
「車のブレーキからキーキー音が聞こえる」「ブレーキを踏んだときにガタガタと振動が起きる」などのトラブルは「ブレーキローター」の問題かもしれません。
今回はブレーキローターの交換について解説します。
INDEX
ブレーキローター(ブレーキディスク)とは
ブレーキローターは、車やバイクなどの車輪に採用されている「ディスクブレーキシステム」の部品です。
タイヤのホイールの内側に見えている円盤型の金属で、車を止めるときに重要な役割をはたしています。
ディスクブレーキシステムでは、走行時車輪と一緒に回っているこの円盤型のブレーキローターを両側からブレーキパッドで挟みこんで減速。
ブレーキを踏むと、ローターとパッドの摩擦で車輪の動きが止まりますが、このときの摩擦によってブレーキシステムには高い熱が生じます。
この摩擦で生じる熱を逃がしやすいように、ホイール内の通気性のよい場所に設置されている点が特徴です。
他にもドラムを内側から「ブレーキシュー」で圧力をかけ、車輪の動きを止める「ドラムブレーキ」も。
低速からの制動性能が高いドラムブレーキは、リアブレーキや中型以上のトラックなどによく使われています。
その一方で高速からの制動性能が高いディスクブレーキは、フロントや普通車、スポーツタイプの車に使用される傾向があります。
ブレーキローターの交換時期
ブレーキローターは摩擦によって消耗するため、定期的に交換する必要があります。
ブレーキローターの交換時期は、国産車の場合で走行距離が10万kmを超えた頃とされています。
車の乗り方や使用頻度によって交換時期に違いが出てくるでしょう。
日本車の交換目安は10万kmですが、欧州車は摩耗の進みが早く5万km程度での交換が推奨されています。
これは、欧州車のブレーキローターが日本車よりもやわらかい材質でできているケースが多いため。
また「ブレーキパッド」の方が消耗しやすいため、一般的にブレーキローターを1回交換する頃にはブレーキパッドは2回目交換します。
走行距離が10万kmに届いていない場合でも、ブレーキローターが新品の状態から2~3mm程度擦り減ると安全面での不安が生じます。
そのときは交換した方がよいでしょう。
ブレーキローター本体に交換の目安となる厚さが刻印されているので、刻印を目安に交換時期の確認もできます。
実際にはサビで交換目安の数値が見えにくいことも多いので、ブレーキローターにできた凸凹などから判断するケースも。
また破損が進むと、よけい止まりにくくなり安全面での問題も生じるため、ブレーキローターに「扁摩耗(へんまもう)」やヒビが発生したときも交換が必要です。
トラブル
ブレーキローターがそれほど摩耗していない状態でも、偏った摩耗が進んでいたりヒビが入ったりすることがあります。
こうしたトラブルには、車が止まりにくくなるなどの問題が生じやすいので早めに交換しましょう。
ここではよくあるトラブルを紹介します。
サビ
ブレーキローターにはネズミ鋳鉄(ちゅうてつ)と呼ばれる金属が使われています。
ネズミ鋳鉄は、サビがつきやすい金属で、雨の降った後や洗車後など水に濡れると簡単にサビが生じてしまいます。
軽くサビがついた程度なら、ブレーキをかけたとき自然にサビが削られるので問題ありません。
しかしサビが発生してから数ヶ月間車を使わなかった場合など、ブレーキローターがサビに覆われている状態になると、ブレーキがかかりにくくなるので注意が必要です。
ブレーキをかけたとき、サビが原因で異音が生じる場合もあるでしょう。
硬化したサビの場合、通常の車の使用だけでは元に戻らなくなるので部品の研磨や交換が必要です。
汚れの付着
ブレーキローターに油分や洗車用の洗剤などがついたままになっていると、ブレーキがかかりにくくなります。
汚れが付着しているだけであれば、何度かブレーキを使っているうちに摩擦で削られてなくなり徐々にブレーキが正常に戻ります。
削れ方に偏りが出る可能性がありますが、修理をするほどではありません。
ジャダー
「ジャダー」とは、ブレーキ時に生じる振動のことです。
スポーツ走行などでブレーキローターが長時間熱された場合、形が歪んでしまうことがあります。
ブレーキを踏んだときにガタガタと振動が起きてしまうので、安全な走行のためにも研磨や交換作業を行いブレーキローターの歪みを解消するようにしましょう。
スジ
ブレーキローターの表面に入っているスジは、ブレーキパッドが削れたときに出るカスがパッド上に貼りついて固まった「メタルキャッチ」かもしれません。
このメタルキャッチが原因でブレーキローターにスジがつくことがあります。
スジが出た場合は、メタルキャッチを取り除く処置を施しますが、運転時に異常が起きていなければブレーキローターを急いで修理する必要はないでしょう。
ただし、スジは摩耗によるブレーキローターの交換時期が近くなっている証拠のひとつですので、部品の交換を考えはじめることをおすすめします。
ヒビ割れ
ブレーキローターには「ヒートクラック」と呼ばれるヒビが入ることがあります。
ブレーキの熱で金属が膨張するとヒートクラックが生じて小さなヒビが。
ヒビが小さいうちは違和感なく走行できますが、少しずつヒビが広がっていくとブレーキローターが割れてブレーキ性能が落ちてしまいます。
早めに交換を行いましょう。
ブレーキローターの研磨・交換
ブレーキシステムに異常が起きていると、停止線で止まれるようにブレーキをかけたのにもかかわらず大幅に超えてしまうこともあり危険です。
ブレーキローターの問題が起きているときは、早めに研磨や交換を行う必要があります。
研磨
ブレーキの利きが悪くなったり、異音が気になったりする場合は、研磨でトラブルが解消できる可能性があります。
まだブレーキローターの厚みが残っている場合は、凸凹になっている表面を専用の機械で研磨します。
ただし車の購入から時間が経っていると、厚みが減ってしまっていて研磨ができない場合も。
十分な厚みがない状態で研磨を行うと、ブレーキローターが破損することもあるので、事前に研磨ができるかどうかを確認しておきましょう。
また外国車はブレーキパッドが固いため、ブレーキローターの摩耗が進みやすく、研磨が難しいケースが多いので注意が必要です。
交換
ブレーキローターが薄くなっていた場合や、深い傷や大きなサビ、ヒビ割れができている場合は研磨が難しいため部品の交換で対応します。
とくに熱で歪んでしまったブレーキローターの制動力は、研磨で改善しない場合があるので交換した方が安心でしょう。
交換を行うとブレーキローターが滑らかになり、異音やジャダーなどのトラブルが解消されます。
またブレーキパッドも一緒に新しいものにしておくと制動性能が改善しトラブルの再発も予防。
ブレーキローターと一緒に凸凹のくせがついたブレーキパッドも交換しておくと安心です。
ブレーキローターの交換費用目安は?
安全面で重要な役割をもつブレーキローターは、指定工場に交換を依頼するか、自己責任にはなりますが自分で交換できます。
ただ運転時の安全に関わるとても重要な部品なので、自分で交換する方法はおすすめできません。
そこで一般的に修理工場に依頼したときのブレーキローターの交換方法や、交換にかかる費用について紹介します。
ブレーキローターの交換費用相場
ブレーキローターの交換には工賃と部品代がかかります。
工賃は1輪4,000円程度でブレーキローターの一般的な価格は純正品で1~2万円程度なので、交換にかかる金額は1輪当たり1万4,000円といった具合です。
一度にフロントやリアの2輪ずつ交換するケースが多いため、一般的には一度の交換で約3万円程度の費用がかかります。
フロントに設置されているブレーキローターよりもリアの方がブレーキ時の負担が少ないため、交換頻度が少なくすみます。
大抵フロントから交換が必要になるでしょう。
ブレーキパッドを一緒に交換する場合、部品代は左右の2輪分が1セットになっていて軽自動車では7,000円、普通車は8,000円が一般的な価格です。
部品代にプラスする工賃は左右セットで6,000~10,000円位が相場で、修理業者によって費用の価格は異なります。
そのため、工賃と部品代を合わせて14,000円が費用の目安です。
ブレーキローターの塗装
ブレーキローターはさびやすい材質でできていますが、ブレーキを使っていると基本的にサビは自然と削られます。
しかしブレーキで摩擦が生じない部分はそのまま赤いサビが残るので、ホイールの間から見えるサビついた部分が気になる方もいるかもしれません。
サビによって車の外観が損なわれるのが嫌な場合は、耐熱性のある塗料でブレーキローターの塗装がおすすめです。
おすすめの修理業者を見つけるには?
ブレーキローターの交換作業は、国から認証されて指定されている修理工場でしか整備が認められていません。
運転時の安全に影響するブレーキやエンジン、サスペンションなどの分解整備を依頼したいときは、指定整備工場を探す必要があります。
修理工場はたくさんあるけれどどこに依頼をしたらいいかわからないというときは、最安修理ドットコムの利用がおすすめです。
お住まいのエリアにある修理工場を口コミや価格を比較しながら探すことができるので、修理工場の探し方がわからないとお悩みの方でも簡単に希望の修理工場を探せるでしょう。
まとめ
ブレーキローターは、ディスクブレーキシステムで採用されている部品のひとつです。
ブレーキを踏むたびに摩擦で高熱が発生したり削られたりするため、基本的には長期間使えますが徐々に消耗が進み交換が必要な状態になります。
ブレーキローターにヒビが入った場合や凹凸がひどくなった場合はブレーキの効きが悪くなります。
トラブルに気がついたら早めに修理工場にみてもらいましょう。
ブレーキローターの整備は指定の修理工場でしか行えないため、整備可能な修理工場を探してから依頼する方法がおすすめです。

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