電子ピアノの修理費用の相場は？故障内容別に調べてみた

電子ピアノとは「デジタルピアノ」「エレクトロニックピアノ」ともいわれる、音源部に電子回路を用いたピアノ型の楽器です。

最近はどの楽器メーカーも電子ピアノに力を入れており、色々な種類のピアノを店頭で見かけます。しかし、電子ピアノは機械でできているため、さまざまな不具合を生じることも少なくありません。

今回はそんな電子ピアノの修理費用を故障内容別に紹介します。電子ピアノの修理を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

電子ピアノとは

近年、電子ピアノの需要は増加しているようです。電子ピアノはヘッドフォンが使用できるため、近所迷惑が気になってしまう方、マンションにお住まいの方、夜間も練習がしたい方などからの人気が高まっています。

一般的なピアノ(アコースティックピアノ)は、鍵盤を押すとピアノの中でハンマーが弦を叩き、そこでピアノの音色が奏でられるというシンプルな仕組みになっています。

一方、電子ピアノには、弦やハンマーなどの代わりに電子回路が内蔵されています。この電子回路にピアノの音色が再生される機能がつけられているため、音が出る仕組みになっているのです。

アコースティックピアノに近い品質

電子ピアノは弦や弦を支えるフレームなどの大掛かりな部品がないので、軽量かつコンパクトです。したがってグランドピアノやアップライトピアノと比べると、おおむね低価格で販売されています。

また、電子ピアノの鍵盤はアコースティックピアノと同じ88鍵盤あり、最近は電子ピアノもますます進化しています。より鍵盤のタッチがアコースティックピアノに近づいていたり、音の強弱の差がはっきりわかるようになってきています。

しかし、電子機器なので壊れることも…

アコースティックピアノは壊れにくく頑丈で、寿命はだいたい60～70年といわれています。しかし、環境によって左右されやすく、定期的にメンテナンスをしなければなりません。

一方で電子ピアノの寿命は10年から長くて20年ほど。アコースティクピアノのように定期的なメンテナンスは必要ありませんが、電子ピアノは電気製品なので、ある程度の劣化や故障、不具合などが避けられないようです。

電子ピアノ有名メーカーの保証期間

もしも電子ピアノが故障したとしても保証期間内であれば修理費用もいくらか安くなります。

次に紹介する4メーカーは電子ピアノの人気モデルを有するブランドです。自分の電子ピアノは保証期間内のものか、一度確認してみましょう。

ヤマハ(YAMAHA)

ヤマハは日本最大の大手楽器メーカーです。アコースティックピアノも有名ですが、電子ピアノのブランドでも最も人気があります。最近ではアコースティックピアノにより近づける研究進められており、従来のものよりさらに鍵盤のタッチや表現力の再現度が高められています。

ヤマハの保証期間は、保証書に記入された購入の日付から1年です。保証期間中に故障が発生した場合、購入した店舗に連絡すると技術者が修理・調整をしてくれます。保証期間を過ぎると、修理費用がかかってしまいます。

カワイ(KAWAI)

カワイはピアノ販売で世界第2位のシェアを占める、ヤマハと並ぶ日本の国内大手楽器メーカーです。カワイは鍵盤タッチにより力を入れていて、黒鍵まで木材を使用しています。透明感があり、静かな音の響きが特徴的です。

カワイの保証期間も、保証書に記入された購入の日付から1年です。保証期間内であれば、購入した店舗に依頼して修理を行います。

ただし、保証期間内であってもこちら側が費用負担となる条件もあるようなので、事前に問い合わせておきましょう。

カシオ(CASIO)

カシオといえばデジカメ、時計などがおなじみですが、電子ピアノにも力を入れています。

特に2016年に発売された「GPシリーズ」は、グランドピアノに使われている鍵盤をそのまま電子ピアノに搭載したもので、音大生に絶大な人気を博しています。

カシオの保証期間は、保証書に記入された購入の日付から1年です。ただし、「セルヴィアーノ」シリーズは3年保証となります。

ローランド（Roland）

ローランドは電子ドラムやシンセサイザー、エフェクターなどの電子楽器を中心に展開しています。日本で初めて電子ピアノを製造したメーカーで、世界的に有名なアーティストもローランドの電子ピアノを愛用しています。

ローランドの保証期間は1年または5年で、正確な期間は型番によって異なります。保証書に記載された日にちからカウントされます。

コルグ（KORG）

コルグはシンセサイザーで世界的に高い評価を受けている電子楽器メーカーです。

低価格でデザインを重視したピアノが特徴的で、部屋のインテリアとしても置けるほどの豊富なカラーバリエーションが揃っています。もちろん電子ピアノの音質も劣ることなく、綺麗でクリアな音色が出ます。

コルグの保証期間は、型番によって異なるようです、保証書に保証期間が記載されているので、確認してみましょう。

電子ピアノの主な故障内容と費用相場

次に電子ピアノの故障内容、費用、対策を紹介します。

電子ピアノの修理費用はピアノの状態によって異なるので、ここで紹介する費用はあくまでも参考程度にしておきましょう。そして、実際に見積もりしてもらうことをおすすめします。

電源が入らない

電源が入らない場合の対処法としては、電池を新しいものに替える、電池の挿入方向を確かめる、メモリーカードを外して電源がつくか確認する方法があります。

料金：約9,000～15,000円

音が出ない

音が出ないときの対処法は、マスターボリュームが上げる、ヘッドフォンを抜く、変換プラグを抜く、ペダルコードを抜き、サステイン端子に繋ぐ、スイッチを「標準」に切り替える、ローカル音をオンにする、初期設定にする（ただし、ピアノに録音した演奏や設定した内容は、機種によっては消去されてしまう可能性あり）があります。

料金：約20,000～25,000円

鍵盤交換（1鍵）

鍵盤の戻りが悪い、タッチに差があるなどの場合は、1鍵から交換が可能です。

料金：約10,000～15,000円

電子ピアノの修理を行っている業者

電子ピアノの保証期間内であればメーカーに問い合わせると無償で修理を行ってくれるようです。しかし、保証期間を過ぎてしまい、メーカーの保証が受けられない方もいるのではないでしょうか。

メーカーは保証期間を過ぎていたとしても有料で修理を行ってくれますが、やはり割高になるようです。次は、電子ピアノの修理を行っている修理業者を紹介します。

ピアノアート

https://www5a.biglobe.ne.jp/~pianoart/syuuri.html

ピアノアートは、ピアノ調律、修理、中古ピアノ販売、買取などを行っているピアノ専門業者です。

同社は、ヤマハ認定の技術者が修理を担当しているので、より確実な修理を行ってくれるでしょう。ただし、ピアノアートで修理可能な電子ピアノは、ヤマハ製のみとなるので注意しましょう。

楽器修理110番

https://www.gakkishuri110.com/

楽器修理110番は、年間受付件数が20万件を超える、ピアノ調律、ピアノ修理、ギター、管楽器などの楽器修理のプロが集まる業者です。安心の明朗会計やお客様満足度98％以上なことは安心して修理に出せる特徴といえるでしょう。

ただし、購入日から5年以上がたった電子ピアノは対応不可となっているので、よく確認しておきましょう。

ニシバタ楽器

https://www.nishibata-gakki.com/shop/maintenance.html

ニシバタ楽器は、エレクトーン・電子ピアノ・キーボードなど、電子鍵盤楽器の修理をメインに行っている修理業者です。

電子ピアノの修理出張地域は、大阪府河内長野市、富田林市、大阪狭山市に限られており、修理対象メーカーはヤマハのみとなります。

電子ピアノの修理を依頼する際の注意点

電子ピアノの修理を依頼する際は、いくつか注意する点があります。以下3つの注意点を確認して、業者に修理の依頼を行いましょう。

保証書は大切に保管する

各メーカーの保証期間は、基本的に購入してから1年間です。電子ピアノを修理に出す際に保証書はマスト品です。紛失してしまったり、コピーでは取り扱ってくれないので、必ず原本を用意するようにしましょう。

また、保証書、もしくは取り扱い説明書に記載されている項目事項を満たさないと修理不可となります。あらかじめお手持ちの電子ピアノは対象となっているのか確認してから依頼しましょう。

型によっては部品が廃版なため修理できないものもある

電子ピアノは機械でできているため、部品も古いものになると廃番となりパーツを取り寄せることができなくなります。特に7～8年を過ぎたものになると、廃番になってしまう可能性が上がります。

メーカーによっては修理対応業者が少ない

上記で紹介した修理業者3社のうち、2社がヤマハの電子ピアノのみの修理を対応していました。電子ピアノを対応している業者は限られているため、メーカーや型番によって対応していないところもあります。

しかし、お手持ちの電子ピアノのメーカーに依頼すれば、保証期間が過ぎたものでも、修理対応してくれるはずなので、まずはメーカーに問い合わせて見積もりしてもらうことをおすすめします。

まとめ

今回は電子ピアノの修理費用相場について紹介しました。

電子ピアノは電気製品であるためアコースティックピアノよりも壊れやすく寿命も短いので、長年使用しているとどうしても不具合が生じやすくなります。

しかし、保証期間内であればメーカーで無料修理を行ってもらえるので、まずは保証書を確認してみてください。その際、もしも保証期間が過ぎてしまっていたら、メーカーと修理業者の両方に見積もりを依頼してみるといいかもしれませんね。