舗によってはノイズ軽減のプランが用意されているので、ぜひ利用するとよいでしょう。
また、楽器店がシールディングのセットを販売していることもあります。
手順や使用方法なども説明されているので、安価で補修を行いたい人にはおすすめです。
シールディングを依頼する時の注意点
音作りや演奏の質のためにも重要なギターのメンテナンス。
シールディングを依頼するときも修理店は慎重に選びたいものです。
ここでは、シールディングを依頼するときのポイントを解説します。
費用・サービスなど
シールディングは、楽器店や業者によって異なりますが「ノイズ対策」「ノイズシールド処理」などといった名称で提示されることが多いです。
料金は作業箇所や内容などによって変動し、6,000円~10,000円前後が多く見られます。
「電動塗料の使用は行っていない店舗」「アルミシールドのみを使用する店舗」など、ノイズ処理の方法も業者によってさまざまです。
希望に沿った修理内容を提示している楽器店や業者を選びましょう。
よりよい修理店を選ぶには
店舗によって見積もりを出してくれるスピードや納期、料金、施工内容などは違います。
より満足のいく修理店を選ぶには最初から1つの店舗に絞るのではなく、複数の店舗を比較するとよいでしょう。
「金額が安いほどよい」「サービスが多いほどお得」というわけではなく、接客態度や技術面なども含めて店舗を総合的に判断することが大切です。
ギターの音作りは演奏の質や音楽性に直結するため、メンテナンスも納得のいく店舗に依頼できれば理想的でしょう。
まとめ
ギターにノイズが混ざる原因はさまざまです。
ギター本体やアンプ周り、エフェクター、シールドなど1つずつ確認して不具合が起きている場所を探しましょう。
「ノイズの発生が多い」「外来ノイズのトラブルが多い」といった人は、シールディングを行うとよいでしょう。
施工内容や方法は多岐に渡るため、修理店を利用するのがおすすめです。

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