ギターの音が出ない時はどうする?修理費用も一覧で紹介

ギターの音が出ない時はどうする?修理費用も一覧で紹介

ギタリストにとって音が出ないトラブルは一大事。
故障の原因はさまざまで、場合によっては修理に数ヶ月かかることもあります。
ここでは、ギターの音が鳴らなくなった時の対処法について説明します。

音が出ない原因は?よくある例を紹介

ギターをアンプに繋いだ時に音が出ない場合、まずは「ピックアップのボリュームが上がっているか」「アンプの電源が入っているか」を確認しましょう。
アンプに関係なく音が出ないのであれば、ギター本体や配線系統が故障している可能性があります。

ここではギターの音が出ない時によくある原因を紹介します。

ネック反り

ギターのネックには弦の張力や湿度の変化によって反りが出てしまうことがあり「音程が調節しにくい」「コードが押さえにくい」などの不具合の原因になります。
弦の交換やクリーニングをしたにもかかわらずうまく音が出ない時には「ネック」の状態を確認してみましょう。

ネックの反りにはギターの正面から見て手前に曲がる「順反り」と、後方に曲がる「逆反り」の2種類があります。
順反りでは弦高が高くなるのでコードを押さえにくくなります。
また反対に逆反りでは弦が指板に近くなるため、低い位置で音が詰まりやすくなるでしょう。

ネックの反りは、ヘッドの付け根あたりにある「トラスロッド」と呼ばれるパーツを調整し自分で直すことも可能です。
すべての弦を緩めたのち順反りを直すならロッドを時計回りに、逆反りは反時計回りに回します。

ロッドの調整方法はギターの種類によってさまざまです。
ヘッドに「六角レンチ」や「ドライバー」をさし込めるタイプや、一度ネックを取り外すタイプなどがあります。
手持ちのギターの構造を確認して調整を行ってください。

また順反りと逆反りが混じり合ってネックが複雑に曲がってしまい、自分で修理するのが困難なケースも多いです。
このようなギターの修理には専門的な知識と経験が必要なため、無理せず業者に修理を依頼する方がよいでしょう。

配線

エレキギターの場合はピックアップやギターの内部、ジャック部分の配線のトラブルにより音が鳴らないケースが多いです。
配線がどこか1つでも断線していると音の振動を正しく伝えられないので、ギターをアンプに繋いでも音が出なくなってしまいます。

ピックアップがきちんと動作しているかを確かめるには「テスター」と呼ばれる機械を使い電圧や電流、抵抗などを測定する方法が。
しかし一般家庭ではテスターを常備していないことも多いため、購入する費用や手間がかかってしまいます。

断線している部分を自分で接続するとなると「半田ごて」も用意しなければなりません。
配線の構造に関する知識も必要なので、慣れない人は業者に修理を依頼するのがオススメです。

弦の張り方

「アコースティックギター」や「エレキギター」「クラシックギター」など、ギターの種類によって弦の張り方は微妙に異なります。
張り方が合っていないと弦が押さえにくくなり、音がスムーズに出せません。
弦を自分で張り替える時には適切な方法を調べてから行いましょう。

自分で張り替えるのが難しい人は、楽器店やリペアショップに依頼するのがオススメです。
楽器店では張り替えのワークショップを開催していることもあるので、自分でできるようになりたい人は参加してみるとよいでしょう。

ブリッジの浮きや剥がれ

経年劣化によってボディと「ブリッジ」の間に隙間ができてしまうことがあります。
ブリッジとは弦をボディに固定しているパーツで、ブリッジがボディから浮いてしまうと音痩せや雑音などが目立ち音がきれいに鳴りません。

ブリッジの浮きを目視で確認するのは困難ですが、ブリッジとボディの間に紙を挟めるようならブリッジが浮いているサインです。
ブリッジが完全に剥がれてしまうと修理代が高額になるため、音に異変が生じた時点で修理を依頼するのがオススメです。

修理費用はどれくらい?費用相場を一覧紹介!

練習中や本番前など急なギターのトラブルは避けたいもの。
簡単な調整・修理なら自分でできることもありますが、状態を正しく見極めるには知識や経験が必要です。
音に違和感をおぼえたら早めに修理を依頼しましょう。

ギター修理の種類は多岐にわたりかかる費用もさまざまです。
作業内容だけでなくギターの種類によっても金額は変わるので注意しましょう。
ここでは、修理内容とおおよその費用を一覧で紹介します。

【ネック】

ロッドの調整:約1,300~2,000円
ネック矯正:約13,000~15,000円

【ナット】

ナット交換:約8,000~10,000円
ナットの溝調整:約1,800~5,000円

【フレット】

フレット浮き補修(1箇所):約1,800~3,000円
すり合わせ:約6,000~15,000円
フレット交換:約35,000~約70,000円

【ブリッジ】

交換:約7,000~15,000円
圧着:約6,000円
再接着:約20,000~30,000円

【配線】

断線:約1,800~2,000円
ピックアップ交換(1個):約3,000~5,000円
スイッチ交換(1個):約2,000~5,000円
ジャック交換(1個):約1,000円~3,000円
配線材交換:約5,000~7,000円

【その他】

弦の張り替え・交換:約500~1,500円
ストラップピンのネジ穴補修:約500~1,000円

修理費用をなるべく安く!普段気をつけること

大幅なネック矯正やフレット交換などは比較的費用が高く、修理に出すのが億劫な人も多いでしょう。
修理費用をなるべく抑えるためにギターの保管方法やメンテナンスには気を配りたいものです。
ここでは自分で行えるギター管理のポイントを解説します。

弾かない時はペグを緩める

ギターの弦1本には80kgもの圧力がかかっているといわれ、力が加わった状態が長く続くとネックの反りの原因になることもあります。

ギターを弾かない期間が続く時は、ペグを1~2回ほど回して軽く緩めましょう。
弦がたるむほど緩める必要はなく少しだけ圧力がかかっている状態が理想です。

温度・湿度管理

「エレキギター」はもちろん「アコースティックギター」はとくに温度や湿度に敏感です。
適切な環境で保管しないと表面版が割れてしまったり、木材が膨張して音質が悪くなったりといったトラブルが発生します。

ギターを保管する部屋は温度が20~25度、湿度が40~50%になるように冷暖房や加湿、除湿機などを使って調節しましょう。
ギターは寒暖差に弱いため、1年を通してあまり温度や湿度が変化しない環境が理想的です。

常に空調管理を行うのは難しいという人も「直射日光に当てない」「窓際に置かない」「湿度調整材を入れたハードケースで保管する」などの対策を取るとよいでしょう。

ハードケースのほかにギター専用の保管庫を使う方法もあります。
調湿機能が付いており、自動で加湿と除湿を行ってくれます。
「こだわりのギターをベストな状態で保存したい」という人にオススメです。

演奏前に手を洗う

ギターに触るとどうしても手垢や汗が付着してしまうもの。
弦の錆びやボディの劣化につながるため、演奏前に手を洗う習慣をつけるとよいでしょう。
先に指の汚れを落としておけば、演奏後にギターのお手入れをする時間が取れなくても汚れがたまるのを予防できます。

演奏後はこれ!自分でできるメンテナンス

演奏の後はメンテナンスを行い、できるだけきれいな状態でギターを保管することが大切です。
ここでは自分でできるお手入れの方法をパーツごとに紹介していきます。

ボディのお手入れ

用意するものは、クリーニングクロス2枚(乾拭き用、仕上げ用)とオイルまたはポリッシュです。
ボディの素材や塗料によって使用できるオイルやポリッシュが違うので、わからない時は楽器店に相談するとよいでしょう。

最初にクロスでボディを乾拭きし大体の汚れを落としていきます。
仕上げとしてもう1枚のクロスにオイルやポリッシュを数滴染み込ませ、磨き上げたら完了です。

時間がない時は乾拭きだけでもいいですが、オイルやポリッシュを使った方が汚れが落ちやすく磨いた後にピカピカになります。
オイルは保湿、ポリッシュは汚れ防止に効果的です。

指板(しばん)のお手入れ

用意するものはクリーニングクロス2枚とオイルまたはポリッシュです。
拭きやすいようにまず始めに弦を緩めましょう。

「エボニー」や「ローズウッド」を使用した指板は乾燥に弱いため、オイルを2~3滴含ませたクロスで磨いて潤いをキープします。
このとき指板に直接オイルをつけると木材を痛めてしまうので注意してください。

メイプルの指板は表面にコーティングがしてあるので保湿の必要はありません。
ポリッシュを使って汚れを落としましょう。
汚れが落ちたら乾拭きをしてペグを締めて完了です。

指板は直接指で触れるので非常に汚れやすいパーツ。
付着した汚れはそのままにせず、まめにメンテナンスを行うのがオススメです。

フレットのお手入れ

「フレット」も指板と同様に指で直接触れることから汚れやすいパーツです。
長く使用していると黒ずんでくるため、研磨剤で磨いてきれいにしましょう。

用意するものはクリーニンググロスと研磨剤、マスキングテープです。
指板のお手入れと同じようにペグを回して弦を緩めてから作業を行います。

作業のポイントは「マスキングテープで指板を保護してからフレットを磨くこと」です。
研磨剤が触れると指板が削れてしまうこともあるので注意しましょう。

弦のお手入れ・交換

弦のお手入れに用意するのはクリーニングクロスと「ストリングクリーナー」です。
クリーナーを染み込ませたクロスを使い、弦を1本1本スライドするようにして拭いていきます。

弦は最も汗や汚れが付着しやすい部分なので、演奏した後は念入りにお手入れするとよいでしょう。

弦の交換は「ニッパー」「ペグワインダー」「トレムブロック」などを用意すれば自分で行うこともできます。
必要な道具をセットにして販売している商品もあるので、これから道具を揃える人にはオススメです。

修理に出す時の注意点

初めてギターを修理をする時は、勝手がわからず戸惑う人もいるでしょう。
大がかりな補修になるとそれだけ費用も高額になるため、依頼する店舗はしっかり選びたいものです。
ここではギターを修理に出す時の注意点について説明します。

修理にかかる期間はさまざま

修理期間は内容によってさまざまです。
弦の交換など簡単な作業であれば当日に持ち帰ることもできますが、基本的には2~3週間程度かかると考えておきましょう。
ただしパーツの発注が必要な場合や、状態がひどい場合は数ヶ月かかることもあります。

突然ギターの音が鳴らなくなり大切なステージに間に合わないケースもあるでしょう。
そうなると代わりのギターを用意しなければならないため、余裕を持って修理することが大切です。

メーカーによっては代機を貸してくれることもあるので、まずは楽器店に相談してみてください。

保証期間・パーツの在庫切れに注意

楽器の保証期間は1~5年程度が多く、期限内なら無料で修理やメンテナンスが受けられることがほとんどです。
メーカーによって期間の長さは異なるので、購入時に付いてきた保証書で確認しましょう。

また、年式の古いギターはパーツの生産が終了していることもあります。
代わりの部品を使って修理できるケースが多いようですが、音質や弾き心地などは多少変わってしまうと考えておいてください。

場合によっては修理を受け付けてもらえないこともあるので、古いギターを修理する時は注意が必要です。

複数の店舗を比較する

同じ修理内容でも店舗によってかかる費用や期間が異なります。
金額や技術、サービスの内容などを比べて複数の店舗に見積もりを依頼するのがオススメです。

金額が安ければよいというわけではなく、自分にあった業者を総合的に判断してください。

まとめ

ギタリストにとって音が出ないトラブルは死活問題。
演奏後のお手入れや保管場所の湿度と温度管理にも気を配り、突然の不具合を防ぎたいものです。

ギターの音が出なくなってしまった際は、自分で対処しきれなければ放置せずに修理を依頼しましょう。

修理内容や費用は業者によってさまざまです。
複数の楽器店の見積もりを比較して、自分にあったところを選ぶとよいでしょう。

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