
腕時計は、多くの歯車などの部品で組み合わさった精密機械です。そのため、長期間使用するためには定期的なメンテナンスが必要となります。
ここでは、腕時計のメンテナンスの一種であるオーバーホールを自分でやる方法やメリット・デメリット等をご紹介するので、DIYを検討している人は参考にしてください。
腕時計のオーバーホールとは?
オーバーホールとは、時計が正常に動くように、時計のすべての部品を分解して、古くなった油の洗浄、調整、破損した部品などを交換して、再度組み立てることです。
分解掃除とも呼ばれています。
中には、オーバーホールは不要と考える方もいるでしょう。
しかし、購入から長年経過した時計に必ず必要なメンテナンスです。
下記の記事では、時計のオーバーホールは本当に不要か解説しているので、気になる方はこちらもご覧ください。
オーバーホールの実施頻度
オーバーホールの頻度の目安は、機械式時計で3~5年、クォーツ式(電池式)で4~6年と言われています。
大切な時計を使い続けるために、定期的にオーバーホールを行うことが重要です。
時計のオーバーホールの頻度についてはこちらの記事に詳しく記載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
オーバーホールは自分でできる?
オーバーホールは、誰でも自分で行うことが可能です。
原則、資格等は必須とされていません。
そのため、「時計が好きだから自分でやってみたい」という方や、「費用を抑えたい方」は、自分で行うことを検討してもよいでしょう。
ただし、高度な技術や膨大な時間がかかるのも事実なので、この記事を参考にしながら「自分は本当にDIYをしたいのか」を改めて考えてみてくださいね。
下記の記事では、腕時計の修理箇所ごとの料金の相場についてまとめています。オーバーホールだけでなく故障箇所だけの修理も検討してみてください。
自分でオーバーホールを実施する方法
「自分でオーバーホールができないか」と考えている人のために、オーバーホールのDIY方法の概要をまとめました。
必要な道具や、費用についても記載したので参考にしてください。
オーバーホールに必要な道具
- 精密ドライバー
- ピンセット、絶縁ピンセット
- 剣抜き、剣おさえセット
- ムーブメント、パーツホルダー
- こじ開け
- バネ棒外し
- ルーペ
- 時計油、オイラー
- ペンジン
腕時計を分解したり組み立てたりするには、さまざまな道具が必要です。
必要な道具を一つずつ揃えるのもいいですが、修理業者やツール業者のネットショップなどでは、腕時計のメンテナンスに必要な道具一式が揃ったセットなども販売されています。
下記のような一式揃った商品を買ってしまえば、時計DIY初心者でも簡単に時計メンテナンスがはじめられますよ。
部品に支障がある場合は、部品の交換が必要となりますが、一部メーカーの純正部品も自分で入手が可能です。
ただし、多くの有名ブランドの純正部品の入手は、通販ではかなり困難なようです。
そのため、オークションやメルカリ等で中古の部品やジャンク品から部品を購入する必要があります。
オーバーホールの方法
腕時計分解の大まかな流れをご紹介します。
- 【分解】
- 裏蓋、防水用パッキンを外す
- 順々に細かい部品を外していく
- 外した部品はかなり小さいため部品入れなどに入れて失くさないようにする
- 【クリーニング】
- 部品についた古い潤滑剤や汚れを除去
- 交換が必要な部品を交換
- 各部品を慎重に乾かし清潔な状態で保つ
- 【注油・組み立て】
- 新しい潤滑剤を適切に部品につける
- 部品を再び組み立てる
- 写真や図面を参考にして正確に
- 【調整】
- 時計の制度調整や針の精度調整を行う
- 【完了】
- 正常に動作すれば、自分でのオーバーホールは終了
下記のようなYouTube等の動画を参考にしてもわかりやすいかもしれません。
オーバーホールにかかる費用
オーバーホールを自分で行う際の費用は、ピンキリと言っていいでしょう。
なぜなら、時計用の工具といっても品質は様々で、プロ級のものから100円ショップで買えるものもあるからです。
そのため、DIYで行う場合、100円ショップやAmazon等を有効活用すれば、費用は抑えられます。
工具だけを安く揃えるのであれば、5,000円程度でしょう。
オーバーホールを業者へ依頼する場合、業者によって大きな差がありますが、安いところでも15,000円~です。
つまり、自分で行うことによって大幅に費用を削減できます。
腕時計のオーバーホールの値段について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
時計のオーバーホールを自分で実施するメリットとデメリット
時計のオーバーホールは、高度な技術が必要とされるメンテナンスです。
文字のみだと簡単そうに見えますが、実際にはそう上手くいくことばかりではありません。
そのため、メリット・デメリットを紹介します。
オーバーホールのDIYに向いている人等も紹介しますので、メリットやデメリットを理解した上で、挑戦するかどうかの判断をするようにしましょう。
メリット
- 費用を抑えられる
- 時計についての知識が増える
- 時計修理の技術向上ができる
- 自分の必要なタイミングと頻度で修理できる
オーバーホールを業者に依頼するとある程度の費用がかかるので、出費を抑えながら自分の必要なタイミングで行えるのはメリットとして挙げられます。
また、オーバーホールに挑戦することで、時計に関する知識が増えるのでいい成長機会となるでしょう。
そのため、時計が大好きな人やメンテナンスが好きな方にとっては、得られるものが多いはずです。
デメリット
- 修理に時間がかかる
- 壊してしまう可能性がある
- 交換用の部品が入手できないことがある
- 自己修理に対する保証はない
- 時計部品を紛失してしまう可能性がある
- 修理方法を調べる必要があるが、ネット上に詳しい情報が少ない
自分で腕時計のオーバーホールを行う場合、それなりのリスクが伴います。
一度でも自己修理を試みた時計の場合、その後専門の技術者に依頼することは難しくなります。
なぜなら、素人が触った腕時計は、見た目が正常に組み立てられていたとしても、どこか異常のある場合が多く、調査するだけでもかなりの手間がかかるからです。
そのため、自分でオーバーホールを実施した腕時計は、この先ずっと自分で修理やオーバーホールをするしかないことを心に留めておきましょう。
自分でオーバーホールするのがおすすめな人
「オーバーホールを自分で行うこと」は、一見デメリットの方が多いようですが、次のような方にはおすすめです。
- 時計のメンテナンスが大好き
- 時計修理にかける時間はいとわない
- 趣味として新たなことに挑戦したい
一方、一般的な多くの人にとって、自分でオーバーホールを行うことは、やはりリスクが非常に大きいです。
そのため、「自分へのご褒美に購入した高価な時計」や「形見としてもらった希少な時計」など、大切にしている時計は、専門の業者に任せた方が良いでしょう。
下記の記事では、全国対応可能なおすすめの腕時計修理業者をまとめているので、気になる方は参考にしてください。
オーバーホール業者で迷ったらココ!おすすめの時計修理専門店【厳選3店舗】
「DIYではなく修理店でのオーバーホールを検討しようかな…」という人に向けて、厳選したおすすめの修理業者を3つ紹介します。
業者 | おすすめ ポイント | 費用目安 | 修理窓口 | 郵送修理 | 納期 | 事前見積り |
---|---|---|---|---|---|---|
CIEN |
| 27,500円 | 東京・大阪 | 〇 | 約3週間 | |
ALLU WATCH REPAIR |
| 29,000円 | 全国 130店舗~ | 〇 | 2~4週間 | |
WATCH COMPANY |
| 27,500円 | 東京・大阪 名古屋・横浜 | 〇 | 2週間 |
費用は、ROLEX・新品仕上げを含まない標準修理価格で比較しています。
ロレックス、オメガなど高級時計のオーバーホール・修理専門店【CIEN】
など大阪・東京新宿・郵送で対応-www.cien-watch.com_.png)

出典:CIEN
CIENは、オーバーホールを行う時計技術者と磨き上げ等の専任の修理技術者が在籍しているので、高い技術力でハイクオリティに時計を仕上げてもらいたい人におすすめです。
東京と大阪に店舗を構えており、郵送の場合は専用の梱包キットがあるので全国対応が可能です。
修理費用もきちんと見積りを出してくれるので、安心ですね。
お近くに修理店がない方にもおすすめですよ。
費用 | 17,600円~ |
---|---|
保証期間 | 1年間 |
納期 | 3週間~ |
おすすめポイント3選
- オーバーホール価格がメーカー修理の最大60%OFF
- すべてメーカー純正部品を使用
- 見積り・キャンセル・梱包キット無料(全国対応)
口コミ
- 時計到着しました。感動レベルの出来栄えです。ありがとうございました。今度またお願いします。
- ピカピカの時計を受け取りました。買った35年前を思い出しワクワクしています。
年間30,000本以上の修理実績!顧客満足度93%の時計修理店【ALLU WATCH REPAIR】

ALLU WATCH REPAIRは、手厚い丁寧なサービスを受けたい人におすすめの業者です。
東京を中心に全国に130店舗以上を展開しているため、郵送・店舗で相談をしたい方問わずおすすめの業者です。
世界最高峰の時計技術者育成プログラム「WOSTEP認定」を受けた時計技師や、「時計修理技能士1級」の国家資格を持つ時計技士たちが対応してくれます。
さらに、いつでも内部点検・外装洗浄・防水試験を無料で実施してくれる無期限の無料点検アフターサービスも付いているので、安心して依頼できますね。
見積もり、送料すべて無料で対応してくれるので、気軽に問い合わせてくださいね。
費用 | 21,000円~ |
---|---|
保証期間 | 1年間 |
納期 | 2週間~ |
おすすめポイント3選
- 安心な上場会社のグループ企業が運営
- いつでも内部点検・外装洗浄・防水試験が無料の無期限アフターサービス付き
- 経験豊富な有資格者技士が対応してくれる
口コミ
- 店舗数がとにかく多いため、私が住んでいる地域にも2店舗展開されていました。そのため、宅配ではなく店舗に持ち込んで依頼することができました。やはり持ち込みの方が安心して依頼することができるので、かなりありがたかったです。
- 品物もきれいに包装され、交換したパーツも同封されているので、何を交換したのかも明確で、素晴らしい対応だと思います。
スピーディーな対応が強み!時計修理専門店【WATCH COMPANY】


WATCH COMPANYは、腕時計修理の知識・キャリアを十分に持った信頼できる修理店に依頼したい人におすすめです。
東京・大阪・名古屋の3大都市のほか横浜に店を展開しています。
納品スピードが早いことや、サイトブログやSNSで修理情報を発信しているのが特徴です。
そのため、どのような修理をしているかが見えやすく安心して依頼できますよ。
費用 | 16,500円~ |
---|---|
保証期間 | 1年間(一部6ヶ月) |
納期 | 2週間~ |
おすすめポイント3選
- 年間25,000本以上の修理実績
- 対応がスピーディーで最短2週間からオーバーホール完了
- 一部除きメーカー純正品を使用
口コミ
- 対応も非常に丁寧でしたし、メーカー純正のパーツを使用しているということで、安心して依頼することができました。
- メーカーへ依頼した場合だと2ヶ月は待つことになるとのことでしたが、こちらのお店の場合、2週間ほどで戻ってきました。非常にありがたかったです。
出典:時計修理ガイドブック
DIYする際に気を付けるポイント
腕時計のオーバーホールを自分でやることは、それなりのリスクが伴うことを説明しましたが、「それでもやっぱり自分でやりたい!」という方へ向けて気をつけるポイントを紹介します。
もし、オーバーホールを初めて自分でするのであれば、最初から大切な時計では行わないことを心がけましょう。
なぜなら、何度も言うように、オーバーホールは高い技術力を必要とします。
そのため、ジャンク品や100円ショップの腕時計、またはノンデイトタイプの腕時計など初心者でも分解しやすい時計で練習を始めてみてください。
そのようにして、時計の修理技術を高め、ある程度自信がついた後に、大切にしている時計は触るようにしましょう。
デメリットのところでも触れたように、自分でいじって修理店での修理が不可になってしまうと、どうすることもできなくなってしまいます。
大切にしている腕時計を長く使うためにも、時計のオーバーホールを自分でやる場合は、時間をかけて慎重に行動することが大切です。
【まとめ】オーバーホールはプロへ任せるのが無難
ここまで説明してきたように、腕時計のオーバーホールは高度な技術が必要です。
そのため、自分の趣味として「時計修理の技術を高めていきたい」という人以外は、プロへ任せるのが1番でしょう。
「メンテナンス料金を抑えたい…」という背景でDIYを検討していた人は、安い業者を探すのがおすすめです。
修理店によって、料金は大きく異なるので、相見積りをして安く依頼できる業者を探しましょう。
相見積りとは、複数の業者の見積り書を比較することです。
今回紹介した修理店はすべて無料で見積りを出してくれますので、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
特に、ALLU WATCH REPAIRでは、「送料もすべて無料」なのでおすすめですよ。
また、最安修理ドットコムでは地域やメーカーから腕時計のオーバーホール費用を比較できるので、ぜひ参考にしてください。

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