
車の運転中に「オイルランプが光っているけど、あとで何とかすればいいや」と軽い気持ちでいると手痛いトラブルを引き起こすことがあります。
点灯した「オイルランプ」を無視せずすぐに修理を検討しましょう。
オイルランプとは?
オイルランプは、車の「インストルメントパネル」に表示される警告灯の一種です。
正式名称は「油圧警告灯」といいエンジンオイルの異常を知らせる役割があります。
エンジンオイルは、車が安全に走行するうえで非常に重要な役割をはたしています。
一番に挙げられるのがエンジンと各パーツの摩擦を防ぎ、エンジンがスムーズに動けるようにする潤滑油としての役割です。
ほかにもエンジン内部の汚れを取り除いたり、サビの発生を抑えたりなど車の安全に欠かせないさまざまな機能も。
これらの役割を担うエンジンオイルの異常を知らせるオイルランプは「JIS規格」や「ISO国際標準規格」によって魔法のランプのようなマークにすることが定められています。
車の車種やメーカー、生産国による違いがないことからいかに重要性の高いサインであるかがわかります。
オイルランプが点灯するワケ
オイルランプの点灯は油圧の低下を示しています。
しかしその原因はひとつとは限りません。
以下の原因が考えられます。
オイルが減少している
オイルランプが点灯した時に考えられる原因のひとつが、エンジンオイルの減少による油圧の低下です。
たとえば、エンジンオイルを補給しないまま何年も車を使用していると、徐々にオイルが減っていき圧力が基準値以下になった段階で点灯します。
エンジンオイルが不足すると、エンジンが正しく機能しなくなり、重大な事故につながることも少なくありません。
オイルランプは、そうしたトラブルを未然に防ぐために搭載されています。
ランプの点灯に気付いたら、放置せずにきちんと対処しましょう。
ポンプの故障
エンジンオイルの減少以外に「オイルポンプ」の破損が考えられます。
オイルポンプはエンジンの最下部に貯まったエンジンオイルを汲み上げ、オイルを循環させるための重要なパーツ。
動物の体に例えると、心臓に近い役割をはたしています。
実は、エンジンオイルにはエンジン内部の汚れや金属片を取り込む性質が。
そのため長期に渡って同じオイルを使用していると、金属片などがオイルポンプに詰まりオイルを汲み上げられなくなってしまいます。
もちろんオイルの残量は関係ありません。
オイルがエンジン内部を循環できない状態になると油圧の低下を引き起こします。
その結果オイルランプが点灯します。
オイル交換で解決するでしょう。
オイルランプ自体の故障
エンジンオイルを定期的に交換していて十分残っているはずなのに、オイルランプが点灯しているときは、部品やランプ本体が故障している可能性が。
たとえばエンジンに正しく油圧がかかっているかどうかを判断する「オイルプレッシャースイッチ」というパーツが断線していると、誤作動を起こして点灯することがあります。
ほかにもオイルランプの「コネクター」や「センサー」が劣化している可能性が。
オイルの量が原因ではないと考えられるのであれば、カー用品店やガソリンスタンドなどでの点検をおすすめします。
不具合が見つかったら必要に応じて部品交換や修理を依頼しましょう。
オイルランプの点灯色で緊急度がわかる
オイルランプは点灯時の色によって緊急度が異なります。
「黄色」や「オレンジ」は、すぐに運転を止めるほどではないものの、早急に点検してエンジンオイルを補給したり交換したりする必要があります。
「赤色」に光っている場合はかなり緊急度の高い状態です。
今すぐに車の走行を止めて、オイルポンプやエンジンオイルの状態を確認してください。
オイルランプを点灯させたまま走行するとどうなる?
前述の通り、オイルランプはエンジントラブルを防止するために設置されています。
そのためオイルランプが点灯した状態で車を走らせ続けると「ノッキング現象」と呼ばれる異音が発生。
エンジンの焼き付き、マフラーからの発煙などを引き起こし、やがてエンジンが止まってしまいます。
エンジンオイルが漏れて油圧が低下していた場合、オイルに引火して車両火災につながることも。
このようにオイルランプが点いた状態での走行は、危険を伴うため絶対に避けましょう。
オイルランプが点灯した時にやるべきこと
走行中にいきなりランプが点灯すると驚きますが、冷静に対応しましょう。
ここからは、車の走行中にオイルランプが点灯した時の対処法をご紹介します。
車を安全な場所に停める
オイルランプが点灯したら、速やかに安全なところに停車しましょう。
コンビニの駐車場など後続車の邪魔にならない場所が理想的ですが、停める場所を探している間にエンジンが止まってしまうと大変です。
どうしても近くに駐車場がない場合は、路肩に停車させてください。
また高速道路を走行している途中でランプが点灯した場合は、近くのサービスエリアやパーキングエリアに移動して車を停めましょう。
近くにサービスエリアもパーキングエリアもなく、やむを得ず路上に停車する場合は「非常停止帯」を探してください。
非常停止帯も見つからなければ後続車に注意しながら路肩や路側帯に停めましょう。
ちなみに高速道路での駐停車は基本的に禁止されています。
路上に停車している間は必ず車の「ハザードランプ」をつけ、「三角表示板」や「発煙筒」を設置して後続車に注意を促します。
車を停めたらガードレールの外など車から離れた場所に移動しましょう。
オイルの残量を確認する
次に車のボンネットを開け、エンジンルームの中にある「オイルレベルゲージ」を確認します。
オイルレベルゲージとは、エンジンオイルの量を測定するための棒状の「ゲージ(測定機器)」のことです。
オイルレベルゲージには、オイルランプのマークがついている黄色の取っ手がついているので、すぐに見つけられるでしょう。
オイルレベルゲージを見つけたら引き抜いて、ゲージ先端のオイルを布などで拭き取ります。
先端がきれいになったら再び差し込み、エンジンオイルの残量を確認してください。
必要に応じてロードサービスを呼ぶ
「ロードサービス」を利用する場合、自動車保険に加入していて「JAF」に入っている人はJAFに連絡するとよいでしょう。
サービスの適用範囲であれば、無償で対応してくれることもあります。
どちらにも加入していないという場合は、JAFに連絡すれば非会員でも対応してもらえるでしょう。
エンジンオイルの残量からわかること
オイルレベルゲージの見方は以下の通りです。
オイルの残量によって取るべき対処は異なります。
オイルレベルゲージがEからF、もしくはHからLの間にない場合
オイルレベルゲージがE(Empty=空)からF(Full=満タン)、もしくはH(High)からL(Low)の間にない場合はオイル不足のサインです。
他のパーツに異常がない限りオイルを補給すればランプは消えます。
しかし、補給用のオイルを車に常備している人はおそらく少ないでしょう。
オイルはガソリンスタンドで補給できるほか、カー用品店などでも販売しています。
しかしオイルランプが点灯している状態での移動はおすすめしません。
徒歩圏内にオイルを入手できる場所があれば問題ありませんが、高速道路上などでは危険が伴います。
その場合は「ロードサービス」に連絡して対応してもらいましょう。
オイルレベルゲージがEからF、HからLの間にある時
オイルレベルゲージがEからF、もしくはHからLの間にある場合はオイルの残量に問題はありません。
どこか他の部品が故障している可能性が高く、エンジンオイルの不足よりも深刻な状態です。
故障している場所がわからないので、ロードサービスに連絡して対処してもらいましょう。
エンジンオイルの補給やオイルランプの修理にかかる費用
オイルランプが点灯した際、近くにガソリンスタンドやカー用品店、カーディーラーがあればその場でエンジンオイルを交換してもらうとよいでしょう。
ガソリンスタンドで交換する際の費用は、オイル代と工賃を含めて2,500~5,000円程度です。
カー用品店での交換は、オイルの種類によって上下しますが2,500~8,000円程度とガソリンスタンドよりもやや高くなります。
カーディーラーでの費用もオイルの種類によって幅があり、3,000~10,000円と高額になる傾向にあります。
ただしカーディーラーには知識豊富な整備士がいるため、車種に応じて的確なオイルと交換してもらえる点がメリットです。
オイルランプ周りの各部品の修理費用は、油圧を判断する「オイルプレッシャースイッチ」の場合、部品代と工賃を合わせて3,000円前後です。
本体が故障している場合「メーターパネル」の「コネクターやセンサー」を交換するのに、6,000~8,000円程度かかります。
オイルポンプに不具合がある場合の費用はやや高額です。
調整で済めば3万円程度ですが、交換が必要になると4~5万円程度かかる可能性があります。
オイルランプの点灯を予防するために
走行中にオイルランプが点灯するのはできるだけ避けたいもの。
そこで、オイルランプの点灯を予防するために普段からできることを確認しておきましょう。
定期的なエンジンオイルの交換
エンジンオイルは消耗品です。
使用しているうちに量が減るだけでなく汚れや異物が溜まっていきます。
古く汚れたオイルを使い続けているとエンジンを痛めることにつながるため、定期的に交換することが大切です。
3~6ヶ月に一度くらいのペースが望ましいとされていて、走行距離に換算すると5,000kmごとに一度の交換が目安です。
エンジンオイルを適温に保つ
エンジンオイルにはエンジンを冷却したり、エンジン内部の摩耗を防いだりする作用があります。
ところが使用期間が長くなるとオイルの品質が落ち、本来の役割を果たせなくなってしまいます。
夏場は難しいかもしれませんが、エンジンオイルの温度が120~130度まで上昇したらエンジンを止めて冷えるのを待つとよいでしょう。
エンジンオイルの温度は油温計などで確認できます。
また油温計が装備されていない場合は、2年に一度ぐらいのペースで冷却水を交換するとエンジンオイルが長持ちします。
エンジンオイルの交換はプロに頼もう
自分でエンジンオイルの交換作業を行うこともできます。
ただし専用のタンクやポンプの用意や、廃油の処理なども自分で行う必要も。
交換手順やオイルの規定量を守らないと余計なエンジントラブルを招く可能性もあります。
少しでも不安がある人はプロに依頼した方が確実かつ安心でしょう。
まとめ
車のオイルランプが赤く点灯したら、エンジンオイルに異常が起きているサインです。
そのまま走行し続けているとエンジンの焼き付きや発煙、最悪の場合は車両火災に繋がりかねません。
点灯に気づいたら、直ちに車を安全な場所に停車させてエンジンオイルの状態を確認してください。
オイルランプが点灯する原因は、エンジンオイルが不足して油圧が低下しているケースがほとんどです。
徒歩圏内でエンジンオイルを調達できれば自分で補充しても問題ありません。
しかしエンジンポンプなど他に問題ないかも含めて確認したい場合は、ロードサービスを呼んで対処してもらいましょう。

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