
最近車の冷房の効きが悪いなどといった「カーエアコン」に関するお悩みはありませんか?
この記事では、カーエアコンの仕組みや不具合が生じる原因、修理する場合の方法、費用について紹介します。
カーエアコンの仕組み
カーエアコンに不具合が生じた際、おおよその原因を推測できるようにカーエアコンの基本的な仕組みを理解しておくことが重要です。
まず仕組みとしてカーエアコンは「エアコンガス(冷媒)」が内側でぐるぐる回ることで、冷たい空気を作り出しています。
エアコンガスは「コンプレッサー(圧縮機)」を通過する際に圧縮されて高温高圧の液体となり「コンデンサー(凝縮器)」によって冷却。
冷やされたガスは、家庭用エアコンでいう室内機の役割をもつ「エバポレーター(蒸発器)」に噴射され急激に気化します。
この時周囲から熱を奪うことで冷気が発生し、それが冷たい風となって車内に送られます。
これがカーエアコンの冷房として機能するのです。
カーエアコンが効かない時に疑われる故障とは
トラブルが生じている部分を突き止められれば対処方法も明確です。
カーエアコンが効かなくなったら、まずは動作を確認しましょう。
風は出ているのに冷房が効かない
冷たい風が出ない場合は、エアコンガスが不足している可能性があります。
エアコンガスが足りていなければ当然冷風を作れません。
エアコンガスは液体から気体、気体から液体へと絶えず変化しているため、理論上では量が減ることはありません。
しかし実際には走行中の振動によって少量ずつガスが漏れているのです。
人体に影響はないものの、2~3年もするとエアコンガスはかなり少なくなっている可能性があります。
もし車内で普段とは違う臭いを感じたら、エアコンガスが漏れていることも考えられます。
経年劣化の可能性も
また、カーエアコンの部品が年数の経過による劣化で脆くなっている場合も。
エアコンガスを送るバルブの連結部分のゴムが脆くなったりパイプにひびが入ったりすると、そこからガス漏れに繋がります。
エアコンガスを補充しても冷房が効かない場合は、カーエアコン自体の劣化を疑ってみてください。
エアコンガスの残量不足を確認する
エンジンルームの中に「サイトグラス」と呼ばれる点検窓が設置されている車であれば、自分でガスの残量を確認できます。
ガスが詰まっている時には、透明で大きな泡が浮いて見えますが、複数の気泡が見える場合や何も見えない場合はガス不足のサインです。
サイトグラスが設置されていない場合は、専用のゲージを繋いで圧力を測る必要があります。
この作業には専門の知識と技術が要るため、できるだけ業者に依頼して見てもらうのがよいでしょう。
ガスは残っているのに冷房が効かない
エアコンガスの残量が十分あるにもかかわらず冷房が効かない場合、ガスを圧縮する装置「コンプレッサー」にトラブルが生じているかもしれません。
コンプレッサーは車のエンジンに取り付けられており、外見は直径20cm程度の丸い筒状でガスを通すための太い配管が2本繋がれています。
コンプレッサーが正常に機能しているか確かめるには、エアコンをつけた際にエンジンルームから聞こえる音を意識すること。
「カチッ」という音が聞こえたら、コンプレッサーが作動している合図です。
わかりにくければ、エンジンルームを開けて実際にコンプレッサーの様子を見てみましょう。
エンジンをかけてエアコンのスイッチを入れた際、カチッという音とともにベルトが掛かっている「コンプレッサープーリー」が回り始めたら正常な状態です。
冷房ではなく暖房が効かない
冷房以外に暖房が効かなくなることもあります。
暖房の不具合は冷却水が足りていないか、「サーモスタット」と呼ばれるパーツが故障していることが考えられます。
具体的に解説していきましょう。
冷却水の不足とは
冷却水にはエンジンを冷やす役割があり、この時に吸収した熱を暖房に利用。
このため冷却水が不足していると、暖房が効かなくなります。
冷却水は使い続けているうちに蒸発して徐々に少なくなります。
またホース類にひびが入っていると、そこから漏れて一気に減少することも。
冷却水の残量は、エンジンルームに設置されているタンクを確認すればわかります。
冷却水の不足は、暖房の不調だけでなくエンジンのオーバーヒートを引き起こす原因にもなりかねないため、定期的に残量を点検し随時補充するようにしてください。
サーモスタットの故障を疑う
もし冷却水の量が十分であれば「サーモスタット」と呼ばれるパーツが故障している可能性があります。
サーモスタットとは冷却水の温度を調整するための部分です。
サーモスタットの故障の前兆としては、「メーター内の水温計の警告灯が点灯する」「オーバーヒートを起こす」「オーバークールを起こす」などの症状が挙げられます。
これらの症状が見られるようになったら、早めの対処が必要です。
風が急に弱くなった
「カーエアコンの送風口から出る風が弱い」というトラブルも多く見受けられます。
これはファンモーターの故障、もしくはエバポレーターおよびフィルターの汚れが原因です。
具体的に見ていきましょう。
ファンモーターの故障とは
ファンモーターは、風を送り出すための扇風機のような装置です。
送風口からまったく風が出ないとなると、経年劣化によってファンモーターが故障している可能性が高いため、業者でファンモーターを交換してもらう必要があります。
エバポレーター、フィルターの汚れ
「エバポレーター」とは、エアコンガスを減圧して蒸発させ、その際に発生する気化熱を利用して冷却するための装置です。
エアコンガスを冷やす際には、どうしても大量の結露が生じますが、この時発生した結露を放置するとエバポレーターにホコリが溜まりカビが生えることもあります。
エバポレーターの汚れはカーエアコンの風を弱める原因になりますが、汚れさえ除去できれば問題は解決できます。
ただし「ダッシュボード」の下にあるカーエアコンを素人が分解することは困難です。
清掃にも適切な薬品を用いる必要があるため、必ずプロの業者に依頼しましょう。
エバポレーターだけでなく、カーエアコンのフィルターが汚れている場合にも送風を妨げてしまいます。
年に一回を目安に交換することを推奨しているメーカーが多いですが、まめに交換することで大幅に改善できるでしょう。
フィルターの交換方法は車の説明書にも記載があります。
業者に頼めばスムーズですが、費用を抑えたい方は自分で交換することも可能です。
カーエアコンの修理はどこに依頼する?
カーエアコンの不調の原因を特定できたら修理に出すのが一番です。
依頼先としては「ガソリンスタンド」「カー用品の販売店」「カーディーラー」などがあります。
新車を購入して3年以下の場合は、保証の期間内となるので、車を購入したディーラーに依頼すれば無償で修理してもらえるでしょう。
ただしカーディーラーでの修理は安心感がある反面、保証期間を過ぎている場合ほかの業者と比較すると高くなる傾向にあります。
修理をできるだけ安くすませたい人は、カー用品店への依頼がおすすめです。
ディーラーやガソリンスタンドで修理するよりも低価格で修理してもらえるでしょう。
カーエアコンの修理方法と費用
車を修理に出すとなると気になるのが費用です。
ここからは「カーエアコンを修理する際の具体的な方法」と「費用の目安」についてご紹介します。
エアコンガスを補充する
「エアコンガス」が減少している程度であれば、エアコンガスを補充すれば直ります。
エアコンガスは1本(200g)2,000円程度で、それ以外に作業費として1,000円程がかかります。
必要なエアコンガスの本数は車の種類によって異なります。
注入の規定量は軽自動車であれば2~3本、セダンは3~5本、ミニバンは4~5本、ワンボックスは4~6本が目安です。
だいたい減っている分だけを補充するため、費用は3,000~5,000円程度が相場とされています。
エアコンガスは自分で補充できる?
エアコンガスの補充は自分で行うこともできますが、入れすぎるとエアコンが正常に機能しません。
またエアコンガスを車に注入するためには「チャージホース」が必要となり、万が一ホースの接続位置を間違えるとガス缶が破裂することもあります。
知識のない人がエアコンガスを扱うのは非常に危険です。
少しでも不安がある人は業者に依頼することをおすすめします。
またエアコンガスが不足している原因が走行時の振動によるものではなく、部品の亀裂などによるガス漏れである場合はガスを補充するだけでは根本的な改善はできません。
その場合は損傷しているパーツの修理や交換が必要となり、費用はやや高額ですが20,000~30,000円程度を想定しておきましょう。
各パーツの修理や交換をする場合
故障したカーエアコンの修理費用はやや高めです。
パーツごとの修理費用の目安としてはコンプレッサーが50,000円~、冷却水の交換が5,000円~、サーモスタットが10,000円~、ファンモーターの交換は20,000~30,000円程度が相場です。
エバポレーターの清掃は、分解洗浄やホースを差し込んでの洗浄などいくつか種類があります。
オプションサービスの内容によっても5,000~50,000円と大きく幅があるので確認が必要です。
カーエアコンの修理依頼は複数の業者から見積もりを取る
カーエアコンを修理に出すなら必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。
業者によって費用にばらつきがあるため、相場を比較することで金額が適切かどうか判断できます。
また金額だけでなく修理の実績や口コミなども参考にしましょう。
まとめ
カーエアコンに不具合が生じたら、まずは動作を確認してどの部分に問題があるのか特定しましょう。
原因の多くはエアコンガスの減少によって冷房の効きが悪くなるトラブルです。
その場合はエアコンガスを補充するだけで解決することが多いので、業者に依頼すると適切な分量を注入してもらえます。
それ以外の原因は、コンプレッサーやサーモスタットなどの各部品の故障が考えられます。

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