ピアノは一生の思い出となる鍵盤楽器です。お子さんの習い事や趣味としてピアノを購入する方も数多くいます。しかし、中には大切なピアノが壊れてしまって困っている人もいるのではないでしょうか。
ピアノは決して安価ではなく、思い出深い楽器でもあるため、壊れてしまった際には修理をしてずっと使っていきたいものです。
では、ピアノを修理に出す場合、一体いくらくらいの費用がかかるのでしょうか。今回はピアノが壊れてしまった際の修理費用の相場をまとめたので、修理を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ピアノの主な故障内容とは
ピアノの寿命はさまざまです。音大生や受験生のように日常的に使用したり、触れ合う時間が長いピアノは10~15年ほど、普通に使われていて丁寧にメンテナンスされているピアノなら60~70年ほどが寿命と言われています。
使用頻度によってもピアノの寿命は異なるのです。また、ピアノは頑丈で少しくらいの傷がついても壊れにくいものですが、温度や湿気などの環境によっても状態が大きく変化します。そのため一概に寿命は何年とは決まっていないのです。
そんな丈夫なピアノですが、何かしらの原因によって故障してしまうことがあります。次ではピアノが壊れてしまう原因と主なケースについて紹介します。
鍵盤が上がらない
ピアノの鍵盤が上がらない原因は複数考えられます。
鍵盤と鍵盤の間に異物が入り込んでしまったり、加湿によって鍵盤が膨張してしまい運動が鈍くなっていたり。これらの原因によって鍵盤が元の位置に戻らなくなってしまうのです。
無理に鍵盤を押したり引っ張ったりすると状態が悪くなってしまうので気をつけておきましょう。
一部の音が出ない
ピアノの一部の音が出ない場合も、複数の原因が考えられます。
異物が入り込んでしまい発音の妨げになっていたり、多湿・過乾燥の影響でピアノ内部にあるクロスの摩耗が生じていると、音が出なくなってしまいます。多湿・過乾燥の場合、ピアノを設置している周りの環境自体に問題があるかもしれません。
低音に違和感がある
想像するとゾッとしてしまいますが、ネズミや虫がピアノ内部に入り込んで巣をつくったり、フェルトをかじってしまうことがあります。するとピアノの音や鍵盤のタッチを狂わせる原因になるのです。
また、ネズミや虫の糞尿によってパーツが錆びてしまうこともあります。特に低音弦が錆びてしまうと、「ボン!」「ボコ!」といった音が出てくるので、低音に違和感があるときはピアノの調律を依頼することをおすすめします。
金属が響く音がする
まれにピアノの音と共に、金属の響く音が鳴ることがあります。この原因としては、ピアノの音から発生する空気振動が、周りのものに当たって共鳴してしまうことが考えられます。
主な原因として、時計、メトロノームの蓋、カーテンレール、定規、ハサミなどが挙げられますが、ピアノ内部やすぐ近くのものだけが影響しているとは限りません。原因は分かりにくいこともあるので、調律師の方に相談することをおすすめします。
ピアノ修理箇所別の費用相場
次に、ピアノの箇所別の費用相場を紹介します。ピアノは壊れた箇所によって値段も大きく異なるので、あらかじめ大体の費用を確認しておきましょう。
調律費…アップライトピアノ約12,000円・グランドピアノ約15,000円
ピアノを管理するうえで一番欠かせないのが調律です。一般的に調律の頻度は年に1度ほどですが、ピアノをよく使う音大生や先生などは年に2回の調律を行うことをおすすめします。
調律にかかる費用相場は、グランドピアノの場合だと大体15,000円、アップライトピアノの場合だと12,000円前後が平均的な値段です。これは、前回の調律から1年以内、ピアノ1台分の調律費としたものです。
オーバーホール…アップライトピアノ約40万円・グランドピアノ約70万円
オーバーホールとは、古くなったピアノ88鍵分の弦、調律ピン、ハンマー、ダンパーフェルト等のパーツを全て新しいものに替えて、機能性を回復させることをいいます。
ただし、オーバーホールは新品ピアノが購入できるほどの費用がかかってしまうので、よっぽど古くなったピアノでない限りは、部分的に修理をしてもらう方が安くすみます。
ピアノの細かい部分の修理費用
次はピアノの故障ケースに分けて修理費用を紹介します。
ただし、グランドピアノとアップライトピアノ、それぞれの種類によって値段は異なるので、あくまで参考の費用となります。
鍵盤の戻りが悪い、または動かない 1,700~2,100円程度
鍵盤の戻りが悪い、または動かない場合の修理費は、1箇所で約1,700~2,100円となります。
修理箇所が1つ増えるにつき、大体500~1,000円ずつ費用が上がっていきます。
特定の音が出ない 1,700~2,100円程度
特定の音が出ない場合の修理費は、1箇所で約1,700~2,100円となります。こちらも修理箇所が1つ増えるにつき、大体1000円ずつ費用が上がっていきます。
弦が切れている 3,000~9,000円程度
弦が切れている場合の修理費は、音域によって異なります。
高音弦で1本3,000~5,000円ほど、中音弦で1本4,000~7,000円ほど、低音弦で1本6,000~9,000円ほど、低音ダブル巻弦で1本9,000~11,000円ほどとなります。
弱音器がきかない 300~1,100円程度
弱音器がきかない場合の修理費は、調節のみが300~600円ほどで、フェルト交換が1枚800~1,100円ほどとなります。
弾き心地が悪い 4,000~6,000円程度
弾き心地が悪いと感じるときの修理費は、修正整調を要するため4,000~6,000円ほどとなります。
音色にムラがある 15,000~18,000円程度
音色にムラがあるときの修理費は、ファイリングというハンマーの削り直しを行うので、少し高めの15,000~18,000円ほどが相場となります。
ピアノの修理を行なってくれる業者
ピアノ修理の費用は業者によって異なりますが、一般的に大手ピアノメーカー直営楽器店の調律費がいちばん高く、その次が一般の楽器販売店、そして自営の調律事務所という順に安くなります。
ピアノの修理に対応している業者をいくつか紹介します。
ピアノ調律修理110番
出典:ピアノ調律修理110番
東証上場企業が運営しているピアノ調律修理110番は、お客様満足度98%以上の実績があります。
実績経験豊富なピアノ調律師が、幅広いピアノの調律・修理に対応してくれますよ。24時間365日受付を行っており、出張でもスピーディーに対応可能です。
調査や見積りは無料で行ってくれるので、気軽に相談できますよ。
昭和楽器
出典:昭和楽器
昭和楽器は、創業1950年の老舗ピアノ業者です。
これまでに7万台以上のピアノを販売していて、一般的に販売しているものからアンティークなものまで幅広いピアノの修理に対応しています。
熟練した職人をはじめ20名の専門家も在籍しており、メーカー問わずあらゆるピアノに精通したプロがいます。そのため、他店で修理を断られたり、買い替えをおすすめされたピアノでも昭和楽器でなら修理が可能となるかもしれません。
ヤマハピアノサービス株式会社
ヤマハピアノサービス株式会社は、ヤマハグループの子会社です。
ヤマハは大型ピアノ工房を持ち、ヤマハの純正パーツが揃っています。そのため、ヤマハのピアノを使っている方は安心して任せられるでしょう。
充実した設備と技術力の高い職人が、ピアノ調律・ピアノ修理・ピアノクリーニング・ピアノ塗装など、国内外のさまざまなピアノのメンテナンスを行ってくれます。
河合楽器
出典:河合楽器
河合楽器は、80年以上の歴史を持つ日本を代表するピアノメーカーです。修理を行う職人は、製造で30~40年携わってきた熟練の方ばかりです。
また、カワイの純正パーツで修理できるため、カワイのピアノを使っている方は安心して任せられるでしょう。
メーカー、型番問わずさまざまなピアノ修理を請け負ってくれるので、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。
ピアノ修理を依頼するときの注意点
続いて、ピアノ修理を依頼するときの注意点を3点紹介します。ピアノの修理は決して安価なものではないので、業者を選ぶ際は慎重に行いましょう。
悪徳業者に要注意
ピアノの修理業者の中には、まだ使えるパーツがあるのにもかかわらず無理やり交換をすすめたり、修理すれば使えるピアノなのに新しいものに買い替えをさせるところもあります。
また、粗雑な調律を行う業者もあり、ピアノの心臓といわれる響板部にホースで水をかけるところもあるようです。これは乾燥後、響板が割れ響棒も剥がれる原因となってしまいます。
このように、高額な修理費を要求されたり、きちんとした修理を行わない業者もあるので、業者選びには十分注意してください。
運送費・出張費にも注意!
ピアノは大型の楽器であるため、大人一人二人の力では運搬は困難です。下手に動かすとピアノに傷をつけてしまう恐れもあります。
調律や簡単な修理には、業者が自宅へ来る出張サービスがあります。しかし、大体の業者は出張費がこちら側の負担となり、費用も地域や業者によって異なるので注意しておきましょう。
また、ピアノの状態によっては、業者に預けて修理を頼む場合もあります、そのときの運送費も大体こちら側の負担となります。運送費もピアノの種類やお住まいの地域によって変動するので、事前に問い合わせておきましょう。
修理業者は必ず比較する
修理業者によって修理費用は変動します。基本的にどの業者もグランドピアノよりもアップライトピアノの修理のほうが安価ですが、故障状況や使用頻度によって修理費用は変わってきます。
また、業者によっては修理すればまだまだ使えるピアノなのに、買い替えをすすめてくることもあります。さらに、古いピアノやマニアックなモデルのものだと断られてしまう場合もあるため、修理業者は最初から1つに絞らず、必ず複数社から見積もりをもらうようにしてください。
まとめ
今回はピアノ修理の費用相場をまとめて紹介しました。
ピアノの修理費用は故障状況によって変動するので、必ず複数の業者から見積もりをすることをおすすめします。
場合によってはオーバーホールのように新品のピアノが購入できるほどの費用がかかるケースもあるため、買い取ってもらうのも一つの手といえるでしょう。
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