時計の顔でもある文字盤は、アクセサリーとしての時計の印象や魅力を大きく左右します。
時計を見る=文字盤を見る、と言ってもいいぐらいで、おそらく文字盤のデザインやテイストを重視して時計を購入する人も多いのではないでしょうか。
そんな大切な文字盤ですが、ガラス(風防)などで守られているにもかかわらず、トラブルが発生してしまうことがあります。
ここでは、そんなトラブルの一つである「文字盤がズレた場合」について、対処法や修理費用の目安をあわせて見てみましょう。
時計 / Ryohei Yoshifusa
INDEX
文字盤がズレる原因は?
普段から問題なく腕時計を使っていたのに、ある日突然、ふと見ると文字盤が大きくズレてしまっていたという経験をしたことはないでしょうか。
あるいは、少し文字盤がぐらつくなと思っていたらある日途端にズレてしまったなど。実は、文字盤のズレは腕時計の故障としてそんなに珍しいことではありません。
時計は文字盤がズレてしまうともはや実用性がなくなり、エクステリアも大きく損なわれ、はっきり言って使い物にならなくなってしまいます。この場合、どう対処すればよいのでしょうか。
文字盤がズレる原因は「干支足」の折れ
ほとんどの場合、文字盤がズレてしまう原因は文字盤の裏面から突起している「干支足」という棒状の部品が折れてしまっていることにあります。
時計業界では文字盤のことを「干支」と呼ぶ慣習がありますので、文字盤から生えている足、すなわち「干支足」と呼ばれます。
干支足は通常2本であることが多いですが、時計によっては(主に高級時計)3本であったりもします。
干支足は、非常に細い部品ですのであまり頑丈とは言えず、ちょっとした衝撃で折れてしまうことがあります。
時計を落としてしまったり、何かに軽くぶつけてしまったりするだけでも折れることがありますので、注意が必要になります。
とは言っても、すでに文字盤がズレてしまったのなら後の祭り。こうなってしまったら、干支足の修理をお願いするか、文字盤ごと交換してもらうか、はたまた買い替えるかという選択肢になるのが一般的なようです。
文字盤のズレは修理で直せる?
時計の文字盤がズレてしまった場合、原理的には折れてしまった干支足を再度接着させることで修理が可能となります。
しかし、実際には、干支足を接着させるだけで万事OKというわけにはいかないようです。
「ロー付け」は文字盤を変色させる?
少し具体的に見てみましょう。
干支足を文字盤に接着させるには、一般的に「ロー付け」を行います。
ロー付けとは要するに溶接のことですが、この溶接は高温処理となります。すると文字盤にも熱が余計に伝わってしまい、文字盤の表面が変色してしまいがちなのです。つまり、干支足を接着すると時計の「顔」を汚すことになりかねないのです。
そのため、干支足を直すだけではなく、変色した文字盤のリダン(文字盤を再びキレイな状態に仕上げること)が必要になるケースが多く、「干支足修理代」と「リダン代」を合算すると、修理代がとても高くついてしまいます。
文字盤の修理・交換にかかる料金の目安は?
時計の文字盤の修理や交換は、時計の種類やパーツによって異なります。
- 干支足修理代:5,000円ほど
- リダン代:20,000~40,000円ほど
そう考えると(時計によっても値段が変わります)、はじめから文字盤を交換してしまったほうが安く済むことが多くなるのです。
場合によっては、修理せずに新しい時計に買い替えた方が良いこともあるでしょう。
ただ、もちろん腕時計の状態によっても、時計修理屋の技量によっても対応方法や値段は変わってくるので、文字盤がズレてしまったら一度修理屋に見てもらうのが確実です。
腕時計が故障した方は 腕時計の故障時に知りたい!修理の値段相場はどのくらい?の記事で解説しています。
対処法はケースバイケースで考える
時計の文字盤がズレてしまった場合、値段で考えると、通常は文字盤の交換をお願いするか、買い替えた方が無難になるようです(こちらから言わなくても、修理屋から提案されると思いますが)。
文字盤の交換料金は時計本体の10~20%ほどが目安と言われていますし、新しい魅力ある時計があれば買い替えたいと思うのも不思議ではありません。
しかし、どう対処するかはケースバイケースなことが多く、高額であるにもかかわらず、修理屋にて干支足の接着+リダンを依頼する人も決して少なくありません。
その主な理由は、次のようなことです。
時計によっては交換する文字盤がない
時計は永遠に同じモデルが生産されるということもなく、また部品の供給も有限です。そのため、製造からだいぶ時間が経ったようなアンティーク時計は、交換できる文字盤自体がないことも珍しくありません。
このようなケースでは、その時計を使い続けるためにリダンを見越してでも干支足の修理を希望する人がいます。
手放せない時計
腕時計はアクセサリーやメカニカル的な魅力以外にも、さまざまな思い出が宿るものです。
念願叶って手に入れた時計、プレゼントされた時計、形見の時計など、どうしてもその時計でなくてはならないケースがあります。このような場合は、修理代より新しく買ったほうが得と割り切れるものではありませんね。
参考:カシオ腕時計故障時の修理費用まとめ・メーカー修理情報
SEIKO腕時計の故障時に!メーカー保証情報・修理費用まとめ
チュードル腕時計の故障時に!保証情報・修理費用まとめ
ゼニス腕時計の故障時に知りたい保証・修理情報まとめ
オフィチーネパネライ腕時計の故障に対する保証・修理情報まとめ
まとめ
文字盤がズレてしまった場合、一般的には上記のような対処法がありますが、どの方法を選ぶかは人によって異なります。
腕時計への愛着度合いや金銭的な負担など、いろいろ考慮すべきポイントがあると思います。
まずは修理屋に直すのにいくらかかるか、どれだけ時間がかかるか、どうするのが賢いかなど、尋ねてみると良いでしょう。
また、もし修理をお願いするのなら事前に見積もりを出してもらうと良いでしょう。
文字盤を修理してもらう依頼先を探すなら当サイト最安修理ドットコムを利用してみてください。こちらには、全国各地のあらゆる修理店が集っており、各修理店の詳細や評判を知ることができます。
愛着を持った時計を長く使うのも、新しい魅力ある時計との出会いを求めるのも、どちらも間違いではないはずです。
日本最大級の修理店情報サイト「最安修理ドットコム」に掲載しませんか?
最安修理ドットコムには以下の強みがあります!
- 掲載店舗数約2万店舗
- 修理サポート記事1,600本
- クチコミ数23万件超え
iPhoneをはじめとしたスマホやパソコン、車や時計、鍵や水まわり等あらゆる修理店情報を掲載しています。
掲載ご希望の修理店様はまずはお気軽にお問い合わせください。