ピアノ線が切れたらどうする?業者選びのポイントも解説

ピアノ線が切れたらどうする?業者選びのポイントも解説

ピアノを長く弾くには不調を感じたら放置せず、適切なメンテナンスを行うことが大切です。
ここではピアノ線が切れた時の対応や、ピアノを修理する時の注意点について解説します。

ピアノの修理を依頼する目安

ピアノの寿命は30~60年ほどと言われていますが、適切に管理すれば数世代にわたって使用することもできます。
ピアノを長く楽しむには、年に一度行う調律以外にも定期的なメンテナンスが必要です。
ここではどんな不調が生じたら修理を依頼するべきなのか、おおよその目安を紹介します。

音が出ない

長年放置しているピアノは、いざ演奏しようとしても一部の音が出ない場合があります。
ホコリや異物がピアノの内部に入り込んでハンマーとピアノ線の接触を妨げていたり、クロスの劣化が進んでいるケースなど原因はさまざまです。

湿度の高すぎる部屋や直接冷房があたる過乾燥な環境などにピアノを置くと、部品の劣化が早まることも。
もし音が出ないトラブルが続くようなら、ピアノの保管方法に問題がある可能性も考えられます。

音色が揃っていない

長期間メンテナンスをしていないと高音と低音で音色が大きく異なったり、低音域を弾いた時にボコボコと音が鳴ったりすることも。
ピアノの内部に虫やネズミが巣を作りフェルトやクロスを劣化させていることもあるため、激しく音色が異なる時は注意が必要です。

低音域のピアノ線が錆びると音色の違和感をおぼえやすいと言われています。
低音に違和感をおぼえる時は、ピアノの調律やクリーニングなどを依頼するとよいでしょう。

異音・雑音が鳴る

ピアノの音色に金属音などの異音が混ざるトラブルもあります。
ピアノの近くに置いてある小物やメトロノームなどが共鳴しているケースもありますが、ピアノ内部に不具合があることも少なくありません。
蓋の上や譜面台など近辺に置いてあるものをどかしても異音や雑音が解消されない時は、修理を依頼しましょう。

鍵盤の不具合

古いピアノは鍵盤が戻ってこなかったり、割れてしまったりといった不具合もあるでしょう。
ピアノの内部でハンマーが折れ、他の鍵盤の動きを妨げているケースなどは、一見すると故障が見つかりにくいため長期間メンテナンスが行われないこともあります。

また小さい子どもが鍵盤を持ち上げてしまい、中でハンマーが破損するケースも多いようです。
鍵盤は間違った扱い方をすると、小さな力でも折れやすいので注意しましょう。

こんな時は注意!ピアノ線が切れているかも

「安定していた音が突然良く鳴らなくなった」「1音だけ音が変」などの不調を感じたら、ピアノ線が切れている可能性があります。
ピアノ線が切れていても音は鳴るケースも多く、あまり使わない音域だと不具合に気付かなかったという例も。
音色や音程を聴いて違和感おぼえたら、蓋を開けて内部を確認しましょう。

ピアノ線が切れる時は、金属がぶつかったような大きな音が鳴ります。
ピアノ内部からそのような異音が聞こえたら要注意です。
必ずしも頻繁に弾かれるピアノだけが断線しやすいわけではないので、長年弾いていないピアノも定期的に状態をチェックしましょう。

そもそもピアノ線とは?切れてしまう原因はある?

ピアノは、内部に張られた金属の線をハンマーで叩くことによって音を出す構造です。
この金属線をピアノ線と呼び、楽器以外にもさまざまな機械などで使用されています。
ピアノ線は「A種」「B種」「V種」の3種類にわかれ、楽器に使用されるのは主にA種とB種です。

ピアノ内部には、1本あたり70~80kgもの力でピアノ線が張られています。
すべてのピアノ線を合わせると20tほどの負荷がかかっており、ピアノを弾いていなくても金属疲労で切れてしまうことがあります。

他にもサビの発生や演奏中の負荷、設計上の問題などでピアノ線が切れることも。
「湿度の低い部屋でピアノを管理する」「強いタッチで弾きすぎない」などの注意が必要です。
またピアノ線を支えるフレームがもともと弱い設計だったというケースもあるため、あまりに切れやすい弦がある時は業者に相談するとよいでしょう。

ピアノ線が切れた時はどうする?修理依頼の前に気をつけること

大切なコンクールや発表会の前など急にピアノ線が切れてしまうこともあります。
修理をスムーズに進めるためには、業者が来るまでの期間に何をするべきなのでしょうか。
ここでは突然の故障に備えて知っておくべき知識を紹介します。

演奏しない・切れたピアノ線は捨てない

ピアノ線が切れたまま演奏を続けると、切れた弦が他の部品に絡まり故障の原因になります。
追加で修理費用が必要になることもあるので、ピアノ線の張り替えが終わるまで演奏は控えましょう。

また切れたピアノ線は破棄せずに保管して修理業者に見せるのがオススメです。
ピアノ線は「高音域」「中音域」「低音域」で太さが異なるだけでなく、製造メーカーや製造番号などによっても特徴はさまざまです。
既存のピアノ線がどのようなものだったかがわかれば、スムーズに作業を進められます。

切れた場所によって修理費用は違う

ピアノ線が切れた時にかかる費用は一定ではなく音域によって異なるので注意しましょう。
高音域は細い線を使用しているため比較的費用も安く、1本あたり約3,000~5,000円。
中音域は1本4,000~7,000円ほど。
低音域は1本約6,000~11,000円です。

低音域は音によってピアノ線の巻き方が異なるため費用に幅があります。
通常の弦は約6,000~9,000円で張り替えられますが、ダブル巻きのものは9,000~11,000円ほどと少し高額です。

修理費用を削減!自分でできるピアノのメンテナンス

ピアノの修理内容は多岐にわたるため値段も安いものから高いものまでさまざま。
たとえば「オーバーホール」と呼ばれる手法は新品のピアノが買えるほどの値段になることもあり、費用はとても高額です。

出来るだけ修理費用を安く済ませるには、日頃のお手入れがとても重要です。
ここでは自分で行えるピアノのメンテナンスや管理方法について説明します。

湿度・温度管理

ピアノの不調は「湿度」「温度管理」が大きく影響しています。
ピアノはとても繊細で加湿や過乾燥、急激な温度変化にとても弱い楽器です。
湿度は50%前後で温度は15~25度が目安。
冷暖房機や除湿機、加湿器を使って環境を整えましょう。

ピアノの配置にも気を配り、冷暖房が直接当たらないように工夫しましょう。
また電気ストーブや床暖房に近づけすぎると、ピアノ内部が急激に温度変化を起こすので注意が必要です。

ダンプチェイサーの使用もオススメ

常に部屋を適切な湿度に保っておくのは難しいものです。
家を空けることが多く空調管理が難しいという人には「ダンプチェイサー」を使用するとよいでしょう。

ダンプチェイサーとは、ピアノの内部に直接取り付けて使用するピアノ専用の除湿機です。
ピアノを温めて湿度を取り除くしくみですが、温度は50度を超えない設計になっているので取り扱いも安心。
湿度が47%を下回ると自動で電源が切れるため、忙しくてあまりピアノのメンテナンスが出来ない人にもオススメです。

外装のお手入れ

温度や湿度を管理してピアノ内部の劣化を防ぐだけでなく、外装のメンテナンスも大切です。
「クロス」「毛ばたき」「キークリーン」「タオル」などを使い、演奏した後は外装のお手入れを日課にすると汚れを溜め込まずに済みます。

乾いたタオルを使うとピアノに傷がつくので、よく絞ったもので水拭きしましょう。
仕上げはクロスで乾拭きしてホコリが着くようなら毛ばたきで落とします。
アルコールやベンジンなどを使用すると鍵盤にヒビが入ることがあるので要注意です。

ペダルのお手入れ

普段はだしでピアノの練習をする人は、ペダルに汗が付着することもあるでしょう。
ペダルは銅と亜鉛の合金で出来ているため、湿気や水分に晒されると錆びたり変色したりしやすい性質です。
汚れが目立ってきたら「ピアノコンパウンド」で磨き光沢を保ちましょう。

失敗しない!修理業者を選ぶポイント

料金やサービス、技術などは業者によって違うため、自分に合った適切な修理業者を選ぶことが大切です。
インターネットで予約できる業者も増えて気軽に利用できる一方で、態度や施工がずさんな悪徳業者も存在します。
ここでは失敗しない業者選びのコツについて紹介します。

資格や技術を確認する

ピアノ修理や調律、メンテナンスなどの仕事をするにあたり必ず保有しなければいけない資格はありません。
しかし能力や技術に応じて取得できるピアノ調律技能士という資格があり、業者のスキルを判断する基準になります。
ピアノ調律技能士を取得している人に修理をお願いすると技術に間違いはないでしょう。

しかし、ピアノ調律技能士の試験が始まったのは2011年から。
それ以前からピアノ修理や調律などの仕事をしていて「わざわざ資格を取得していない」というベテランのスタッフもいます。
必ずしも資格を持っていない人の技術が劣っているわけではないので、注意しましょう。

複数の業者に見積もりを依頼

同じ作業内容でも業者によって費用は異なります。
また運搬費や交通費が別途かかる店舗もあり、値段設定やサービスはさまざまです。
費用相場がわからない時はぜひ複数の業者に見積もりを依頼しましょう。

また値段の安い業者が優良な業者だとは限りません。
接客態度や見積書の内容、スタッフのスキルなどを総合的に判断し、自分と相性のいい業者に依頼するのがポイントです。

1人のピアノ業者と長く付き合えれば、自分好みの音色に調律を依頼できたり小さな不具合の相談もしやすかったりと演奏をする上でもとても便利です。
たくさんの業者を比較し、コミュニケーションの取りやすい担当者を見つけるのもよいかもしれません。

まとめ

ピアノの音が出なかったり音色が不揃いだったりする時は、調律の時期でなくてもメンテナンスを依頼するのがオススメです。
ピアノ線は切れていても音が鳴るケースも多く、定期的に演奏していなければ気付くのに時間がかかるかもしれません。
もう弾いていないピアノも放置せずに状態を確認しましょう。

日本最大級の修理店情報サイト「最安修理ドットコム」に掲載しませんか?
最安修理ドットコムには以下の強みがあります!


  • 掲載店舗数約2万店舗
  • 修理サポート記事1,600本
  • クチコミ数23万件超え

iPhoneをはじめとしたスマホやパソコン、車や時計、鍵や水まわり等あらゆる修理店情報を掲載しています。
掲載ご希望の修理店様はまずはお気軽にお問い合わせください。

掲載のお問い合わせはこちら

このコラムに関連するキーワード

役立ったら是非シェアしてください

  • このエントリーをはてなブックマークに追加